走狗
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■ 第3章 覚醒6

 乙葉は、甘い鼻に掛かった声を上げながら、それでも首を縦に振らない。
 俺は、身体を起こして、乙葉から離れると
「好きにすればいい…。お前が駄目なら、まだまだ次の奴は居る…。これが、最後だ。断れば、このまま俺は放置して、次に行く。どうする?」
 ハッキリと乙葉に聞こえるように、囁いた。
 乙葉は、俺が離れた事で焦りを憶えたのか
「身体を鎮めて!お願いよ!」
 震える声で、俺に哀願した。
 俺は、乙葉を見詰め、静かに首を横に振ると
「それじゃぁ…無理だな…」
 そう言って、踵を返した。
 俺の背中を、酷薄な笑みを浮かべながら、美加園が見詰めている。

 必死の思いで、屈辱を噛みしめて発した言葉を、完全否定された乙葉。
 乙葉は、背中を向けた俺に、泣きそうな表情を浮かべ
「お、お願いします…。身体を…、身体を鎮めて下さい…。お願いします…」
 手を伸ばし、俺の服の端を必死に掴んで哀願する。
 俺は、掴まれた服の端を勢いよく引っ張る。
 乙葉は、その反動でベッドから転げ落ちる。
 床に踞った乙葉に、俺は吐き捨てるように命じた。
「素直さが足りない罰だ…。俺の後ろを、這って来い」
 俺は、そう言いながら、処置室を出る。
 乙葉は、熱病に浮かされたような顔で、俺の後ろを四つん這いで付いてくる。

 乙葉は、業界に入ってから、ずっと女王様で生きて来た。
 それが、黒い幅広の首輪を付け、俺の後ろをSEXして貰うために、四つん這いで付いてくる。
 乙葉にとっては、有り得ない程の屈辱だった。
 俺は、更にここで、乙葉に屈辱をプレゼントする。
 廊下の途中で、俺は立ち止まり、乙葉を見詰める。
 乙葉は、立ち止まった俺を見上げ、訝しむような視線を向ける。
 俺は、静かに乙葉に向けて顎をしゃくり、前を進む事を指示する。
 項垂れた乙葉は、尻を上げ俺の前を通り過ぎ、そのまま進み出した。
 俺は、乙葉の尻を蹴って、進行方向を教える。
 その度に、乙葉は廊下を曲がり、俺の前で尻を振りながら、這って行く。

 俺は、有る部屋の扉の前で止まる。
 その扉は、他の扉と違い、何の飾り気もない扉だった。
 俺は、壁に付いている機械に、美加園から渡されたカードを通す。
 すると扉は、音もなくスライドし開いた。
 俺は、乙葉の尻を足で軽く蹴り、中に入るよう指示した。
 乙葉は、荒い息を吐き、身体全体をピンク色に染め、股の内側をビショビショにしている。
(口ではどう言っても、こいつも限界だろう…)
 俺は後ろから、真っ赤に充血して、グニグニと蠢くオ○ンコを見詰めて、確信する。

 部屋に入ると、そこには様々な機械が並び、何処かの研究室を思わせる。
 俺は、部屋の真ん中にある、大きなベッドに乙葉を上げると、仰向けに寝るように指示する。
 美加園がいつの間にか現れ、仰向けに成った乙葉に薬剤を塗りつけ出す。
 乙葉は、途端に大きな声を上げ始め、ベッドの上で悶え始める。
「薬が乾くまで、3分待ってね…。じゃないと、良ちゃんまで敏感に成っちゃうわよ…」
 俺に笑いを含んだ声で、耳打ちしながら美加園が話す。
 俺は、ニヤリと笑いながら、乙葉の横に進み出る。
「乙葉…。どうだ、気持ち良いか…?お前が進んで俺の奴隷になるなら、何とかしてやらんでも無い…」
 俺の申し出に
「い…い…やよ…ど…れいな…んて…なら…ない…わ…」
 息も絶え絶えで、答える。
「そうか…。じゃぁ、気が狂うまでそのままで居ろ…。別に、俺は構わない…」
 俺は、乙葉をそのまま放置する。
 乙葉は、クネクネと身体をくねらせ、肌をまさぐり出す。
 しかし、自分の身体が思った以上の反応を見せるため、俺の目線を気にして手を止める。
「どうした、したいなら。オナニーでも何でもしろよ…。見ててやるぞ」
 俺の声にビクリと反応し、嫌々と首を左右に振って、我慢しようとする。
 だが、そんな我慢も、長くは続かない。
 乙葉は、左手を乳房に、右手を股間に持ってくると、驚いた表情をして直ぐに手を放す。
 自分の触れた場所から、今まで感じた事のない、快感が生まれたからだ。
 その快感は、認識した瞬間に、全身を駆けめぐり、乙葉を狂わせる。
 目覚めてしまった、官能の道筋は、自分でコントロールするには、大きすぎた。
 身体の反応に、認識が付いていかないのだ。

 乙葉は、もう何処が気持ち良いのかすらも解らずに震え、うわずった声を上げる。
「どうした…自分で処理しないのか…」
 俺が声を掛けると
「い…や…こえ…か…け…ない…で…」
 乙葉は切羽詰まった声で、答える。
 俺は、そんな乙葉の、横に近寄りおもむろに、右乳房を掴むと激しく揉み、乳首を摘み上げ、数回転がし放す。
「ひゃーぃー!あああああぁ…はぁ〜ん」
 乙葉は、高い声を上げ、身体を震わせる。
 俺は、乙葉の身体から、離れまた見詰める。
 はあはあと荒い息を吐き、乙葉は激しく胸を上下させる。
「どうした…。お前の身体は、それぐらいの刺激じゃ、満足しないぞ…。意地を張って、我慢するからそうなるんだ…」
 俺は、千佳の調教の時に、参加しなかった事を責めた。

 しかし、乙葉は別の意味に受け取った。
 情欲に潤みきった、瞳で俺を見つめると
「す…なおに…なりま…す…どれい…にも…なります…だ…から…もっと…して…く…ださい…なん…とか…し…て…」
 乙葉は、押し寄せる、快楽を処理できず、屈服した。
 だが、俺はまだ乙葉を追いつめる。
「して欲しいなら、お前が自分で考える。最高の服従姿勢で、俺に頼んでみろ…。気に入ったら、入れてやる…」
 俺は、乙葉を見下ろし、そう告げた。

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