走狗
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■ 第4章 狂宴19

 朝が来て、俺は目を覚ました。
 横には、安らかな寝息を立てる、千恵と和美がいる。
 昨晩、千恵と和美に、身体をマッサージして貰ったせいか、身体がだいぶ軽い。
 俺が身体を動かすと、千恵の大きな瞳が開き、俺を捉えた。
「おはよう御座います、ご主人様…昨日は、良くお休みに成られましたでしょうか…」
 微笑みながら身体を起こし、俺の横に正座して、聞いてくる。
「ああ…お前達のマッサージで、いつの間にか眠っていた…」
 俺は、昨夜の事を思い返しながら、千恵の労をねぎらう。
 千恵は、嬉しそうにはにかむと、和美に手を伸ばし起こした。
「う〜ん…もう少し〜待ってよ〜…。あれ?あ、おはよう御座います、ご主人様…」
 和美が千恵に起こされ、寝ぼけながら挨拶をする。
 俺は、和美の頭を撫でて返事を返すと、身体を起こしてベッドから出る。

 2人を伴い、俺は1階のリビングに向かった。
 リビングでは、まだ千佳が千春を責めている。
「ほら!春しっかりしなさい、後2回でしょ!」
 千佳に貫かれ、尻を突き出す千春は、プルプルと尻タブを震わせている。
「はひ…ちかさま…もうしわけ…ございま…せん…。いま…すぐ…」
 千春は、息も絶え絶えな声で、謝罪する。
 俺はリビングに入って行き、千佳と千春に声を掛ける。
「言った事は、出来たのか…千佳?」
 俺の声に千佳が、ビクリと跳ね上がる。
 ソッと入り口の俺に向き直り、ガックリ肩を落として
「申し訳御座いません…後2回残りました…」
 俺に報告する。
「俺は、昨日の夜、何て言った…」
 俺が静かに千佳に問いかけると
「はい…20回イカせないと…折檻する…と…」
 千佳は、泣きそうな顔で、俺に答える。

 俺は、ゆっくりと千佳の横に歩いて行き、千佳の首根っこを掴んで、引き上げる。
 千佳の表情も、千春の表情も、恐怖に歪んでいる。
 俺は、そのままゆっくりソファーまで歩くと、千佳を放してソファーに座る。
 千佳は、直ぐに姿勢を正して、俺を見詰める。
 俺は、真っ直ぐ千佳の瞳を覗き込み、ボソリと話した。
「千佳…。主人の命令を守れない奴隷に、価値は有るか…」
「あ、有りません…」
 俺の質問に千佳が即答する。
「千佳…。価値のない奴隷は、どうすべきだ…」
「は、はい…。捨てられ…ます…」
 千佳の身体が、小刻みに震え出す。
「お前は…どうなんだ…。千佳…?」
「お許し下さい…お許し下さい…お許し下さい…お許し下さい…」
 千佳は、泣きながら平伏すると、何度も謝罪する。

 俺は、千佳の耳元に顔を寄せ、千佳を追い込んで行く。
 千佳は、ドンドン俺の言葉に、精神を追いつめられる。
 小刻みに震える身体には、鳥肌が立ち、脂汗が浮かんでいる。
 千恵と和美と千春は、凍り付いたように、俺の千佳に対する精神攻撃を見詰めている。
 千佳は、徐々に震えを大きくしていき、失禁をした。
 それでも、俺の攻撃は止まらない。
 俺は、30分程、千佳の精神攻撃を続け、髪の毛を掴んで顔を上に向けさせる。
 千佳の顔は、涙と鼻水と涎でグシャグシャに成り、目の焦点が合わなくなっている。

 そして、俺はそんな千佳に、助け船を出す。
「良い奴隷とは…、絶対の忠誠を誓い…。主人の命令には、服従する…。そう言う物だ…。お前は成れるか?」
「ばい…なでぃまず…がならず…なでぃまず…ごじゅじんざば…」
 千佳の瞳の奥に、狂気にも似た、服従の色が浮かび始める。
 こうして、千佳は俺に更に強く、隷属する。
 これも、千佳に対する教育の一環だった。
 俺は、千佳の髪を放すと、千春に向き直り
「お前の主の不始末を、片付けろ…」
 静かに言いつけた。
 千春は、拘束具を付けたまま、乳房を床に擦り付けながら移動し、千佳の失禁の後を舐め始める。
 千佳はまだ、平伏したまま、泣き続けていた。

 俺は、踵を返して、千恵と和美に向き直ると
「良くあそこまで、服従心を育てた…」
 ニッコリ微笑み、褒めてやった。
 2人は、この時、初めて理解した。
 これは、自分達の教育も、試されていた事なのだと。
 褒められて喜ぶよりも、一歩間違えていれば、自分達がああ成っていた事に、寒気を覚えていた。
 そう、俺の微笑みや、優しい態度を受け、一瞬でも気を抜くと、それは命取りになる。
 俺は、それを2人の心に叩き込んだ。

 俺は、ソファーに戻り、千佳の頭を一つ足で小突いた。
 千佳は、跳ね上がるように、顔を持ち上げる。
「いつまでそうしているつもりだ…お前も後始末しろ」
 俺は、千佳に命令すると、ぺこりと頭を下げ振り返ると、尻を持ち上げて床に舌を這わせる。
 千佳と千春は、必死になって、床の小便を舐め取っている。
 俺は、その姿を見下ろし、そろそろ調教内容の変更を考え始めた。
 屈服を早めるために、より強い調教を、より残酷な方法で、行う事にする。

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