真梨子
羽佐間 修:作
■ 第5章 オフィス・嬲10
梶は、ニタニタ笑いながら、真梨子の前に出されたピンク色のカクテルに手を伸ばし、口に運びながら真梨子の様子を眺めている。
サイドが紐状のショーツに指が掛かる。
――本当に脱ぐしかないの? 助けて… ゴメンナサイ、浩二さん…
腰を浮かせ、ショーツをヒップから抜き取り、足首に落とした。
身体を屈め、足首にかかるショーツを抜き取り右手に握る。
カウンターの下で裏返り丸まったショーツを調えたが、クロッチは既に愛液が染み、ねっとりと濡れていた。
「見せるんだ!」
ゆっくり手を引き上げ、カウンターの上に白いレースのTバックショーツを握り締めた拳を置いた。
「ぶーっ」
固まったように動かない真梨子の手の甲に梶が唾を伴った息を吹きかける。
拳を開き、真梨子が手を引くと、丸まった小さなショーツが惨めな姿をさらした。
すかさず梶がショーツを手に取り、真梨子の顔の前で、生地を拡げてつぶさに調べるのだ。
真梨子は、今起こっていることが現実の出来事とはとても思えなかった。
「くくっ よくこんなスケベな紐みたいなパンツを穿いて仕事が出来るもんだな。 オマ○コに喰い込まないのか? くくっ」
――あぁぁ 言わないで…
「ここでは由梨と呼んでやるよ、淫乱真梨子君」
「あっ… 本当に誰にもこの事は… どうかお願いします…」
「ふん… チーフ! Indecent lady、お代わりだ」
カクテルを飲み干した梶は、星野にグラスをかざした。
「お、お願いです…」
「お前次第だと言っただろ! そうだなぁ… 次は裾をまくって自慢のツルツルオマ○コを見せてみろ!」
「こ、ここで…ですか?…」
「ああ、ここでだ! それともいつものステージの方がいいのか? 由梨。 ふふっ」
――ああぁぁぁ どうすればいいの… どうすれば…
「あぁ… お願い…」
梶が真梨子のスツールを回転させ、梶の正面に体が向かい合った。
「勿体つけるなよ、由梨」
ワンピースの裾を指で摘み、おずおずとガーターとストッキングしか着けていない股間を梶に晒した。
「くっくっくっ 相変わらず綺麗にツルツルだなぁ。 股を開いていやらしい臭いオマ○コも見せてみろ!」
「あぁぁ…」
ぴったり閉じ合わせた膝が震えながら徐々に開き、ダイヤのピアスで飾られたラビアが顔を出した。
「くっくっくっ あ〜はっはっはっ! 女は素直が一番だ。 ましてお前みたいな変態マゾ女はな」
恥辱と屈辱がないまぜになり頬に涙が伝う。
「くくっ うれし涙かな?! そうだ。 お前に似合いのプレゼントがあったんだ」
「……」
「毎日、淫らな肉欲を秘めながら、よく頑張ってくれているから褒美だよ」
―な、何?
「動くな! そのままだ!」
「これだよ、気に入ってくれるといいんだがな、真梨子ちゃん」
ポケットから取り出された物は、黒皮の細いチョーカーだった。
「俺だけが知っているお前が露出好きのマゾ女だというの印だよ。 エルメスだぜ」
心臓がドキドキして壊れそうだ…
「さぁ、付けてやろう!」
「い、いえ、結構です!」
「遠慮するなよ、由梨^^」
首に梶の手が回り、チョーカーが真梨子の細い首に巻きつき、Mの金文字のカデナが頸元を飾った。
「仕事中も露出好きの変態女です!っていう名刺代わりだ。 プロジェクトが終わるまでは俺に断りもなく外すんじゃないぞ! 黒いチョーカーってのはこの店の中では身体に触ってもいいわよ!ってサインだったよな!あはは」
「……」
「ふっ 分かったな!露出狂の真梨子!」
「…はい…」
「立て! 裾を持ってパイパンオマ○コを晒したままそこに立つんだ!」
――誰かに見られるかも… 出来ない…
「立つんだよ! 由梨」
下半身を露にスツールから立ち上がった。
「あっ…」
いきなり梶が膝の上に抱き寄せる。
「ああぁ いやっ…」
梶の膝から伝わる生暖かい体温が怖気立つほどの嫌悪感を誘う。
脇の下から腕を差し入れた梶が、真梨子の乳房を鷲づかみにし、やわやわと揉んできた。
スツールが回転し、カウンターの正面に向かい合う。
そしてカウンターの中では星野がカメラを構えていた。
「いやっ! 許して!」
(カシャ)
顔を背けた瞬間、ストロボが光った。
「やめてください… 写真は許して…お願い…」
「ふふ 安心しろ! 顔は映っていないはずだ。見てみな」
星野がデジカメのモニターを二人に見せた。
梶の指がバストに荒々しく喰い込むショットには、耳から下の横顔が写っていた。
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