診察室
ドロップアウター:作
■ 6
「ん・・・」
玲さんは一瞬唇をかんで、目をつむりました。
先生が言っていたとおり、性器の中はピンク色でとてもきれいでした。男性の経験がないことは一目瞭然です。そういう子だから、こんな検査を受けることはなおさら辛いはずです。私は、また胸が痛みました。
私は脱脂綿で、尿が出る穴の辺りを拭いました。すると、愛液があとからあとからにじみ出てきてきます。愛液が尿に混じらないようにと思って、何度も何度も拭きました。
「それくらいで大丈夫よ」
野田さんが言いました。
「敏感な箇所だから、濡れてくるのは普通だし」
「あ、はい」
私は脱脂綿を捨てて、野田さんから先の方にカテーテルを取りつけた注射器を受け取りました。
さすがに緊張しました。慎重にやらなければ、玲さんの女性の部分を傷つけてしまいます。
カテーテルの先をピンセットで挟んでから、私はもう一度、玲さんの股間のワレメをぐっと開きました。そして、尿の出る穴に、ピンセットで挟んだカテーテルの先を、そっと近づけていったのです。
「ちょっとチクッとしますね」
そう言ってから、私はカテーテルの先を尿の出る穴に少しだけ入れました。
「うぐ・・・」
びっくりしたのか、痛かったのか、玲さんの体がびくっと動きました。
「動かないで、じっとして」
「・・・はい」
私の言葉に、玲さんは苦しそうに返事しました。
私はピンセットを使って、尿道に少しずつカテーテルを押し込んでいきました。
「痛い・・・」
玲さんはとうとう声を上げました。さっき性器の診察をした時よりも、辛そうです。
「がんばって、もう少しだから・・・」
私にはそう言うのがやっとでした。
「痛い・・・痛い・・・」
玲さんの目からは涙があふれていました。導尿なんて今まで経験したことなんてないでしょうから、無理もありません。
できることなら止めてあげたいのですが、そんなわけにはいきません。私にはただ、検査を進めていくしかできないのです。
やがて、カテーテルが玲さんの膀胱にまで達しました。
「痛い・・・ひりひりする・・・」
玲さんは泣きながら、うめき声を上げました。よっぽど苦しいのでしょう、ひたいは汗でびっしょりです。
「寝たままで、オシッコをしようね」
私がそう言うと、玲さんは苦しそうにこくんとうなずきました。それを見て、私はカテーテルをもう少し中に押し込んで、それからアソコの上の方、つまり膀胱の部分をぐっと押しました。
すると、管の中に尿が流れ込んできました。
玲さんは目をつむって、鼻をすすっています。体全体の力が抜けたように、ぐったりとしていました。
注射器の半分ほど尿がたまったところで、私はカテーテルを玲さんの尿道から引き抜きました。
「うっ・・・」
抜く時も少し痛んだのか、玲さんは声をもらしました。
私は注射器を野田さんに渡してから、玲さんの股間を脱脂綿で拭いて消毒しました。
「よくがんばったね・・・大丈夫?」
「・・・はい・・・大丈夫・・・です」
まだ涙声だったけれど、玲さんはほっとした感じで言いました。
私は、これで検査は全て終わったものだと思っていました。15歳の女の子がこんなに苦しそうにしているのは見ていて辛かったし、早く解放してあげたいと思っていました。
でも、それはまだ叶いませんでした。
玲さんの股間を拭き終わったのとほぼ同時に、野田さんが処置室に戻ってきました。そして、私と玲さんのところに近寄ってきたのです。
「玲さん」
野田さんは、玲さんに話しかけました。
「タンポンの使い方、教えてあげるね」
「えっ・・・」
玲さんは驚いて、野田さんの顔を見上げました。
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