真梨子
羽佐間 修:作
■ 第5章 オフィス・嬲17
−失禁− 7月20日(水)
(近藤さん。 真梨子の”被虐磁石”に又々牡が引き寄せられてきましたよ )
「何だ、それは?」
(虐められたい真梨子が放つ”虐めて欲しい〜磁力”に虐める事が趣味の男が吸い寄せられるって事ですよ。)
「ふっ 詰まらん事言うな、横田! で、誰なんだ?磁力に吸い寄せられたオスってのは?」
(大学時代の恩師で今は○◇大学で経済学部の学部長をしてるんですがね。 この爺、赤坂のSMサロン「キングダム」の会員でした。 勃ちもしないインポのくせにスパンキング・マニアだそうです。 蝋燭とアナルも好みのようですね。それに真梨子が尊敬する人の中の一人って事です。 真梨子が尊敬する人って父親と旦那とこの教授ですってね。
真梨子らしいっちゃらしいんですがねぇ)
「へぇ〜 先生ってやつは歪んでるなぁ。 医師、弁護士、教師… どいつもこいつも… この国がおかしくなる訳だ。 まっ、知ったこっちゃないがな」
(近藤さんが言うと何か変ですよ。 うちの倶楽部のお得意様ばかりじゃないですか!)
「ふっ、生意気言うな! しかし真梨子にはいい題材だな! 尊敬する恩師かぁ〜 真梨子は悦ぶだろうなぁ〜
尊敬する大切な人に知られたくない淫らな姿を晒す! 素敵な出逢いをさせてやれ! ドキドキさせて自分の本性を早く自覚させてやれ 」
(はい。 キングダムのママはHalf Moon育ちですから、問題ないでしょう)
近藤は横田からの電話を切ると、前室にいる秘書の新谷裕美を呼んだ。
「裕美! 裸になってデスクの下に潜り込め。 朝のミルクをご馳走してやる」
「あのぉ、専務… もう直ぐ住菱銀行の瀬島支店長様がお見えになりますが…」
「だからどうした?」
「い、いえ… 失礼しました」
裕美は、顔を紅潮させながら胸元のリボンを解きはじめた。
◆
真梨子は、いつもより少し早く出勤した。
久美が出勤する前に、机の下のショーツを処理したかったからだ。
しかし、机の下には何もなかった。
―部長が夜に取りに来たんだろうか…
出勤した時に電源を入れたパソコンが立ち上がり、いくつかのメールの到着を知らせている。
その中に梶からのメールがあった。
真梨子! お前は今日一日、その部屋から一歩も出てはいけない!食事もトイレもすべてその部屋の中で済ませるんだ。いいな!
――そんな… おトイレも駄目だなんて… 今から10時間近く、トイレに行かずに過ごせるわけないわ…
メールの続きには恐ろしいことが記されていた。
安心しろ! お前のロッカーの中に紙おむつを用意してある。ションベンがしたくなったら、そのおむつパンツを穿いてするんだ。 いいな! オムツを替えるところをしっかり見ててやるからな!
ロッカーに走ると、帰るときには施錠したはずの鍵は開いていて、中には”ユニ・チャーム大人用オムツ(パンツ型)M”と書いた緑のビニールパックが置かれていた。
「そんな… ひどい… あんまりだわ!」
――昼食を抜くぐらい何でもないけど、オムツだなんて…
◆
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