走狗
MIN:作

■ 第4章 狂宴2

 首輪を付けられた男達は、みな自分のパートナーの前に座り込み、自分の手を見詰める。
 同じように寝ころんだ、女達も皆男達の手を、恐怖の表情で見詰めていた。
 俺は、千恵と和美と乙葉を呼び、千恵と和美を並んで四つん這いにさせ、乙葉を足の間に招き入れる。
「乙葉…。この調教が終わったら、悦子は死んでいる…。あっけない死に方かも知れないが…、お前の溜飲も少しは下がるだろ…」
 俺は、スピーカーマイクで、乙葉に静かに言った。
「あ〜ぁ…、有り難う御座います…。優葉が、あんな事をしたのに…。私に…、お心遣い…。言葉が…、言葉が…御座いません…」
 乙葉は、俺の股間に顔を埋め、さめざめと涙を流した。
「こんな、ご主人様のお気持ちを…。優葉に話せないのが…、残念です…。あの子に、悔い改めさせたい…。私をお責め下さい…。あの子には、それが一番苦痛の筈です…」
 乙葉が泣きながら、スピーカーマイクに話す。

 俺は、鼻で笑い
「お前に言われるまでもない…。お前は俺の持ち物だ…、俺の好きにする…」
 ポツリと呟いた。
 乙葉は、俺の顔を見上げ、驚きから感謝、そして零れるような笑みになり、いつまでも感謝の言葉を囁いた。
 その後、乙葉は心を込めて、ネットリとした口淫奉仕を俺のチ○ポに行った。
 俺は、実はその時、気が付いていた。
 自分の親が死ぬかも知れない状況で、オ○ンコに手を伸ばしながら、ジッと俺を見詰める視線を。
 しかし、俺はその視線には、まだ触れない。
 まだ、時期では無い。
 もう少し熟成させて、射抜くつもりでいた。

 調教が始まり、尤も早く挿入に成功したのは、忠雄だった。
 俺の目から見ても、忠雄のテクニックは繊細で、当を得ている。
 始まって5分もしない内に、5指を妻のオ○ンコに納めて、息を緩めるように囁いている。
 千春は、頬を赤らめ、興奮を抑えながら、この頼もしい夫の指示に従い、快感を得だした。
 俺は、その時、面白い物を見つけた。
 それは、夏恵と秋美の目線だ。
 夏恵は、欲情と羨望と諦めが混ざった目線で、秋美に至っては完全に嫉妬と羨望が、混ざり合った目で、忠雄達を見ている。
(夏恵も、秋美も、忠雄に惚れてるな…。面白い…、これは何処かで使ってやろう)
 密かにそう思って、頭を巡らせると、ここにも面白い感情が転がっていた。
 健太郎だ。

 健太郎は、夏恵が向ける視線の意味を知り、それに激しい嫉妬を燃やしている。
(健太郎は…、夏恵か…。面白い…、面白すぎるぞ…)
 俺は、自分に集まる情報が精度を増す度に、ゾクゾクと快感が沸いて来るのを感じた。
 泰介から受ける感情は[悔恨]、正二から感じる心理は[憎悪]、と非常に解りやすかったが、優葉が向ける感情は何故か[決意]だった。
 少し小首を傾げ、調教を観察する。
 15分が経っている。
 栄蔵は、既に力ずくで志緒理のオ○ンコに腕を差し込んだが、志緒理は感じるどころでは無かった。
 栄蔵の拳は、大きすぎるのだった。
 そんな時、忠雄が千春をイカせて解放され、栄蔵に向かった。
「親分…。それじゃ、姉さんは感じられません!私の話を聞いて下せえ…」
 忠雄が栄蔵に取り付き、レクチャーを始める。

 次第に志緒理の苦痛が和らぎ、時折喘ぎ声が混ざるように成った。
 栄蔵は、その変化を感じ、忠雄の指示通りに動かし始める。
 それを回りで見ていた2人も、忠雄の言葉に習い始める。
 25分で、志緒理と響子がイッた。
 後は、絵美だけだったが、正輔は焦って乱暴に成っている。
 忠雄が正輔の頭を叩いて、正気付かせレクチャーを始める。
 やがて、絵美も絶頂を迎える。
 時間は、29分30秒を切っていた。

 全員、死人が出なかった事を悦んでいる。
 俺はふと、自分の股間に奉仕する乙葉に目線を向けると、とんでも無い事に成っている。
 乙葉は、頬を真っ赤に染め、恍惚の状態で放心中だった。
 しかも、股間から溢れきった愛液が、大きく水溜まりを作っている。
 俺は、即座に千恵と和美に指示を出す。
「千恵!和美!直ぐに乙葉をフォローしろ、床の愛液も誤魔化せ!」
 俺は、乙葉を放すと、千恵と和美に任せ4人の元へ、歩いて行く。
 首輪とセンサーを回収しながら、乙葉の変化に気付いた者が居ないかチェックする。
 忠雄は、輪の真ん中で全員に賞賛を受け、[死人が出なくて良かった]と胸をなで下ろしている。

 俺は、その言葉に反応し、直ぐさま全員に伝える。
「死人なら出たぞ…」
 俺は、短く言いながら、背中越しに親指で、牢の方を差す。
 全員その意味に気が付いた。
 そして、視線を守に向ける。
 守は、みんなの視線を一身に受け、縮こまって行く。
 そんな守を放置し、忠雄が牢の扉に向かい、扉を開こうとする。
「あんた…。鍵は、掛けたか…?」
 俺に向かい、忠雄がタメ口で聞いて来た。
 ここは広い心で、許しておこう。
「いや…。最後にでて来た、守が掛けていなければ、扉は開いているはずだ」
 俺は、みんなにそう言うと
「なら…、凍り付いたんだ…。びくともしない…」
 忠雄が全員に向かって、そう言った。
 俺は、コントロールルームに入ると道具を置き、牢の温度を調整して戻る。
 扉が開くまで数分間、木偶達は沈鬱な表情を浮かべる。
 その時、乙葉からスピーカーマイクに連絡が入る。
「ご主人様…ご迷惑を…お掛けしました…」
 消え入りそうな、乙葉の謝罪だった。
 俺は、[もう良い]と一言言って、連絡を絶った。
 乙葉は、シュンと小さくなり、消え入りそうだった。
 そして、そんな俺に視線を向ける少女は、乙葉の変化にも気付いたようだった。
 俺は、この少女に対して早急に、手を打つ必要性を感じだした。

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