弟の悪友
二次元世界の調教師:作

■ 6

――そんなえっちなこと、しなきゃならないの?

 男の人とえっちした経験すらない私なのに、今から3人のなぶり者にされるのです。それでも口枷を外されてから、再度シンジに問われた私には他に答える選択肢はありませんでした。

「大人しく俺らの言うことを何でも聞くっすね?」
「……はい」
「よし! マサト、健一に電話して当分帰って来ねえようにしてやりな」
「うぃーっす」

 マサトは電話を掛け、電車で1時間も掛かる街まで酒を買いに行って来い、7時まで帰って来るな、と命令していました。7時までまだ3時間以上あります。

「さあ、じっくりえっちして楽しみましょうっす、お姉ちゃん」
「へへへ……」
「ぼ、僕、もう……」
「い、イヤッ……」

 3人組が立ち上がって、ニヤニヤ笑いながら向かって来ると、私は歯の根も合わない程ガタガタと慄えてそう呟くのがやっとでした。

 女の子とヤリたくてたまらないギラギラした目付きの男子高校生たちが、体を縛り付けられて身動きの取れない私の方へ向かって来ます。特にマサトは興奮してハアハアと鼻息が荒く、今すぐにも襲い掛かって来そうな迫力を感じました。そして醜く太ったタクロウは、まるで痴呆みたいな顔付きで舌を出し涎を吹きこぼして見るのも穢らわしく、私は凄まじい悪寒を催してしまいました。

 ところが最も冷静そうなリーダー格のシンジの言葉はとても意外なものでした。

「よし、まずはキレイなお姉ちゃんのえっちな撮影会と行くぜ。お前ら、下がんな」
「それはないっしょ! お触りくらいしたいっすよ」

 治まりが付かないと言う感じでマサトが言います。すぐに襲い掛かられるものだとばかり思っていた私も、初めシンジの意図を測りかねましたが、よく考えるとそれは単に襲われるよりもある意味辛いことでした。

――えっちな撮影会って……イヤだ、写真なんか撮らないで!

「しょーがねーな。それじゃ皆で一箇所だけお触りすることにしよーぜ」
「じゃ俺、乳触らしてくれよ」
「ぼ、ぼ、僕は、オシリ……」
「よし、じゃ俺はマ○コだ。いいか、1分間だけだぞ。それに直に触るのは禁止だ」
「ちぇっ!」
「後からたっぷりヤリまくれるんだから、我慢しな。3時間もあるんだから、じっくり楽しまねえと損だろ」

――この子、どうしてこんなに落ち着いてるの……

 私より年下のはずなのに、シンジの態度はとても高校生とは思えないような余裕のあるもので、私は逆にますます恐ろしくなって来ました。

「さすがシンジ君。ダブってる人は違いますねえ」
「るっせーよ!」

 留年してるだなんて、道理で他の子と様子が違うはずです! 私はこんな札付きの不良に捕まってしまったことを知り、もう生きた心地もしませんでした。

「1分間でどんだけお姉ちゃんをえっちな気分にしてやれるかってつもりで、お触りしてやりな」
「さすがエロエロ大魔王のシンジ君っすね! よーし、俺からいくっす!」
「制服はまだ脱がせるなよ。はだけさせて、ブラの上からお触りだ」

 まずマサトが正面に立ち、制服の胸元をはだけカッターシャツの前ボタンを全部外してしまいました。とうとう下着が見えてしまいます。

「カワイイ花柄っすね!」
「じゃあ今から1分間かわいがってやりな」
「うひょー、柔らけえっす!」

 ハアハアと荒い鼻息を吐き掛けながらも、マサトは言われた通り花柄のブラジャーの上から私の乳房をムギュッとわし掴みにしてモミモミとこね回し始めました。

「ううっ!」
「へへへ、目一杯感じさせてやるぜ」

――痛いっ! やめてえっ!

 マサトはそう言って、私が呻き顔をウッとしかめたのを、感じていると勘違いしたようでしたが、ただ痛いだけでした。高校生のえっちなんてこんなものなのでしょうか。あまりに痛くて涙がますますこぼれてしまいます。

「よし、1分たった、やめろ」

シンジは一級上なので幅を利かせているのでしょう。そう彼に言われたマサトは大人しく手を離してくれました。

「そんじゃま、お姉ちゃんに聞いてみようぜ。気持ち良かったすか?」
「そんなわけないじゃない! 痛かっただけよ!」

 シンジの問い掛けに正直に答えると、マサトは頭を抱えていました。

「おかしいっすねえ……」
「こんなことしないと女の子を抱けないの! あんたたち、最低よ!」

――この子たちはまだ子供で、女に慣れていないんだわ

 マサトの頭を抱えた情けない姿を見て私は強気を取り戻しました。不良だと言っても同級になるシンジ以外は年下だし、と思ってしまった私はすぐに自分の見通しの甘さを痛感させられることになるのですが。

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