SMごっこ
二次元世界の調教師:作

■ SMごっこ2-4

「僕だって彼女が出来たよ」

「マジでか」

「マジで。
 ホラ」

 げっ! 翔が見せて来た彼女の写真に、私はビックリしてしまった。

「なかなかカワイイ子じゃねえか」

 それどころではない。クラスに1人いるかいないかと言うような、めちゃくちゃカワイイ女の子だった。悔しいが私なんか逆立ちしたってかないそうもない。イケ面の翔とは絵に描いたような美男美女のカップルではないか。

「し、翔。
 その……
 えっちの方はもうやったのか?」

「もちろんだよ」

「そうか……
 じゃ、おあいこだな」

 私はもうそれ以上彼女の事を詮索するのはよした。考えてみればジャニーズで売り出せそうな甘いマスクとたくましい体の翔のことだ。その気になれば彼女を作るくらい朝飯前だったに違いない。それにあのえっちテクだ。きっと彼女はもう翔にメロメロだろう。私はつい、お人形さんみたいな美形の彼女に嫉妬してしまっている自分に気付いて情けなくなった。

「良かったじゃないか、翔。
 やっぱりやれば出来る子だな、お前は」

 私は心にもない言葉を口にしながら、ヘタレの弟が初めて作った抜群にカワイイ彼女の事を素直に喜んでやれない自分が腹立たしかった。こんな不道徳な賭けを言い出して、翔への思いを断ち切ろうとしたのは私の方なのに。

「明日彼女が家に来るんだ。
 めぐ姉、良かったら会ってくれない?」

「いや、遠慮しとくよ。
 友達と会う予定だからさ」

 明日、他の家族は皆予定があり出払っている。私だけは特に予定もなかったのに嘘をついた。わざわざ2人切りになれる時を選んで彼女を家に呼んだ翔。彼が当然考えているであろう事を考えると、とても彼女に会うだなんて無粋な事は出来ない。

 いや、違う。本当は翔の選んだ、私よりはるかに魅力的な彼女に会うのが怖かったのだ。

「そうか、残念だよ。
 でもめぐ姉、僕、部屋の鍵は開けとくから」

(何だって!?)

 私は正直予想していなかった美形の彼女と、彼女との行為を覗けとでも言わんばかりの翔の挑発的な言葉に大いに心を惑わされ、その夜あえて着用したまま床に入ったエロパンツの下に手を入れて、大学ですっかりクセになってしまった1人えっちに耽らないではいられなかった。翔との濃厚なえっちに慣れた私の体は、どうしても彼氏とのごくノーマルなえっちでは満たされないのだ。

 そしてそのまま朝を迎えて、羞ずかしい染みのベットリ付いた「勝負パンツ」をそのまま脱がず、昨日と同じ露出過剰な服装を身に着けた私。思えば翔は私が下着を汚すのをとても喜び、しばしば数日間はきっ放しのパンツに興奮して、いつも以上に激しく愛してくれたものだった。

 朝早く他の家族はそれぞれの用事で出掛け、私と翔は2人で彼女の訪れを待った。一言挨拶するだけでいいから、と言う翔のリクエストで、私は彼女に会うだけ会う事にしたのだ。そして制服姿で現れた彼女は、写真で見た以上の目を見張るような美少女だった。羞ずかしそうに真っ赤に頬を染め、翔君と付き合っています、と挨拶した彼女を、私は同性ながら食べてしまいたいくらいカワイイと思った。

 私にべったりで彼女なんか出来っこないと思っていた翔の射止めたこの美少女に、私は醜い嫉妬心を燃やしながら家を後にする。翔がすぐに彼女を自分の部屋に招き入れる所も確認してしまった。

 行くあてもない私は、近所の喫茶店で時間を潰す事にした。砂糖とミルクをたっぷり入れたアイスコーヒーとケーキのセットで、小1時間も時間を過ごしている私を、店の人は服装から判断してデートの相手を待っているのだと思ったらしい。だが1時間経っても、もちろん彼氏など現れるわけがない。何と言う惨めさ。いたたまれなくなった私が場所を変えようかと思った頃、翔からメールが入った。

「帰って来てよ、めぐ姉。
 出来るだけ静かに、僕の部屋に入って来て」

 何と言う破廉恥なやつだ。私はやり場のない怒りがふつふつとわくのを覚えながら、どうしても足は翔と彼女の待つ実家へと向かってしまう。

 翔は一体何を考えているのだろう。彼女との決定的な場面を私に見せつけようと言うのか。そんなやつは許せない、最低だ。彼女の気持ちを考えれば鬼畜に等しい行動ではないか。なのに私は脚をすくませながらも家に帰り、足音を潜めて翔の部屋に忍び込もうとしている。破廉恥なスカートの下のエロパンツは、私の新鮮な滴りでグショグショになり、えっち汁が太股まで伝い落ちるのがわかった。翔と彼女との行為を覗き見ると思っただけで、こんなに興奮して見境いがなくなってしまった私に、彼の不道徳な行いを責める資格があるだろうか。

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