真梨子
羽佐間 修:作

■ 第5章 オフィス・嬲23

 携帯が鳴る。
 梶からの電話だ。
(逝ったか?)
「…はい」
(恥ずかしい女だなぁ。 何処ででもあっという間だな。 恥ずかしくないのか? 真梨子!)
「…はい 恥ずかしいです…」
(運転手は気付いてくれたか?)
「いいえ…」
(ふっふっ そりゃ残念だったな! 見られたほうが気持ちよかっただろうに)
「・・・・・・」
(ちゃんと逝く瞬間を撮れたか?」
「…はい たぶん・・・」
(たぶんだと?! まあ、いい。 運転手に聞こえるように大きな声で気持ちよかったわと言ってみろ!」
「気持ちよかったです…」
(はぁ? もっと大きな声で!)
「気持ちよかったです!」
 運転手の頭がピクリと動き、聞き耳を立てている様子だ。
(ふふっ。  運転手に迷惑を掛けたお詫びに牝犬からのプレゼントとして下着は座席の上に置き忘れてこい。いいな!)
「そんな…」
(それが嫌なら、その動画を見せてタクシーの中でこんなに淫らなことをしてしまいました。ごめんなさいと素直に謝れ!)
「はい… わかりました。 置いておきます…」

 バックから下着を取り出し、シートのドアの寄りに置く。

 間もなく車は第1ターミナルに着いた。

 運賃を払い釣りも受け取らずに、真梨子は逃げるようにしてタクシーから降りた。
 小走りにターミナルビルの入り口に向かった。

 背後からの運転手が忘れ物を訴える声は真梨子には届かなかった。

   ◆
 時計を見ると17時を少し過ぎていた。
 ANAL航空のカウンターに向かうとはたして梶がいた。
「遅いぞ! チェックインして来い!」
 手渡されたのは、ANAL1035 18:00羽田発の千歳行のスーパープレミアムシートのチケットだった。
――北海道?!

 搭乗手続きを済ませ梶と共にゲートをくぐった。

「着替えだ」
 梶からボストンバッグを手渡された。
「お前の着替えだ。 牝犬の旅行に似合いの服が入っているからトイレで着替えて来い。 お前が今着ている物は下着もすべてゴミ箱に捨ててくるんだ。いいな?!」
「はい…」
――何が入っているの… どうせいやらしい物に違いないわ…

 トイレに入って中を開けると、A4の紙が1枚入っていた。
【淫乱真梨子へ】
バッグの中の好きな服に着替えろ。 
それからお前の淫らな穴を塞ぐ玩具も入れてあるから、前の穴にも後ろの穴にも挿れておくんだ!
後ろの穴用には今お前が挿れている物より一回り太いのを入れてあるから取り替えてろ。
いやらしい命令にワクワクしているんだろう?!
ちゃんと服従すれば変態のお前には、素敵な北海道出張になるぞ!わかったな!変態真梨子。

 バッグの中には、真梨子の想像したとおり真梨子を困らせることが目的のいやらしい服ばかりだった。
 一番上には真っ黒なシリコン製の大小のディルドウが2本入ったビニール袋があった。
――こんなに大きいのなんて…
 小さいほうでも今、真梨子のアナルに入っている物の倍近い径があるように見えた。

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