走狗
MIN:作
■ 第1章 出来事21
9本目は、8本目の続きだった。
土間に立っている香織も、玄関に平伏する涼子も、それを踏み付けるカメラの女も同じ姿勢の静止画像で始まった。
静止画の上にタイトルが掛かり、タイトルが消えると画像が動き出した。
『お待たせー…。遅くなったのは、香織ちゃんの出来があんまり良くなかったから…、お仕置きしてたの…。ごめんなさいね…、涼子ちゃん』
そう言って、涼子の後頭部をグリグリと踏みにじって、同じ台詞を吐く。
涼子は、何の抵抗もしないで、只頭を踏みにじられている。
すると、初めて気が付いたように、涼子の身体の下にある水溜まりを指摘する。
『あら、あら。お漏らししちゃったの。いい年して我慢が足りないんじゃない?香織。お前は、先にあっちに行ってなさい』
涼子のお漏らしを嘲笑い、香織を先にリビングに上げる。
香織は、両足を引き摺るような、ヨチヨチ歩きで涼子の横を擦り抜けようとする。
すると香織のお尻の辺りをシーツの上から、カメラの女が鞭で打った。
『香織…。土足で上がるんだったら…、ちゃんと足拭きマットを使いなさい』
涼子を踏み越えて行く事を強要した。
一瞬、躊躇した香織。
しかし、その背中に2発目の鞭が容赦なく襲いかかり、香織はくぐもった声を上げ、涼子を踏んで行く。
リビングに入った香織は、そのまま部屋の隅で立っていた。
そして玄関に残った、カメラの女は涼子の頭を踏みながら
『粗相をしたオモチャは、罰を受けるものよ…。お尻を上げなさい』
持ち上げさせたお尻に、鞭を数回打ち下ろす。
みみず腫れが出来た、涼子のお尻を下げさせると、同じように泥を擦り付け、リビングに向かう。
リビングの一人掛けソファーに腰を下ろすと、カメラの女は涼子に
『粗相を自分の口で綺麗にして、こっちに来なさい』
命令した。
玄関からピチャピチャと湿った音が流れ、涼子がモソモソと動いている。
お漏らししてしまった、小便を舐めさせられて居るんだろう。
そして、涼子は四つん這いでリビングに戻って来た。
カメラの女の前まで来ると、正座して頭を下げ、挨拶をした。
『お帰りなさいませ…、御主人様。オモチャの願いを聞き入れて頂き、有り難う御座いました』
力なく礼の言葉と共に、屈辱の言葉を吐く妻を俺は遠い目で見た。
『これから、涼子ちゃんもオモチャの仲間入りね…。そうそう、貴女が周囲と決別してる時、香織ちゃんがどうなってたか、見せて上げるね』
そう言うとカメラの女は、テレビを指差し涼子を向けさせると、リモコンを操作する。
数分に短縮して、涼子の姿を映して居るが、実際はもっと長いものだろう。
涼子の表情をカメラが角度を捉えて映し出し、映る度に涼子の表情からは、憎悪が滲み出ていた。
涼子は、画像が終了して、カメラの女を睨み付けると
『悪魔!人でなし!良くもこんな事が…』
思わず叫んでいた。
それがどう言う結果を招くか、理解していても、言わずには居られなかったのだろう。
『あら、あら…。お馬鹿さんねー。そんな事言うと、この人ますます燃えちゃうのに…』
仮面の女が揶揄するように、涼子に告げる。
カメラの女は、立ち上がって香織の前まで行くと、香織のシーツを剥ぎ、帽子を取ってマスクを外す。
香織の全身を見て、俺も涼子の意見に賛同した。
こいつらは人じゃない、悪魔だと。
香織の全身を舐めるように、足先からカメラが移動する。
香織の足のつま先が映されたが、そこには爪が1枚も無く、ピンク色に盛り上がった肉が映っている。
足首に巻き付けられた、黒いコードは、どう見ても電線だ。
それが、両方の足にグルグルと7〜8pの間隔で、足に巻き付けられており、所々に鉄の輪が通っている。
ユックリと上がったカメラは、所々に血の玉を浮かべた恥丘を映す、陰毛は剃毛じゃなく明らかに、むしり取られている。
そして股の付け根、ヒダに隠れている筈の肉の芽は、皮を取り除かれ、その真ん中に銀色の輪っかが光っていて、それには鈴と鎖が付いている。
腰に巻いた電線からは、真っ直ぐ下に伸びる2本の黒い電線と、左右の腰骨の辺りから2本の銀色の鎖が垂れ下がっている。
黒い電線は。肉の芽の両側を通り、深く股間に食い込み、銀色の鎖の先端は、股グリを通りオ○ンコに止められているようだ。
腰の電線は、そのまま上に伸び、右の乳房に絡みついて、乳房を絞り上げている。
両方の乳首をピアスが貫き、乳首にも鈴と鎖が下がっていて、垂れ下がった鎖は、クリトリスの鎖と鳩尾の辺りで合流している。
そしてカメラは、香織の右乳房、乳首の少し上に有る、カタカナの文字を映し出した。
その文字は白い待ち針を根本まで突き刺して、香織の胸に名札として付けられている。
香織は、手を差し出すように言われ、持ち上げる。
手にも足と同じように、電線が巻かれ手首で止められている。
そしてカメラは、指先を映すと、そこも1枚の爪もなく、肉が盛り上がって居た。
香織は、カメラに掌を向けると、そこは赤黒く爛れている。
恐らく何度も、煙草の火を押しつけられたのであろう。
カメラは、そこまでを映すと一旦、首輪を着けた首で止まり、一気に顔の全景を映す。
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