走狗
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■ 第1章 出来事28

 何をされても、従順に従わなければなら無い環境が口惜しいのか、それとも純粋な痛みなのか、涼子の頬を涙が伝う。
 綺麗になったダーツを受け取ると、今度はつま先を持ち上げ踵で立ち
『私の靴下も汚れたわ…。綺麗にしなさい』
 涼子は、手を添え靴下に吸い付くと、チューチューと吸い出した。
『どう、ゲロって美味しい?』
 靴下を吸い上げる涼子に、カメラの女が問い掛ける。
『はい、御主人様。美味しいです』
 目を伏せ、答える涼子。
『へーっ、どんな風に美味しいの…』
 更に問い掛ける、カメラの女に
『はい…甘いお酒と、チーズの匂いの中に、御主人様の胃液の香りがして、オモチャの涼子には最高の物です』
 震えながら、屈辱的な事を口にする涼子。
『涼子は、本当に頭が良いわね…。そんな事スラスラ言えるなんて…。でも、それを笑って言わないと本物じゃないわね』
 カメラの女は、そう言いながらダーツを振りかぶり、涼子の尻に突き刺した。
 短い悲鳴を上げながらも、カメラの女の靴下に舌を這わせる。
 しかし、カメラの女は2本目と3本目の矢を、涼子の尻に突き立てる。
『無く成ったわ、取って寄越しなさい』
 カメラの女の命令に、自分の尻に手を伸ばし、刺さった矢を引き抜くと、それを又差し出す。
 カメラの女は、同じように突き刺し、涼子に取らせる。
 4回目の矢が無く成った所で、カメラの女の靴下は綺麗になった。

 お尻のダーツを抜いて、差し出す涼子に
『良いわ、戻りなさい』
 命令を下す、カメラの女。
 涼子は一礼すると、四つん這いで元の位置に戻る。
 お尻には、血の流れる穴が、12個開いていた。

 そして、次の的は香織に変わり、カメラの女は思いきり投げつける。
 どうやら、カメラの女の狙いは、香織の舌のようだ。
 1本目は横に逸れ、香織の頬に突き刺さり、2本目は眼帯を掠めて耳たぶを貫き、3本目は小鼻に突き刺さった。
 香織の舌は、矢が刺さる度に激しく上下し、カメラの女の嗜虐心を煽る。
 涼子は、ダーツを回収して、次の男に渡す。
 提案した男は、野球のような投げ方で、ダーツを左乳首の直ぐ上に命中させ、次は両太股の付け根に刺した。
 こうして、ラビアと左乳首のピアスの権限を獲得する。
 次は、大柄な男がダーツを受け取り投擲する。
 正確なコントロールショットを舌先に決め、次は力を込めて右乳首を正面から射抜く。
 最後は、軽く一振りしてフォームチェックすると、キャッチャーのスローイングのような投げ方で、クリトリスの根本に突き刺した。

 そして、最後の仮面の女は、投げナイフのような投げ方で、正確に香織の舌先のピアスをアッという間に貫いた。
 その威力と正確さは、相当の修練を積んでいる、忍者のようだった。
 香織の舌は、自らの顎に綺麗に縫い止められていた。
 香織は、吊られながら、ビクン、ビクンと痙攣している。
 こうして、涼子は決められた場所を、香織と同じようにピアスされた。
 ピアスされた涼子は、立ち上がり、その身体を披露する。
 俺は、この時初めて、涼子の身体の変化に気が付いた。
 元々細かった、涼子の腰は、締められたコルセットのため、50pを切るほどの細さに成っていた。
 少し小振りな胸と、キュッと引き締まったお尻が、大きく見えたのは、このせいだったのだ。

 ピアスが終わって、香織を降ろそうとする男達に、カメラの女がストップを掛ける。
 面白いから、涼子も吊って、ゲームにしようと言い出した。
 それぞれの部位に得点を付け、ダーツゲームは始まった。
 圧倒的強さを見せる3人に、2人はどうやっても敵わない。
 カメラの女は、色々なハンデを申し込み、大柄な男には勝てるように成ったが、それでも2人にことごとく負けた。
 最下位は、アルコールを一気するルールだったため、3人ともかなり酔っている。
 10ゲームほど終わって年も空け、お昼に近づいた頃、カメラの女が切れた。

 べろべろに酔った男の1人は既に脱落したが、カメラの女と大柄な男は、ゲームを続け、しこたま飲んだようだった。
 カメラの女は、香織の乳房が大きすぎると言い、大柄な男は涼子の乳房が小さすぎると主張した。
 この時の2人は、既に常軌を逸しているのが一目で分かる。
 大柄な男は、涼子の胸をいきなり殴りだし、カメラの女に至っては、台所から刺身包丁を持ち出した。
 危機を感じた仮面の女は、何処かに携帯で連絡し、もう一人の男は必死に止めようとする。
 大柄な男は、涼子を降ろして床に寝かせ、馬乗りになって涼子の胸を殴りだした。
 一方、カメラの女は、香織の乳房に刺身包丁を真下から突き刺している。
 涼子は、恐怖に目を開き、必死に逃げようとするが、男の拳は容赦なく涼子に襲いかかる。
 香織は、動けないまま必死に身を捻ると、ボクンと肩が外れた。

 カメラの女は、突き刺した刺身包丁を手前に引き、香織の乳房を根本から縦に裂いた。
 パックリと1/3程が、外側に開いてぶら下がる。
 カメラの女は、そのまま内側の乳房も、上から切り裂く。
 こうして、香織の右乳房は3枚卸にされた。
 続いてカメラの女は、左の乳房を無作為に切りかかる。
『お前達は、どうせ死ぬの!ズタボロになって死んで行くのよ!こんな胸なんて必要ないのよ!最後は肉片になって死ぬんだからヒーヒッヒーッ』
 叫びながら切り刻み、包丁を放り投げると黒いチューブを取り出し、香織の切り刻んだ乳房に塗り込むと、メチャクチャに傷口を合わせだした。
 一方涼子は、既に半死状態でグッタリと身体を横たえ、口からは大量の血を吐き、ビクンビクンと震えている。
 大柄な男は、カメラの女ともう一人の男に止められ、自分のした事を馬乗りのまま、呆然と涼子を見下ろしている。
 そして薬を塗られた香織は、激痛に身もだえし、強く四肢を四隅に引っ張られていたため、身悶えする度に残りの四肢の関節を次々と脱臼し、皮膚が伸びた状態で、ぶら下がりながらビクビクとまだ痙攣を続けている。

 そこに、以前香織の股関節を入れた男と、一人の老人が現れた。
 この老人は、初めて仮面を付けていないが、顔全体にモザイク処理が掛けられている。
 男は、カメラの女の前に回り現れると、当て身を当て昏倒させ。
 大柄な男を一撃で吹き飛ばした。
 老人は、香織と涼子をマジマジと見ると
『早く運び出せ!こっちは後2時間持たんぞ!こっちも、この後の形成に手が掛かるわ』
 そう言いながら涼子を差し、香織を指差した。
 その時、俺の携帯が突然鳴り出した。

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