奥さまはマゾ
二次元世界の調教師:作

■ 14

「奥さま、立派なメス犬奴隷に成りました。人間に戻って、私と気持ち良いセックスを致しましょう」

 そう夢のようなことをおっしゃって下さった新山さんは、私を「犬」に変身させていた拘束具や黒革下着を外してお風呂に入れ、キレイに洗って下さいました。その時新山さんにいろんな汚い場所を洗われる歓びで、私がはしたなく何度も極めてしまったのは言うまでもありません。もうそれからは、私は新山さんと熱烈なカップルであるかのように淫らに疼く体をぶつけ合い、彼に手ほどきされるままに濃厚なロングランのセックスに突入したのです。彼は主人とは比較にもならないほどの絶倫で、一度や二度放出したくらいではビクともせず、根が生えたようにガッシリと岩のように逞しくそそり勃ち続ける新山さんのペニスに、私は全身全霊を支配されたような気分に陥っていました。

 食事も取らず朝方から続く超人的な絶倫の新山さんとのセックスで、二度失神した私がなおもすぐ叩き起こされて、仰向けで力強く勃起させた彼の怒張にまたがり、ああ、ああ〜、とひたすら尾を引く溜息を洩らしながら、もう自分の意思ではどうにもならない浅ましく快楽を求める腰を降り続けていたのは、夕刻だったでしょうか。悪夢が起こったのはその時でした。

「おお、おお、やっとるのお」

 鍵が掛かっているはずの家の玄関からずかずかと入り込んで来たのは、中国から急ぎ帰国中で明日にならねば帰らぬはずの父でした。

――ああ、とうとう私、気が狂ってしまったんだ……

 これが悪夢でないのなら、正気を失った私が見ている幻覚なのでしょう。

「社長、おつとめ、ご苦労さまです」
「ところで新山、お前いつからやっとるんだ。まさか朝からずっと、とか言うわけではあるまい」
「いえ、そのまさか、なんでして。綾子さんがすっかり私のチンポを気に入って、離してくれないのです」
「綾子、お前父さんの前で新山と浮気して、腰を振ってるんだぞ、羞ずかしくないのか」

 夢や幻覚にしてはやけに生々しく現実的な父に話し掛られた私は、新山さんの素晴らしいペニスをくわえ込み、無我夢中でグイグイと上下させていた浅ましい腰の動きを、全身全霊で止めました。

――ま、まさか、本物の父さん!?

 だとしたら私は死にも勝るふしだらな淫行に耽っているのです。絶対あの厳格な父に見せるわけにはいきません。せめてこの卑猥な腰の動きだけは止めなければ……でも私の腰は新山さんをくわえ込んで離せませんし、思い切り振りたくてお尻のくぼみが物欲しげにピクピクと痙攣していました。

「どうしたんですか奥さま。えっちがお嫌いになったわけじゃないでしょう?」

 新山さんがテクニシャンの手を伸ばして、汗みずくの背中をスーッと撫でるとそれだけで目が桃色にかすんでしまうくらい感じてしまう私は背筋を弓なりに反らします。さらにもう片手が私の弱点だと見抜いた脇腹から脇の下辺りを軽くなぞると私の全身は油に火を注がれたように燃え上がり、心中で絶叫してしまいました。

――ああっっ!! ほ、欲しい! 新山さんのおちんちんが欲しいの!!

「お父さまの前だからって気取るのは止めましょうよ、奥さま。さあ、腰を振って」

 新山さんの両手がとうとう重々しく垂れ下がった乳房に掛かるともう駄目でした。私の腰は父の目の前で主人を裏切り、快楽を求めて上下し始めたのです。

「さすがだな、新山。わしが女たらしと見込んだだけのことはある」
「お嬢さま、いえ、奥さまはマゾなのですよ。私は手助けしたに過ぎません」
「綾子、お前はわしに逆らい面子を潰したくせに、選んだ旦那に操も立てられぬふしだらな娘だ。わしが折檻してやる」

――そう言うことだったのか……

 夢でも幻でもない過酷な現実に直面した私はボウボウと燃えさかる体の欲情ぶりとは裏腹に、一気に頭の中で事情を理解していました。新山さんと結託して裏で糸を引いていたのは、父だったのです!「折檻してやる」幼い頃からそれを聞いただけで慄え上がり決して逆らうことなどなかった父の言葉が今、真に恐ろしい現実となって襲い掛かろうとしていました。

「お前の母親もひどいマゾなのだ。だからお前もその血を引いておろう」

 父がズボンを下ろしながら言いました。それでも私は一瞬も新山さんの上で腰を振ることが止められません。

「お前の淫乱な尻を折檻してやる」

 父が私のムクムクと蠢くお尻を抱え込み、尻たぼをくつろげると一気に剛直を突き立てて来ました。私はその瞬間家の外まで聞こえようかと言う怪鳥のような恐ろしい咆吼を張り上げ、マゾの血を全開に煮えたぎらせて天国へと飛翔して行ったのでした。

〜おしまい〜

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