パパのヒミツ
二次元世界の調教師:作

■ 1

その日高校の部活を休んでまで早く帰った私は、小学校の先生をしているママに見つかる事なく、宅配便を受け取る事が出来てホッとしました。差し出し人は「じゅんいち」で住所を見ても間違いありません。単身赴任でずっと離れて暮らしているパパ、矢島純一からの贈り物に違いありません。

 さっそく自分の部屋に持って入り、中身を確かめてみました。

「!!」

(結構大きいんだ……)

 パッケージの写真だけでもショッキングでしたが、中から取りだしてみた男の人のシンボルの形をした器具を手にした私は、その本物ソックリの弾力性と意外なくらいの大きさにドキドキしてしまいます。こんなのが私のアソコに入るのでしょうか。

 パパのハンドルネームである「じゅんいち」さんからのメモ書きが入っていたので、読んでみた私は顔を赤くしてしまいました。

「ケイさんへ。
 これは僕のペニスで象ったものです。
 大事に使って下さいね。」

(これがパパのおちんちん……)

 私はパパが大好きで、小学校中学年くらいまで一緒にお風呂に入っていたのですが、こんなに大きかったかしら? あ、そうか、大きくなった時のサイズなんだ、と気付いた私はますます赤面してしまいます。

 大きな宅配便の中には他にも黒革のパンツや何本かの円筒型の道具、それに手錠やら鳥の羽毛やら目隠しやら、パパのサイトで見たり読んだりしたえっちな道具がたくさん入っていました。本物を見るのはもちろん初めての物ばかりです。

「ただいまー」

 ママが帰って来ました。私はお風呂から上がってから試してみる事にして、急いでそのいかがわしい道具類を勉強机にしまい込みます。真っ赤になった顔をとがめられたらどう言い訳しようかと思いました。まさか1人えっちしてたの、とは言えませんよね。

私がパパのヒミツに気付いたのは、半年くらい前の事でした。パパはもう1年くらい単身赴任してるんですけど、ブログをやってるので、そこに近況を載せてママや私に見せてくれています。パパはとても几帳面で毎日日記を書いて写真も載せてくれるので、元気でやってるんだなとわかってママも安心だと思います。パパのブログを見るのはもう日課みたいになっています。

 ところがある時、私がパパのブログを見ていると、見たことのないサイトにリンクが繋がっていたのです。ママや私にわざと知らせるつもりだったのか、ただのうっかりだったのかわかりません。私はちょうど夜自分の部屋で机について勉強していた所でしたが、ちょっと気分転換にとのぞいたそのサイトはとてもえっちなサイトで、私はドキドキしながらついつい見入ってしまい、お気に入りに入れてしまいました。

 「SMめいと」というそのサイトは、管理人の「じゅんいち」さんが自作の小説や、体験談をアップしているものでしたが、女の人の裸とかは全然掲載されてないので、一見えっちなサイトには見えません。ただ、「じゅんいち」さんは小道具にこだわりがあるようで、小説や体験談に出て来るSMグッズの写真が挿絵みたいに載っています。

(これを使ったら、この小説の女の人みたいに凄く気持ち良くなれるんだ……)

 嫌らしい画像だったら抵抗のある私も、活字と小道具の写真ならすんなり入り込む事が出来て、自分がこんなえっちな道具を使われて、小説のヒロインみたいな事をされる事を想像するのはとても刺激的でした。どんどんハマって行き、学校でさえ密かにケイタイで盗み読みしたりするようになりました。通話料が急に増えてママに怒られ、気をつけねばならない程でした。

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