走狗
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■ 第2章 猟(かり)6

 後の憂いも無くなった、暫くこの部屋には戻らなくても良いだろ。
 俺は、時計を確認して、一旦戻る事にした。
 ターゲットの動く時間までは、まだ10時間も有る。
 安曇野健太郎は、渋谷センター街の裏手で、10時までタトゥーショップで働いている。
 そこを出て、2〜3時間飲み歩いて帰るのが日課になっている。
 それに、そろそろ放置してきた奴らに、話をする必要もある。
 自分たちの今後について、良ーく解らせる必要が…。

 ワンボックスを洋館の入り口に付け、俺は荷物を片付ける。
 駐車場には1台の、リムジンが納まっていた。
 西川家拉致の小道具の1つだ。
 片付けを終えた俺は、コントロールルームに入り、様子を見る。
 どうやら、映像は3本目に入っているようだ
 隅に、正二と泰介が膝を抱えてモニターを見ている。
 反対側の隅には、二家族が固まっている。
 どうやら俺が居ない間に、相当言い争いが有ったのだろう、二グループには確執が出来ている。
 しかし、ここら辺からドンドンエスカレートして行く陵辱者達の狂気を、家族はどう思って見るだろう。
 俺は、少し厚着し、牢に向かって歩いて行った。

 牢に入ると、底冷えする寒さだ。
 俺の登場に、一同に緊張が走る。
 モニターを見ると、今から丁度飲尿調教に入る前だった。
 俺は、一旦映像を止め、モニターの前に立つ。
 囚人達は、皆口を揃えてトイレに行かせろと、騒ぎ出した。
 部屋の隅に開いている、50p四方の窪みを、俺は黙って指差した。
 何の事か囚人達は解っていないようなので、俺が補足説明をする。
「その窪みは、1日2回上から水を流してやる。排水溝は直ぐ奥にあるから、大きくなければ流れて行く筈だ…。糞尿は、全てそこでしろ」
 俺の説明に口を揃えて、
「そんな所で出来るわけが無いだろ!」
 猛然と抗議して来た。

 俺は仕方なく、みんなの意見を取り入れるべく、こう言った。
「そうか…。じゃぁ、俺が簡易トイレを作ったら、みんなそれにするんだな…。そう言う事で良いか?」
 家族全員が俺の意見に頷くが、陵辱者の2人はいち早く俺の意図を理解し、反論を上げようとする。
 俺は、そうなる事を理解していたから、素早くスタンガンのスイッチを入れて黙らせる。
 牢の扉を開け、俺は陵辱者の2人を後ろ手に拘束し、口枷を嵌めると正面の牢に移した。
「俺は、みんなの総意を聞き入れて、簡易トイレを作る。それを使用しない場合は、それ相応の罰を受けて貰うからな」
 俺の言葉に、不自然さを感じながらも、皆使用する事を承諾した。
 2人の名前を、俺は呼んだ。
「三河千恵と佐藤和美出てこい…。出て来なければ、俺が行こうか?」
 俺は、ポケットからリモコンを取り出して、チラ付かせる。

 2人は、怖ず怖ずと牢の入り口から、出てくる。
 陵辱者は、口枷の向こうで何か叫ぶが、俺は当然無視した。
 俺は、2人を連れて調教部屋に入る。
 2人は、牢に入る時、此処を通ったのだが、眠っていた為に、この部屋の異様さを知らなかった。
 部屋に入ると、途端に怯える女達。
 それはそうだろう、俺でも捉まってこんな所に連れて来られたら怯える。
 俺は、2人の衣服を剥ぎ取り、姿をマジマジと見た。

 三河千恵は、150pぐらいの小柄で、浅黒い肌に華奢ながらも、出る所は出ている。
 黒目がちで大きな目は、愛玩犬のか弱さを思わせる。
 胸の前で腕を合わせ、プルプルと震える姿は、チワワを思い浮かべてしまう。
 佐藤和美は、160pで肉付きが良く、抱き心地の良さそうな、真っ白な肌をしている。
 丸い顔が太った印象を与えるが、実際はそうでもなく、うっすらと脂肪が乗っている程度だ。
 だが、胸は余り無い、Cカップ有るか無いかぐらいで、確実にカップは千恵の方が大きい。
 少しめくれた上唇が、愛嬌がある。
 しかし、悪い表現だが豚にしか喩えられない。

 俺は、裏に行き、道具を用意して戻る。
 各種拘束具と特殊な漏斗、それを2揃えずつ。
 俺は、先ず和美から準備した。
 足首と膝の上と手首に拘束具を付け、胸を絞り出すレザーベストを着せ、口枷を噛ませる。
 和美をしゃがませると、足首と手首を固定し、膝と足首に棒を嵌める。
 顔を上向かせ、口枷から伸びたベルトをベストの背中の金具に固定し、口枷の両横にある輪っかに鎖を通して、手首の金具に留める。
 口枷の穴に漏斗を固定して、出来上がりだ。
 この後俺は、同じ作業を千恵にも施す。

 出来上がった2人は、これがどう言う物なのか、理解していない。
 まぁ、普通の神経の持ち主なら、女性をこんな風に扱おうとは思わないし、想像もしないだろう。
 俺は、この2人に、これからどんな事が待ち受けるのかを説明せずに
「これから起こる事は、あんた達に罪は無い。しかし鬼畜に嫁ぐ気になった、あんた達の受難だと思って諦めてくれ」
 満面の笑みを浮かべて、そう告げた。
 これから、俺の狂気は一挙に花開いて行く。

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