走狗
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■ 第4章 狂宴7

 夏恵、秋美、美登里の3人は、千佳の中で偶像化された、俺の話を聞き、それを晃に誇張されて吹き込まれたようだ。
 言ってみれば、一人の少女の思い込み発言をペテン師が吹聴し、3人の女が俺の事を[本当は良い人]にしてしまった。
(こいつら…。何で、こんな事に気が付かない…?良い人が拉致して、陵辱するか…。まあ良い、それならそれで、やりようも有る)
 俺は、こいつらの勘違いを利用して少しでも早く、3人の意識を引き返せない状態にする、知恵を絞る。
(取り敢えず…、いい人を装い、こいつらの落とし所を探すか…)
 俺は、3人のパーソナルデータの、収集を決める。
「今日は、よく頑張った…。飯を食う前に、風呂に入りたい者は居るか?」
 俺の言葉に、千佳が元気に手を挙げる。

 3人は、顔を見合わせ
「お風呂を使わせて、貰えるんですか?」
 驚いた表情で、俺に聞いて来た。
「俺と一緒で良ければな…」
 俺がぶっきらぼうに言うと、3人は喜びを湛え顔を見合わせ
「喜んでお供します!」
 声を揃えて、言った。

 俺は、1階に降り、4人を伴い風呂場に向かう。
 千佳は、命令もしていないのに、四つん這いで俺の横を嬉しそうに這っている。
 そんな二人を一歩下がった距離で、3人の女が付いてくる。
 風呂場に着いて、脱衣所で俺が服を脱いだ時、女達の目は俺の身体に釘付けに成った。
 下手なアスリートより鍛え上げられた、俺の身体はバランスが良く、服を着ている時は、細身にすらみえる。
 だが、一旦実物を目にすると、その筋肉の隆起は、職業格闘家並だ。
 以前に俺の裸身を見ている千佳は、下からウットリとした目線で、見上げている。

 俺は、わざと背中を向けたまま、服を脱ぎ
「行くぞ…こっちだ…」
 そのまま、浴室に向かう。
 後ろでは、千佳が自慢げに俺の身体の事を話している。
 そして、俺に抱かれた事も、告げていた。
 その話も、誇張しながら、夢見るように話している。
「入らないのか?なら、そこで待ってても良いぞ」
 俺の声に、女達は急いで浴室に入って来る。

 浴室に入った女達は、その規模に圧倒される。
 ポカンと口を開け、目を見開いている。
 千佳は、俺の側に来てお湯を被り、湯船に浸かろうとするが
「こら…。先に、綺麗にしてからだ…」
 俺に窘められ、スゴスゴと洗い場に進む。
 俺は、湯船から上がると、スタスタと千佳を追い越し、カランの場所まで行き、椅子に腰掛ける。
 シャワーを持って、千佳の顔を見、軽くヘッドを振ると、千佳は喜んで飛んでくる。

 俺は、千佳にシャワーを浴びせ、泡立てたスポンジで身体を丁寧に洗い出す。
 千佳は微笑み、目を細め、俺のされるがままに、身体を洗わせる。
 全身を丁寧に洗うと、シャワーで泡を洗いおとしながら、優しく身体を撫でると、千佳は身体をくねらせる。
 そして、髪の毛にお湯を含ませ、隅々までシャンプーで汚れを洗い落とし、トリートメントをかける。
 その後、タップリのお湯で、洗い落とし余分な水分を落とす。
 まるで一連の動作のように、千佳の身体を洗う俺を、3人の女達は驚きの表情で見詰める。
 その慣れた動きが、晃や千佳の言葉を実証し、3人の女達は勘違いを深めて行く。

 俺は千佳の身体を、洗い終えると顔を上げ、3人に話し掛ける。
「どうした…。身体を洗わないのか?シャワーはまだ有るだろ…」
 俺の言葉に3人の女は、ドギマギして顔を見合わせる。
 俺は、自分の身体を洗い始めると、千佳が俺の手からスポンジを奪い、自分の身体に泡を移して擦り始める。
「こら…。好い加減にしないか…」
 俺が千佳を窘めると
「千佳は、奴隷だから、ご主人様のお世話をしなくちゃ、駄目なんですぅ〜」
 千佳は、甘えるような目線を向け、俺の身体をまさぐる。

 3人の女は、ゴクリと唾を呑み、千佳の大胆な行動を見詰める。
 すると、その中の美登里が、フラフラと前に進み出す。
(やっぱり、こいつが来たか…)
 この3人の中で、俺に貫かれた事があるのは、美登里だけだった。
 美登里は、俺の前に来ると
「あ、あの…。お風呂を頂いたお礼に、お体を洗わせて下さい…」
 正座して俺に依頼する。
「好きにしろ…」
 俺は一言ポツリと呟く。

 美登里は、頬を染めながら俺の身体に触れ、ビクリと手を引き、また手を伸ばす。
 掌で俺の身体を、確かめるように撫でる。
 美登里の身体が、淡いピンク色に染まる。
 股を摺り合わせて、モジモジと動き出す。
(ん?おかしい…こいつら…欲情してる…。そう言えば、処置室でも様子が変だった…。あいつ、何かしやがったな…)
 側で立って見ている、夏恵と秋美もモゾモゾと手を前で組み、腰を揺すっている。
 俺は、何気ない動作で、勃起しているチ○ポを目の前にいる美登里の乳房にぶつけた。
 美登里の目線が、今ぶつかったモノに吸い寄せられ、釘付けになる。
 俺は、チ○ポを見詰めている、美登里に
「それも、洗え…」
 感情を込めずに、言った。
 掠れた声で[はい]と返事をした美登里が、恐る恐る手を伸ばし、ソッと触れ、両手で擦り始める。
 見る見る美登里の瞳が濡れ、頬が紅潮しだした。

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