弟の悪友
二次元世界の調教師:作

■ 5

「アンタたち、高校生でしょ! すぐに出て行きなさい!」
「へえ、健一が言った通り、お姉ちゃんはずいぶん気が強そうっすねえ」
「だけど、ブスかと思ったら、えらいべっぴんじゃん」
「一高の制服っすか、頭いいんすね」

 私が決死の覚悟で大声を出しても、彼らは平然としたものでした。

「出て行かないと、学校に連絡するわよ!」
「先公にチクる気っすか」
「アハハおもしれえっす」
「なあ、お姉ちゃん。これを見るっす」

――こ、これは、マジでヤバいわ……

 中学生には通用した、学校に通報すると言う切り札も通じません。私は、ここは逃げてしまおうかと、部屋の入口で固まった体を引き返そうとしましたが、ケイタイの画面を開いたシンジが言った言葉に凍り付いてしまいました。

「かわいい健一君がどうなってもいいんすか? ホラ」

 シンジが立ち上がって私の方に向かい、見せて来たケイタイ画面に、私は強いショックを覚えました。それは健一が恐らく彼らのイジメを受け、下半身を露出させられている酷い写真だったのです。

「な、な、何よ……」
「健一君は大人しそうなのに結構デカチンなんすよねえ……」
「それにムッツリスケベで、今日も健一君にAV鑑賞誘われたんっすよ」
「シコシコしちゃうと、すぐにドッピュンって出しちゃうんっすよね」

 ちょうど健一が学校のことを話したがらなくなった頃でした。こんな酷い性的なイジメを受けていたなんて夢にも思いませんでしたが、これでは誰にも話したがらないのも当然でしょう。私は思ってもみなかった種類のイジメを受けている健一の写真でパニックに陥ってしまい、逃げようと思っていた脚も止まって立ち竦んでいました。

 その時、シンジたちが襲い掛かって来たのです。

「やっちまいな!」

 どうやら準備万端だったらしく、悲鳴を上げる暇もなく口に何かを詰め込まれ、床に押し倒された私は男の子3人掛かりであっと言う間に拘束されていました。両手は後ろに回して手錠が掛けられ、口は丸い大きなボール状の物体で塞がれ、あっと思ったら首を強い力で引っ張り上げられました。

「ん〜っっ!!」
「さあ、立った立った!」

 何とまるで犬のような首輪が嵌められてチェーンで引っ張られたのです。あっと言う間の狼藉で、私は完全に狼狽し涙を流していました。もう気の強さなどどこかに吹き飛んでしまい、何をされるのかと言う恐怖で全身が慄えおののきました。そして気が付くと私は、部屋の入口の鴨居から首輪を吊られ、ブレザーの制服のまま立ち縛りになっていたのです。

「お姉ちゃん、結構いい体してるじゃねえっすか」
「俺、もうヤリてえ!」
「ぼ、ぼ、ぼくも……」

 弟の健一をイジメているらしい3人組の男の子たちにスキを突かれ、あっと言う間に後ろ手錠、口枷、首輪と言うおぞましいSM道具で立ったまま居間の入口に拘束されてしまった私は、彼らの目的が私の体であることを思い知らされ、必死で逃げようともがきました。何しろ私は大人びて見られますが、まだバージンなのです。しかしこんなことに慣れているのか彼らの拘束は簡にして要を得ており、すでにどうにもならない状態でした。

ところがリーダー格のシンジは、興奮してはやる後の2人をたしなめるように言ったのです。

「待て待て、そんなにガッツクもんじゃねえ。慌てなくてもお姉ちゃんは、ちっとも動けやしねえよ」
「健一はどうする?」
「仲間に入れちまうか」
「んーっっ!!」

 恐らく私にえっちな悪戯を仕掛けようとしているシンジが、弟まで仲間に入れようかととんでもないことを言い出したので、私は言葉にならない呻きを口枷の下から洩らしました。冗談ではありません。そんなことをされるくらいなら、死んだ方がましでした。

「へえ、お姉ちゃん、弟とヤリたくねえっすか?」
「んんっ!」

 当たり前です。私は大きくガクガクとうなづいて見せました。

「けど健一の奴そろそろ帰って来るかも知れないよ」

――そんなっ! それまでにこんな酷いこと、やめて、お願い……

「お姉ちゃん、ぼろぼろ泣き出しちまったすよ」
「いくら気が強くても、女なんか意気地のねえもんさ。なあ、お姉ちゃん。弟に会いたくねえんなら、そうしてやるっすけど……」

 私は又ウンウンと大きくうなづいて見せました。

「そのかわり、大人しく言うことを聞きんすよ」
「口が利けねえと、却っておもしろくないっすね」
「う、うん、そ、それに、ちんちん、しゃ、しゃぶって、もらいたいし……」

 どもりのタクロウの言葉は私の胸にグサリと突き刺さりました。

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