走狗
MIN:作

■ 第1章 出来事7

 俺は、1本目が終わった後、もう一度同じファイルをクリックした。
 ハードディスクにダウンロードしたデータまで、消えてしまうのが心配だったからだ。
 だが、俺の予想を裏切って、ファイルは何事もなかったように起動した。
 俺は、その結果に安心して、2本目のデータファイルを起動する。
 2本目の始まりも同じ倉庫だったが、今度は昼間らしい。
 陽の光が燦々と注ぎ、かなり明るい画面だ。

 工場の扉が映し出されている。
 全く同じ映像が、3分ほど変わらず続く。
 俺は、壊れたかと思いマウスに手を伸ばした時、音声が入って来た。
『来た来た』
 小さな声だが、ハッキリと聞こえる。
 すると、数秒後いきなり工場の扉が開き、その向こうに息を切らせた香織が現れる。
『遅い遅い…指定時間から5分も遅れた…これは、罰が必要ね…』
 カメラの女が大声で、香織に宣告する。
 香織は胸を押さえ、フラフラと工場内に入ってくると
『そ、そんな…私…今日は…お友達と…買い物に…行って…近くに居な…かったんです』
 呼吸を整えながら、近寄りつつ抗議する。
『そんなの知らないわよ。香織ちゃんは私達のオモチャなんだから、遊びたい時に遊ぶ…何か変?』
 目出し帽の女が、笑いながら質問を返してくる。

 香織は言い返そうとしたが口をつぐむ、アップの顔から傷が癒えきっていない所を察すると、1本目とそう日にちは経っていないと推測した。
『へぇ〜っ、一昨日あんな目に逢ったのに、もうお友達とお買い物に行ったんだ、随分神経が太いな…』
『だから私が言ったでしょ…、気が強いって。ちょっとやそっとじゃ、へこたれない女なのよ…』
『じゃぁ…今度はじっくり楽しめるね…この間のオモチャは、4ヶ月で壊れちゃったしね』
『俺、こんな生意気な女が、許してって泣き叫ぶの、凄っげー興奮するんだ…。ぶち壊したくなるんだよな』
 この台詞の間、アップの香織の表情は、怒り、驚愕、侮蔑と変化し最後は諦めに変わった。
『さあ、ボーッとしてないで服を脱ぎなさいよ…それとも、この間みたいに扱われたい?』
 カメラの女が香織に声を掛ける。
 香織の表情は、一瞬驚き、唇を噛んで項垂れる。
 香織は項垂れたまま、カーデガンを肩から滑らせブラウスのボタンに手を掛けた。
 下着姿になった、香織を見て目出し帽の女が
『あれー、この間言った事、もう忘れてる。駄目じゃない…物覚えが悪いの〜それとも、私が忘れてると思ったのかな〜』
 つかつかとフレームインして、香織に近づくと、いきなりビンタをして髪の毛を掴み、頭を振り回す。

 ポケットから、ジャックナイフを取り出し、刃を出すと香織の下着を切り取った。
 全裸にされた香織は、胸と下半身を手で庇い、身体を縮こまらせる。
 香織から下着を剥ぎ取った、目出し帽は香織の目の前に下着を突き出し、ナイフで細切れにした。
『言ったでしょ。オモチャに下着は要らない…見つけたらバラバラにするわよって。何度でも刻んで上げるからね』
 ナイフをちらつかせ、刃を戻しながら香織に告げる。
 香織は震えながら、残骸になった自分の下着を、見詰めている。
『今日は何のために、呼び出したと思う?解らない…そう…。じゃぁ教えて上げて…』
 カメラの女がそう言うと、大柄な男が前に出て来て、黒い鞄を差し出し
『今日から、香織ちゃんの身体を、オモチャに相応しいように、変えてやるんだよ…これがその道具』
 男はそう言うと鞄のチャックを開け、中身をカメラに向けると、香織に見せる。
 香織の表情は驚き、恐怖に引きつり、嫌々をしながら震え出す。

 それは、そうだろう訳の分からない、淫具がびっしり詰まった鞄を見れば、誰でもそうなる。
『こないだ、やった時さオ○ンコもアナルもギュウギュウだったじゃん。俺らが使い易いように、もっと広げてやっからさ』
『何でも飲み込めるように、拡げてやるから。感謝しろよ』
『あたしは、香織ちゃんの躾担当。オモチャの言葉遣いとか、態度とか教えてあげるね…』
『今日の撮影は、DVD5台よ…。色んなアングルで撮って上げるね〜』
 恐怖に引きつり立ちつくす香織の周りに、喋りながら一人、また一人とフレームインして取り囲む。
『さあ、遊んで上げるわね…タップリ泣き叫んで頂戴…』
 カメラの女の声で、香織の両手を二人ずつ掴んで、場所を移動する。
 今日香織が嬲られる、ステージへ…。

 カメラが振り向いた所には、1m程の鉄パイプと麻縄の束、そして天井からはクレーンとその周りを囲むように配置された4台のカメラ。
 カメラの配置は、左右に三脚で1台ずつ設置され、上を通っている鉄骨に1台固定し、正面の地面に角度を調整して置いて有った。
 香織はその真ん中に立たされ、全裸の身体をモジモジと隠そうとしている。
 大柄な男が香織の両手を掴むと、今日は革手錠が嵌められ、クレーンを操作して香織の両手を引っかけ、上に引っ張った。
 他の男達は、香織の足下で両足首に、麻縄で鉄パイプを固定している。
 男達が香織から離れると、香織の姿は大きく足を開いて人の字のように見える。

 男達と交代し、目出し帽の女が手に麻縄の束を持って、フレームインして来た。
『香織ちゃんの身体を、飾り付けして上げるね…』
 そう言って、麻縄の長さを調整しながら近寄って行く。
 香織はこれから自分の身に、何が起きるか解らず、恐怖に震えている。
『私はね、縄で縛ったりするのが、大好きなの…。歪に崩れて行く身体を作るのが、堪らないのよ…』
 そう言って香織の身体に、縄を掛けてゆく。

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