弟の悪友
二次元世界の調教師:作

■ 4

――こんな体にされてしまって、もうまともな女の子には戻れないかも知れない……

 アソコやおっぱいより、はるかにアナルが感じ易いだなんて、あの子たちが何度も繰り返す「お姉ちゃんはどMのヘンタイ」と言う酷い言葉がどんどん真実味を持って、私を貶めます。

「姉ちゃん、ちょっと休憩してお茶にしようよ。僕、コーヒー入れて来るね」

 そう言って席を外そうとした健一に、私は聞きました。

「健一、この頃学校は楽しい?」
「うん! とっても楽しいよ。シンジ君たちが仲良くしてくれるんだ」
「……」

 彼の名前を持ち出されると、私はどうしてもそれ以上言葉が継げません。でも、健一の見違えるような明るい笑顔を見ていると嬉しくて、ちょうど始まったクリトリス刺激バイブの心地良い振動に、ウットリと酔ってしまう私でした。

 こうして健一の部屋で何度も極めてしまった私は、風呂を沸かし彼に使わせた後で入浴しました。無駄と分かっていても、黒革の貞操帯パンツを外せないものかと精一杯調べてみるのは、いつもの習慣です。

――ああ、ダメだ、やっぱり……

 こんなに毎日着けているのだから、少しは緩んで来ないかと密かに期待している貞操帯の締め付けは、やはり寸分の隙もないものでした。三角ビキニみたいな股布はキリキリと柔らかい肌に血が滲みそうな程強烈に食い込み、サイドに細いワイヤーが入っていて指1本入り込む隙間もありません。腰の後を触ると冷たい金属製の錠前があり施錠されているので、鍵がなければ解錠することは不可能でした。そうこうしていると、又もやイボイボペニス型バイブが作動を初めてしまい、私は湯船に飛び込んで陶然と快楽を味わいながら、あの日のことを思い出していました。

――あの日、私が早く帰って来なければ……

 今さら後悔しても始まりませんが、その日部活が休みだった私は珍しく早く学校から帰宅しました。私が早く帰ることは健一も知っていたはずなのに、ウッカリしたのか、もしかしたらあの子たちを断り切れなかったのかも知れません。普段は7時過ぎに帰宅する私が3時半頃家に帰ると、見知らぬ男の子たちが3人家に上がり込んでいたのです。

「おじゃましてるっす」

 玄関に知らない男物の靴が何足もあるので、少し緊張しながら居間に入って行くと、とんでもないことになっていました。そうぞんざいに挨拶したのは1人だけで、後の2人はいかにもくせのありそうな目つきで無言でジロッと私の方を睨み付けて来ました。工業高校の制服でしたが、肝心の健一はいません。それなのに彼らは勝手に入り込み、あろうことかテレビ画面でいかがわしいアダルトビデオを見ていたのです。さらにタバコを吸っており、高校生にあるまじき状態だった彼らは、悪びれもせずに居座っていました。

「お姉さんっすか? 俺ら、健一君のダチで……
 おい、ビデオ消せよ」
「うぃーっす」
「あ、俺、シンジっす、よろしく!」
「マサトです」
「……た、た、タクロウ」

 どうやらリーダー格らしいシンジは、ガリガリにやせて背が高く、モヒカン刈りでいくつもピアスを着けている、見るからに不良っぽい子でした。一番普通っぽいマサトも、背が低くてとても太っているタクロウも、ピアスを着け制服を着崩してパンツを見せており、とても健一の友達に相応しいとは思えないような子たちでした。

――この子、気持ち悪い……

 そんな目で見てはいけないと思いながら、最後にどもっていた肥満体のタクロウには、特に生理的な嫌悪感を強く覚えてゾッとしました。

「健一は?」

 私は正直少し身の危険を感じましたが、自分の家ですから勇気を持って彼らに聞きました。

「今酒の買い出しに行ってるっす」

――使い走りさせられてるんだ……

 私はすぐにピンと来ました。中学3年の時も「友達」と称した男の子たちが家に入り込んで、学校から近く母の帰りが遅いわが家が不良の溜まり場にさせられそうになったことがあるのです。その時は高校生の私が叱り付けて、先生を呼ぶわよ、と言うと男の子たちはしぶしぶ出て行き危うく難を逃れたものでした。

――私がしっかりしなきゃ。健一は……

 今から思えば、あの時感じた身の危険を素直に受け取り、逃げなければいけませんでした。ですが、中学の時の経験もあり、健一が使い走りさせられている現場に遭遇して平静さを失った私は、無謀な勝ち気さを発揮してしまったのです。

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