SMごっこ
二次元世界の調教師:作

■ 4

「うん、そのくらいでいいよ。
 今度は、下にはいてる黒いやつを脱いで。」
「何だそれ、えっち!
 パンツが見えるだろ!」
「ぼ、僕……
 めぐ姉のパンチラを見たい……
 いつもそれを頭に思い浮かべて1人えっちしてるんだ。」

 うわ!
 何という下劣な告白だろう。
 あの、中1の時握り締めてる場面を目撃してしまった、翔のシンボルが脳裏に蘇る。あれから3年。ソレも成長したのだろうか?

「嫌なら、そう言って。
 僕これだけでもいいから。
 夜にならない内に出よう。」
「そのくらいどってことないさ。
 脱いでやるよ。」

 私はこれから外に出る事に不穏な思いを抱きながら、思い切ってスパッツを脱ぎ捨てた。中にはいてるのは、何の変哲もない白い綿パンツである。これを見られるかも知れないと思うと、羞ずかしくてたまらなかったが、同時に又翔に見られるなら構わないと思ったし、全身に妖しい興奮が込み上げて来るのを感じていた。

 親が帰って来るまでに戻る事を考えるとあまりのんびりしている時間はなく、さっそく外へ出た私は、すぐに「SMごっこ」がただの「ごっこ」ではすまない行為である事に気付いて慄然としてしまった。ちょうど学校や仕事帰りの人で混み合う時間帯で、大勢の人混みの中で晒すには私のスカートは余りにも短か過ぎると言えた。ほとんど股下がない所まで上げてしまったので、普通に立っていても中が覗けそうだ。しかも普通はいてるパンチラ防止のスパッツもはいてないとは、どんな不良の子でもするわけのない羞ずかしい格好だった。夕刻の冷たい風が露出した脚にスースー当たって、嫌でも超ミニスカートの頼りなさを痛感させられ、私は楽しそうに横に立つ翔に弱音を吐きそうになっていた。

「さあ、急いで行こう。
 めぐ姉、場所を案内してよ。」

 そうだった。私の言い出した、新しく出来た「甘味処」の場所を案内しなければならない。私は人混みの中に脚を踏み出す時、自然と翔の手を取って引いていた。

「めぐ姉と手を繋ぐの、久しぶりだね。」

 いつものオドオドした態度でなく、余裕ありげでいつになく眩しい笑顔を見せる翔に対して、私の方は反対に超ミニスカの頼りなさもあって、翔にすり寄って依存しているような気分に陥っていた。今の翔の言葉も、周囲の人達がどう聞いた事かと思うと異常なくらい胸がドキドキと高鳴った。姉弟で手を繋いでも不自然ではないが、思春期まっただ中の高校生同士とあっては、シャレにはならない。ああ、そんな事言わないでよ、翔。アンタと私きょうだいだから。恋人同士じゃないんだし、大きくなってから手を繋いじゃ良くないんだよ。

「スカートを隠さないで。」

 そんなっ! パンツが見えちゃうのに、このスカートを手で押さえずに歩くなんて考えられないよ!

「嫌なのかい?」

 もちろん嫌だ。でも私はこの大勢の人混みの中で声を出すのがはばかられて、口からは何も出なかった。

「こっちへ来てよ。」

 私が何も言わず、手を繋いでない方の手でミニスカの前を押さえるのもやめないでいると、翔はそう言って私を道路の端に連れて来た。やや人混みから逃れたとは言え、大勢の視線が注がれる場所には違いがない。ところが人混みの側を向いて立たされた私の背後に回った翔は、こんな事を言ったのである。

「両手を背中に回して。」

(な、何!?)

 やはり人混みに気圧されて何も言えない私の手を、翔が半ば強引に両方背中に回させた。そして何か細かい作業をやっているなと思ったら、親指同士がヒモで括り付けられていたのである。ハッと気付いた私は外れないかともがいたが、もう後の祭りでハズカシイ超ミニスカを隠す役目を私の手は完全に失ってしまっていた。

「い、嫌……」

 ようやく声が出た時には私の両手はもう使い物にならなかった。

「もう遅いよ、めぐ姉。
 ホラ。」

(ば、バカあっっ!!)

 翔の手がペロンとスカートをめくると、すぐに白パンツが丸見えになる。これはもう「SMごっこ」の域を超えているのではないか。が、翔がそこからしゃべらなくなり、私も道に戻されると、「甘味処」への道を先に立って行くよりなかった。途中でミニスカがヒラヒラして、白いものがチラチラのぞけてしまい、羞ずかしがり屋の私にはたまらなかった。

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