走狗
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■ 第4章 狂宴20

 地下に全員を連れて行くと、覚醒ガスを流し込み、牢内で眠り続ける者から睡眠ガスの影響を取り除き、4人を戻す。
 俺は、パソコンの電源を入れ、調教のリストを確認して、今日の調教を選ぶ。
 そう、今までの調教も偶然を装いながら、実は事前に操作していたのだ。
 今日の朝一は、涼子がさせられたゲームだ、吊すのは秋美と千佳、犯されるのは絵美と志緒理で良いだろ。
 勝った方には、風呂を使わせ、毛布を与える。
 涼子には許されたが、こいつらには拒否権は、与えない。
 ギブアップは、鞭打ち50発で、良いだろう。
 俺は、種類と人選をし、ルールを考え出した。

 牢の中に入り、西川家以外の全員を調教部屋に出すと、いつものように項目を決め、人を選ぶ。
 ルールを説明して、勝者に対する褒美を教え、調教を始める。
 調教は、凄惨な物になった。
 絵美と志緒理は、快感を堪えられずに、イキまくり千佳と秋美を血まみれにし、最後は秋美の舌が裂けた所で、志緒理がギブアップした。
 俺は、千佳と秋美が垂れ流した、汚物を敗者達に片付けさせ、志緒理に鞭を与える。
 志緒理の白い肌に、鞭の赤いみみず腫れと、肉の爆ぜた箇所に、薬を塗って悶絶させる。
 そんな光景を栄蔵はジッと見詰め、俺を見ると、健太郎を睨み付けた。
 健太郎はただ、俯くだけだった。

 俺は、気絶した千佳と秋美をその場に残し、牢内に残りの者を入れる。
 時計を確認すると、10:03に成っていた。
 俺は、午前の調教を終える事にし、西川家の檻を確認する。
 守は、優葉と乙葉を重ね合わせ、交互にそのオ○ンコを貫いている。
 2人の表情は、どちらも虚ろで、視線は宙を彷徨っていた。
 俺の視線を感じた乙葉が反応し、顔に生気を少し戻したが、俺が視線を外すと、直ぐに元に戻った。
 優葉と乙葉の精神は、ザリザリとヤスリで削られるように、責め苛まれている。
 この調教は、優葉が自分を殺して欲しいと思うまで、続けてやる。

 俺は、牢から出て玄関ホールに戻ると、そこに由木が立って居た。
「どうした…、今日は何の用だ…」
 佇む由木に、怪訝な表情を向けた。
「いえ、これと言った御用では、有りませんが。そう…本日は、ご用聞きのような物です」
 いつものように、頭を深々と下げ、丁寧な物腰で俺に話す。
「ふん…そうだな、ある物を用意してくれ…」
 俺は、ぶっきらぼうに、この後必要に成る[ある物]を由木に言った。
「承りました。少々お時間が掛かると思いますが、ご用意致します…。それとですが、わたくし共の組織の有るお方から、西川家の方々に対する処遇を懸念しておられます。ご一考の程を…」
 俺は、由木の言葉に違和感を感じたが、何事も無かったような顔で
「調教の内容は、俺が決める…。余計な口出しは無用だと、主に伝えろ…」
 言い放った。
「左様で御座いますか。解りました、お伝えいたします…。では、今日はここら辺で、お暇いたします」
 そう言うと、踵を返して消えていった。

 俺は、直ぐに2階に上がり、今の由木の態度を晃に話した。
 晃は、由木の態度を聞いて
「主人の気まぐれでしょ…良くある事よ」
 そう言うと俺に擦り寄り、身体を密着させ、手を首に巻き付けながらキスをする。
「乙葉が狙われてる…。下手したら優葉もよ…」
 俺の口の中に、素早く言葉を送り込む。
 俺も同意見だった、これは早急に対策を立てないと、全一のように、途中で持って行かれ兼ねない。
「前に言ってた、入れ墨用意できるか…」
 俺は、晃の口に言葉を送り込む。
「ええ、いつでも…」
 晃の声が熱を帯びて来たから、俺は危険と判断し引き離した。
 晃は、拗ねたような目線で、俺を見詰めると踵を返す。

 俺は、乙葉に入れ墨を背負わせる、具体的な理由を思案しだした。
 取って付けたような理由では、勘ぐられ、この復讐を邪魔されかねない。
 キッチンに行き、木偶達の餌を作りながら、俺は考えた。
 しかし、妙案が浮かばない。
 連絡をして芝居を打たせるにも、通信は傍受されているのは、見えている。
 何の考えも浮かばないまま、俺は食事の支度を終え、昼食を与えた。
 俺自身も昼食を取り、考えをまとめようとするが、沸き上がってくるのは、焦りと苛立ちだけだった。
 そして、得てしてそう言うときは、ミスを犯す。

 13:00に成り、俺は牢に向かった。
 牢の中は、一種騒然と成っている。
 牢内の女性陣が、守に対してバッシングを、行っていたからだ。
 牢の前に陣取って、女達が口々に守の非道を罵っている。
 それに対して守は、牢の真ん中で、乙葉と優葉の顔が女達に向くように這いつくばらせ、交互にバックから犯し、薄笑いを浮かべ無視している。
 乙葉は屈辱に顔を歪め、優葉は感じてしまう自分の身体に、涙を流している。
 俺は、乙葉の変化を見て驚いた、昨日まで出ていた鳥肌が消え、うっすらとピンクに身体を染めていたからだ。
(乙葉…。感じているのか…?そいつに…。こいつも、所詮は女か…)
 俺はこの時、真っ先に浮かんだ感情に、目を曇らせてしまった。
 そう、紛れもない[嫉妬]の感情だった。
 そして俺は、乙葉の身体が出すサインを、見逃していた。
 精神崩壊の兆しを。

 俺は、踵を返して、全員に午後の調教の開始を告げた。
 女達は、口汚く守を罵りながら、俺の後に続く。
 牢を出て、俺は課題を与え、実施者を決める。
 道具を用意し調教の準備に掛かった時、牢の奥から優葉の悲鳴が上がった。
 俺は、急いで牢に駆け込み、扉を閉める。
 そこには力無く横たわる、乙葉が居た。
 そして、暴れる優葉の手綱を守が思いっきり引っ張る。
 電撃を受け昏倒する、優葉。
 俺は、急いで檻の扉を開け、中に入り乙葉を抱え上げる。
 守は、突然倒れた乙葉をなじり、その尻を蹴ろうと足を持ち上げた。
 守が勢いよく降ろす足を、俺は右手で払いながら、上に向かって跳ね上げる。
 守は、そのままの位置で、ヘソを中心に180°回転し、側頭部から床に激突した。
 乙葉は、俺の腕の中で一度目を開けると、ニッコリ笑って
「あぁ…ごしゅじんさま…ゆめみたい…また…だかれてる…ゆめでも…いい…うれし…い…」
 小さく呟くと瞳の色が、見る見る輝きを失って行く。
 乙葉の精神崩壊が、始まって行く。

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