モンスター
二次元世界の調教師:作

■ 4

「先生が、ひとみのドレイになってくれたら、学校に行ってもいいよ」

「ドレイって、ひ、ひとみ……
 ちゃん……」

「先生、どうやらクスリが効いて来たみたいね、ふふふ……」

 それが、ひとみちゃんが入れたお茶の中にタップリ盛られていた強力な催眠薬によって、俺が気を失う前に聞いた最後の言葉だった。

「ねー、せんせー、起きてよー」

 ひとみちゃんのかわいらしい声と共に次に目覚めた時、俺はとんでもない事態にすぐには頭が回ってくれなかった。ここは車の中だろうか? が、そう思った次の瞬間、俺は首をグッと強い力で引っ張られて、車から外へ転げるように出されていた。何ということだ。俺の首には革製らしい頑丈な首輪が嵌り、それをひとみちゃんの母親の久美子さんが持って、俺を車外に引っ張り出したのだ。さらに俺の両手は首輪の左右に手錠で繋がれていて、まるで一昔前の罪人のような格好だった。が、何と言っても衝撃的だったのは、野外に連れ出された俺が一糸まとわぬ全裸だったことだ。

「な、何をするんですか!」

 思わず大きな声で怒鳴ったつもりだったが、その声は情けないくらい慄えてしまっていたようだ。車の外は公園だろうか。ところどころ街灯で明るい所があるようだが、幸い俺の出された辺りはかなり暗く、付近に人の気配もなかった。そして母親は首輪を大きな木の幹の上の方にチェーンで繋ぎ、俺はでくのぼうのように、日が暮れて薄暗い公園の中に立たされていたのである。

「あー、せんせー、ちんちんたってるー」

 俺の足元にしゃがんだひとみちゃんはそう言うと、仮性包茎のペニスを見てピンと指で弾き、興味津々と言った様子で見つめて来た。

「そんな所触っちゃダメだよ、ひとみちゃん」

「あら、先生は私達のドレイに成られたんですよ。
 ご主人様のすることに、口答えしていいと思ってるのかしら?」

 言葉こそ丁寧だが、気絶する前に夢の中のように聞いた「ドレイ」という言葉が現実のことだと知らせる母親の物言いに、俺は次第に背筋を冷たいものが這い上がって来るのを感じた。そして次の瞬間、母親の態度が豹変した。

「ひとみ、その薄汚いチンポから手をお離しなさい。
 おい、お前、何をそんなにピンピンにしてやがるんだい!
 恥をお知りよ、この豚野郎っ!」

「ぐおお〜っっ!!」

 ひとみちゃんが手を離してくれてホッとしたのも束の間、久美子さんがハイヒールで俺の股間に強烈なケリを入れて来た。俺は大きな悲鳴を上げ激痛に涙まで浮かべていた。

「ママー、せんせーがかわいそうだよー。
 ちんちんが壊れちゃうー」

 そう言って小学生とは思えない、心のこもった優しさで握り締めて来たひとみちゃんの小さな柔らかい手の中で、俺のムスコは凄まじい勢いでドクドクと脈動し、強烈な勃起を示していた。

「ねえ先生、確か小さな女の子に変な興味なんかお持ちではないとおっしゃいませんでしたか?
 ひとみにチンポを弄られて、えらく興奮しておられるようにお見受けしますけど」

「せんせーのちんちん、すっごく熱いよー
 何だかヤキイモみたい」

「やっぱり先生はロリコンのヘンタイ教師でいらっしゃったのですね、イヤラシイ……」

 ああ、ひとみちゃん、やめてくれ! 俺は、おませなひとみちゃんが、ゆっくりシコシコと手を動かし始めるとどうしようもない興奮に包まれ、尻の方からムクムクとわき起こって来る猛烈な射精欲求に泣きたい気分になった。ひとみちゃんの「手コキ」で達してしまうようなことがあったら、俺は一体どう申し開きをすれば良いと言うのか。が、つぶらな瞳で一生懸命男のシンボルをしごき立てるひとみちゃんを、俺はとうとう怒鳴ってしまった。

「や、やめなさい、ひとみちゃん!」

「えーん、せんせーがこわいよー」

 大きな声で怒鳴るとひとみちゃんは手を離してくれたのだが、それは一時の救いに過ぎない。

「しょうがないね。
 ひとみ、こんな言うことを聞かない先生は、ほっといて帰っちゃいましょ」

「待って下さいっっ!!」

 こんなどことも知れぬ野外に、手と首の拘束具だけの全裸で放置される恐怖で、俺は顔が引きつっていたと思う。俺のような体の馬鹿でかい男がこんな格好をしているところを見られたら、変質者そのものではないか。小学生の教え子とその母親のドレイにされたなどと言って、誰が信じてくれるだろう。警察に補導されて身元を知られ、教育委員会から懲戒処分を受ける最悪のシナリオが頭をよぎる。そして何よりも辛いのは、これを逃したら二度とめぐり会うことはないであろう、最高のパートナーである真菜との結婚が間違いなく破談となることだ。仮に仕事を続けることは叶っても、彼女から蔑みの目で見られ交際を断られたら、俺の人生真っ暗だ。

「何だい、先生。
 かわいそうだから首輪のチェーンくらいは外しといてやるよ。
 後は自分で何とかして帰りな」

 そう言って木から首輪を離してくれた久美子さんに、俺は必死ですがり付くようにして懇願した。

「お願いです!
 何でも言うことを聞きますから、一緒に連れて帰って下さい!」

 何しろここがどこであるかさえわからないのだ。小心者の俺は、すっかり怯えてだらしなく泣きながらそう訴えた。

「ねえママ、せんせーが何でも言うこと聞いてくれるんだって」

「ひとみ、先生を一緒に連れて帰ったげる?」

「うん」

 おお、何と言う優しい子だろう。やっぱりひとみちゃんは天使だ。いや、天使ではない。彼女は俺の「ご主人様」なのだった。

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