走狗
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■ 第4章 狂宴14

 俺は、そんな表情を浮かべる、千春に意地悪をしたくなった。
 千春を呼ぶと、舌を差し出すように命じ、その舌を掴んで原液を丹念に塗り込めた。
 千春は、何の為なのか理解していなかったが、俺に舌を嬲られる感触を楽しんでいるようだった。
 俺は、千春の身体の泡を丹念に落とし、スポンジの薬液も洗い流した。
 その作業を自分の足に掛からないように、注意深く行い、最後は中和剤を身体に塗って洗い流す。
 立ち尽くし、ボーッとした表情を浮かべる千春を見詰めていると、変化が直ぐに現れた。
 全身がピンク色に、スッと染まった。
 それは、驚くほどのスピードだった、まるで身体全体に、ピンクの絵の具を浴びせたような変わりよう。
 そして、千春の身体が時折、ビクンビクンと跳ねる。
(は〜い…、出来上がり…。後はこいつの、我慢が何処まで持つか…)
 俺は、残忍な微笑みを浮かべ、千春が哀願して来るのを、髪の毛を洗いながら待った。

 髪を洗い、トリートメントをしてお湯で洗い流し、身体を離すと千春はもう我慢の限界だった。
「お、お願い…。お願いが有るの…」
 千春は、声を詰まらせながら、俺に話しかけてくる。
 俺は、それを無視して、浴槽に向かう。
 すると千春は、俺の背中に必死な声で哀願する。
「ま、待って…待ってよ…。お願いします…待って下さい…」
 千春が敬語に成った時に、初めて俺は足を止めて、振り返ってやり
「どうした…」
 声を掛けた。
 千春は、それがどう言う事かを理解した。
 俺には、敬語以外の言葉は、耳に届かないと言う、意思表示だと。
 千春は、それが自分に対して何を求めているかも、同時に理解したようだ。
(この女も…、頭の回転が早いな…。だが、そう言う女の方が、堕ちるのも早い…)
 俺は、何故かそう確信していた。
 妻が、そうであったからかも、知れない。

 暫くの葛藤の後、千春は込み上げてくる、情欲に負けた。
「あ、あの…私にSEXをして頂く訳には…SEXをして下さいませ…」
 千春は、俺に平伏して、大声で言った。
「俺がどんなSEXをするのか、解っていて言うのか?」
 俺は、千春に静かに聞いた。
「はい…奴隷として扱われる、SEXだと存じております…」
 千春は、ビクン、ビクンと時折震えながら、平伏したまま答える。
「お前は、夫が居るのに、俺にSEXを求めるのか?」
 俺の質問に千春は、大きくビクンと跳ね
「は、はい…夫が居ても、SEXをして頂きたいのです…」
 大声で答えを返す。
「お前が、奴隷として服従するのであれば、SEXをしてやらんでもない…」
 俺は、千春に最後の一線を越えるように、促した。
「はい、奴隷として服従しますので、SEXして下さい…。ご主人様…」
 千春は、何の躊躇もなく、その線を越えた。

 俺は、千春を見下ろし、初めての命令を下した。
「お前は屈服し、俺に奴隷として凌辱されたいなら、今言った事を一度に言って、お前の気持ちを態度で示せ」
 千春は、身体を小刻みに、震わせながら
「はい、私は夫が居る身にも関わらず。奴隷として扱われ、ご主人様に服従を誓い、凌辱される事を願い出る、淫乱です」
 俺の目を上目遣いに見詰め、ここまで言った後、身体を起こして尻を付き、足を大きく開いてオ○ンコを晒し
「ですから、ここを使って…。千春のオ○ンコを使って、ご主人様に満足して頂きたいのです…。お願いします、入れて下さい!」
 両手で大淫唇を引っ張り、俺に哀願した。

 俺は、そんな千春に近づくと、上から見下ろし。
「今お前は、俺に哀願しながら、何度イッた…」
 千春は、俺の視線に射抜かれながら
「は、はい…。小さく2度…大きく1度、イキました…」
 正直に答えた。
「何でイッたんだ…?いや、何でイケたんだ…」
 俺の言葉に、千春は
「わ、解りません…。ただ、大きな声で、恥ずかしい事をおねだりしていると…。オ○ンコの奥が…熱くなって…イッてしまいました…」
 戸惑いながら、答えた。
「訳を知りたいか…」
 俺は、千春に言った。
「は、はい…教えて下さいませ」
 千春は、ガクガクと首を縦に振りながら、答えを求める。
「お前が、マゾだからだ…」
 俺は、千春にその本性を告げる。
「マ、マゾ…私が…マゾ…」
 千春は、ポツリ、ポツリと、その言葉の意味を噛みしめる。

 俺がこう言ったのは、勿論100%嘘ではないが、千春がイッた原因としては嘘である。
 千春がイッた原因は、100%催淫剤が原因で、辱められて云々は、小さな要因の一つに過ぎなかった。
 しかし、こう言う状況で擦り込まれるイメージというのは、時に人間の本質すら変貌させる。
 現に、千春は自分がマゾで有ると、信じ始めている。
 過去に有った経験の内、似通った体験を擦り合わせ、このイメージを自分で本質として、固めようとしている。
 それは、自分の今の状況を説明づける、一種の[自己防衛]の手段だ、こうして受け入れる事により、人間は精神の安定を作る。
 俺のように、それを作為的に行う事を[洗脳]と言う名で、人は呼んでいる。
 俺は、千春の頭の中に[自分はマゾ]と言うイメージを、本質と認識させる行動に移っていく。

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