走狗
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■ 第4章 狂宴12

 千恵が、千佳の頬をぶっていた。
 千恵は、千佳を見詰め
「千ーちゃん。あなた、ご主人様に何て口の利き方をするの!それで、服従したって言えるの?」
 厳しい口調で怒った。
「千ーちゃん…。今まで私があなたに、こんな口の利き方をした事が有る?無いでしょ?あなたは今、自分の言った事さえ、理解できて無いのよ」
 千恵が静かな怒りを込めて、千佳に告げる。
「そう…。あなたは、服従と軽々しく口にしたけど、それは私達に対する、侮辱以外の何物でも無いわ。あなたと同じにしないで呉れる」
 和美も加わり、千佳を責める。
 千恵と和美の激しい叱責に、千佳が面食らう。
 そんな中に俺は割って入る。
「千恵、和美…。もう良い…」
 俺がそう言うと2人は、[でも]と小声で言ったが
「俺は何て言った…」
 静かにそう言うと、2人は一歩下がって平伏し
「申し訳ございませんでした、ご主人様」
 声を揃えて、謝罪した。

 その一部始終を口を開けて、見ていた千佳が
「え…あ…え?ご、ごめんなさい」
 2人の真似をして、謝罪する。
 俺は、吹き出しそうになったが、千恵と和美の手前我慢した。
 しかし、ここは俺の甘さより、千恵や和美の意見の方が合っている。
「千佳、見ていろ…。これが本当の服従だ…。千恵、和美立て…」
 俺の命令に、直ぐに立ち上がった2人の頬を、俺は何の遠慮も無しに打つ。
 2人は、よろめいたが、踏ん張って倒れるのを我慢した。
「誰がよろけろと言った!」
 そう言って今度は、逆の頬を打った。
 今度は2人とも、よろけもしなかった。

 そして、2人を抱き寄せると
「良し、よく頑張ったな…」
 耳元に囁いてやると、2人の腰がガクガクと震える。
「千恵、和美…。2人とも足を開いて、自分がどうなっているかを、千佳に見せてやれ」
 俺の指示通り、千佳の方を向くと尻を床に付け、大きく足を開いてビショビショに成ったオ○ンコを晒す。
 千佳は、もう何が何だか、解らなく成っている。
「千恵と和美は、もう魂の自由まで、俺に差し出している…。俺を否定するような行為は、出来ないし、考えられない…。それが、絶対の服従だ…」
 俺は、千佳に向かって、優しく語った。
「だから、俺に理不尽な行動を取られても。直ぐその後に、俺が労をねぎらうだけで、こんな風に成れるんだ…」
 俺の言葉に、千佳は震えて、崩れ落ち、千恵と和美に謝った。
 千佳自身、何で謝ったのか、理解していなかったが、謝らなければ成らなかったのだろう。

 そんな中、千恵が、俺にある提案をしてきた。
「ご主人様…。千佳ちゃんを、私達が教育しては駄目でしょうか…?」
 その言葉に、和美が付け加える。
「勿論ご主人様に、ご迷惑をお掛けしない範囲で。私からもお願いしたいのですが…」
 俺が2人の意見を聞き、考えていると
「あの…、ご主人様…。千佳も…、お姉様達に色々教えて頂きたいんですが…」
 千佳も言って来た。
 俺は、3人の意見を取り入れ、千佳は2人に任せる事にした。
「解らない事があったら、相談しろ…。晃に行く前にな…」
 俺は、取り敢えず、2人にクギを刺しておく。
 この2人は、今ひとつ晃の危険性を感じていない所がある。

 俺は話がまとまったので、3人を1階に送り、忠雄に連絡を付ける。
『ご主人様…。夏恵と秋美の話ですが…、宜しいでしょうか…?』
 俺の呼び出しの後、直ぐに忠雄が声を潜めて話してくる。
「構わんが、どうしたんだ…?」
 俺の質問に忠雄が
『へい、お嬢さん2人は…。奴隷に、かなりの興味をお持ちになったようです…。ただ、対象が…。ご主人様に向いて無いようなんです…』
 済まなさそうに俺に話をする。
「解ってるよ…。2人ともお前に惚れてるんだ…。そんな人間が側に居るのに、俺に興味を持たせるのも、時間が掛かる」
 俺がそう言うと、忠雄は
『へい…。それで、私が少し道を造っても宜しいでしょうか…』
 俺に提案してくる。

 奴隷達は、俺の知らない間に、次のステップに進んでいたようだ。
 自発的な懐柔の手段の模索、と言う奴だ。
「よし。良いぞ、お前に任せる。フォローが必要な時は、いつでも言え。直ぐに対処しよう…」
 俺がそう言うと
『すいやせん。なら、女房を上に、あげて呉れやせんか…?それと、秋美の気付けと、ガスの濃度を上げて下せえ…』
 忠雄が、矢継ぎ早に依頼をしてくる。
「解った…。所で、小声で喋る時。お前は、口調が変わるのは癖か?」
 俺が素朴な質問をすると
『すいやせん…。務所に入ってた頃…小声で喋る時はこう言う、喋り方だったんで…。癖に成ってやした…。お耳障りなら、以後気を付けます…』
 焦った口調で、俺に言い訳した。
「いや、気にするな。理由が分かれば、俺も納得した」
 忠雄の思わぬリアクションから、俺も不用意な一言が、奴隷達に思わぬ影響を与えてしまう事に気付き、会話を終わらせる。

 忠雄の依頼通り、即効性の催眠ガスの散布の後、直ぐに濃度を上げた遅効性の催眠ガスを流し込む。
 これで牢内の者は、最低でも昼まで起きる事はない。
 覚醒ガスを千春に吸わせて、俺はガスのボンベを忠雄に渡し、牢の外に戻る。
 千春からガスの効果が消えるタイミングを見計らって、再度牢内に入り千春を起こす。
 千春は、俺に起こされ驚きの表情を浮かべ、叫びそうに成ったが、俺が素早く口を押さえ込み黙らせる。
「お前は風呂に入りたいんだろ…入らせてやる…付いてくるか?」
 俺の質問に、千春は暫く考え、頷いた。
 俺は、その場に立ち上がり、千春を従え牢を出て行く。
 その光景を、忠雄により覚醒ガスを吸わされ、意識が目覚めた秋美が目撃する。
 これから、牢の中で何が行われるかは、後でモニターの録画を見せて貰おう。
 俺は、千春を外に出し、忠雄を見詰めると、ユックリ扉を閉めて鍵を掛けた。

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