弟の悪友
二次元世界の調教師:作

■ 3

 本当は先の見通しなど皆目ありません。でも私は自分自身に対して言い聞かせるつもりで、大丈夫だ、と強く言い切りました。私をメロメロにしてしまうこの貞操帯パンツを初め、あの子たちが私に行っていることは立派な犯罪だと思います。幾度警察に駆け込もうと思ったか知れません。でもそれが、今再び明るさを取り戻し元気に学校に通い始めた健一にとって、決してプラスにはならないことも十分予想されました。恐らく学校に居づらくなり、結局退学、となるのは目に見えているのです。私さえこの恥辱に耐えて彼らの機嫌をとっていれば、万事うまくいくのではないか。そう思って、どうしても告発に踏み切ることが出来ないのでした。

 そしてもう1つ。私があの子たちの行為を明るみに出せない理由は、むしろこちらの方が大きいと思います。たとえあの子たちが悪いにしても、このことを絶対に母や健一には知られたくなかったのです。レイプされた女性が人に知られたくないから泣き寝入りすることがあるのを聞いて、納得出来なかった私ですが、今ハッキリとその女性の気持ちがわかります。世の中には自分が悪いわけでなくても、絶対人に知られたくないことが存在するのです。

 幼い頃父を病気で亡くして以来、私たち母子3人は貧しく苦しい生活ながらも肩を寄せ合い、仲良く暮らして来ました。その最愛の家族に、私が今あの子たちから受けている淫らな行為を知られるのはとても耐え難いことです。とりわけ子供のように純真で、姉ちゃん、姉ちゃん、と私を慕う健一に知られるくらいなら、死んだ方がましだとさえ思われました。弟はきっとまだ女の子を知らないに違いありません。ガールフレンドすらまともに作ったことがないのではないでしょうか。そんな彼が、今私がシンジたちから受けている仕打ちを知ったなら凄まじいショックを受けてしまうことでしょう。

――どんなことがあっても、これを健一に知らせちゃいけないわ……

 私はそれだけは守ろうと固く念じて、この耐え難い羞恥と屈辱を堪えているのです。優しくて家族思いの健一が、内気で人付き合いが悪いためにイジめられ、学校に行き辛くなったり、時には体中に暴力を受けアザを作って帰って来たりした、あのかわいそうな姿はもう絶対に見たくありません。 

 ところがそんなことを考えていると、とうとう最悪の刺激が襲い掛かって来て、私はたまらずお尻に手を当てしゃがみ込んでしまいました。

「美幸っ!」

――アーッッ!!

 最悪の刺激とは、一番羞ずかしく辛い性感帯であるアナルへの一撃でした。本来汚物を排泄するための狭小な穴に入り込んだバイブはグニャグニャした軟質ですが芯の通ったおぞましい代物で、柔らかいので狭くて入り難いはずの尻穴にスムーズに侵入すると内部の形に合わせて曲がり、すみずみまで軟質のバイブがピトリとフィットしてしまうのです。しかもこのバイブにはグルグルと渦巻き状の筋が刻まれているのですが、これはあの子たちが執拗に何度も私のアナルをほじくり回し、最も強烈に感じてしまうタイプとして見破られてしまったデザインなのです。あのヤリたい盛りの男の子たちが私の体に向ける執着は常軌を逸したもので、ほぼ連日飽きもせずに私を抱き、さまざまな趣向を加えて体を弄り回す熱心さには舌を巻かざるを得ません。

 アナルに入り込んでいるだけで気もそぞろになり、体のちょっとした動きでズンと脳天まで響くような快感が突き上げて来る渦巻きバイブがジーッと痺れるような心地良い振動を送り込んで来るのですから、もうたまったものではありません。驚いた母が私の名前を何度も呼び何か話し掛けて来ましたが、私は物凄い勢いで絶頂に到達してしまい、全身をヒクヒクと痙攣させていたと思います。実の所ハッキリした記憶がないのですが、私は心配する母に馬鹿の一つ覚えのごとく「大丈夫」と言う言葉を繰り返し、そそくさと逃げるようにその場を去りました。

「私は行って来ますから、健一のことをお願いね。だけど、あなたも体調が悪いようだったら無理しちゃ駄目よ」

 私の去り際に母はそう言うと、仕事に出掛けるため簡単なお化粧を始めたようでした。母は普通の仕事の他に、週に何日か水商売のお店に出て何とか家計をやりくりしているのです。母子家庭で高校生2人の学費を工面するのはとても大変だろうと思います。私も健一も母には頭が上がらないのですが、そんな母のためにもここは波風を立てないよう、私が我慢しなければならない……私の気持ちは出口のない袋小路に入り込み、この生き地獄のような毎日からどうにも抜け出せずにいるのでした。

 その後健一の部屋で勉強を教えてやる時も、ランダムに嫌らしい刺激を股間に送り込んで来る忌まわしい貞操帯パンツは、私を大いに悩ませました。すっかり感じ易く慣らされてしまった私の体は、一つ一つの刺激に鋭敏に反応してしまうのです。そのため何も知らない甘えん坊の弟の目の前で、私は物凄くドキドキしながらそのたびに何度も絶頂まで到達してしまいました。

「姉ちゃん、この単語はどういう意味なの?」
「……えっ!?」
「どうしたの? やっぱり顔が赤いよ」

――ああ。オシリはイヤ……健一の前で、オシリだけは勘弁して欲しい……

 やはり私にとって最大の脅威はアナルです。クリトリスやアソコへの攻撃は慣れるに従い、必死で歯を食い縛り健一に悟られないよう密かに気をやるという芸当が出来るようになりましたが、アナルだけは駄目でした。ジジジジと嫌らしい振動が始まると、あまりの心地良さでどうしても平静を装うことが出来ず、椅子に掛けた腰を少し浮かせてワナワナと慄える体を硬直させる不自然な仕草が制御出来ません。顔もたちまちおかしなくらい真っ赤に火照ってしまい、普段は鈍感な健一にまで、どこかおかしいと疑われてしまうのでした。

 でもあの子たちが遠隔操作で一日中不規則に刺激を送り込むようセットしてしまった貞操帯バイブは容赦がありません。まさか目の前で姉がアナルバイブに責められているなどと夢想だにしていないであろう健一に不思議がられながら、我慢出来ずに気をやってしまうのはとても耐えられないことでした。羞ずかしいことにアナルの快感は日一日と着実に強まっていくようで、これから先自分の体がどうなってしまうのか、恐怖を覚える程です。

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