走狗
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■ 第4章 狂宴28

「乙葉。今日の仕事は終わったのか?」
 俺は、乙葉に視線を向け、質問した。
「はい。今、医師のお部屋を、片付け終わりましたので、終了しました」
 乙葉は、ニッコリ微笑み、俺に返事を返す。
「なら、少し身体をマッサージしろ…」
 俺は、そう言うと乙葉の横を擦り抜ける。
 すると、乙葉が怖ず怖ずと俺に、声を掛ける。
「あ、あの〜…。優葉も手伝わせては、駄目でしょうか…。この子とっても上手なんです…私もいつも、して貰ってて…」
 乙葉の言葉に、俺は
「俺の疲れが取れるなら、何を使っても構わん…」
 背中越しに返事を返し、廊下を進んだ。

 部屋に着くと、俺はベッドに倒れ込み、乙葉に向かって
「頼む…」
 短く頼んだ。
 乙葉のマッサージは、余分な所に力が入り、一生懸命さは伝わるが、余り心地よくはない。
 しかし、優葉のマッサージは、かなり慣れていて、とても心地よかった。
「優葉。お前のマッサージを乙葉に教えろ…。お前のは、心地良い…」
 すると、2人の動きが止まり、俺の背中にポツポツと水滴が垂れて来た。
 それも、2カ所ずつ、計4カ所に。
 俺が振り返って見ると、乙葉と優葉が見つめ合い、泣いていた。
「どうした…」
 俺が呆れた顔で、2人に問い掛けると、2人は俺の目を見詰め
「有り難う御座います…。優葉を認めてくださって…。褒めて下さって…」
 乙葉が言うと、優葉はボロボロと涙を流す。
「大げさだ…。こいつも、これから死ぬまで使われるんだ…。それぐらいで泣くな…」
 俺は、吐き捨てるように、呟いた。
 2人はその後、俺の背中を懸命に、マッサージしだした。

 タップリ2時間、俺は2人のマッサージを受けて、復活した。
 俺は、労をねぎらうと、そのまま地下へ戻る。
 時間は、もうじき9時に成ろうとしていた。
 牢に入る前、俺は奴隷達に連絡を入れ、睡眠薬を正一以外の男達に与える指示をする。
 俺は、牢の扉を開けると、顔を叩くほどの愛液と据えた匂いに、顔を歪めた。
 牢の中には、グッタリとした女達と、薬の効き始めた男達が、虚ろな目を俺に向ける。
 女奴隷達は、一斉に立ち上がると、俺の前に並び平伏した。
 俺は、奴隷達に、みんなに聞こえる声で
「疲れただろう…。お前達は、1階に上がって風呂に入るなり、ベッドで眠るなり好きにしろ…」
 そう言って牢の外に出す。
 俺は、頭を持ち上げる力も無く成った、木偶達に顔を向けると
「そいつは、置いて行くから、好きにしろ…」
 そう言って、正一を指差し、踵を返して牢を出る。
 正一は、一匹の獣に変わっていた。
 恐らく朝まで止まらないだろう。
 女木偶達は、自分達が目覚めさせた、一匹の絶倫獣に朝まで犯され続ける。

 俺は、牢を出て行くと、1階に上がって女奴隷達を解散させる。
 自室に行くと、パソコンを起動して、モニターの録画をチェックする。
 思った通り、千春と秋美は限界だった。
 俺と忠雄に、念入りに道を付けられた快感は、もう出口を探して暴れ回っている。
 2人には、服従できる機会を与えてやれば、直ぐにでも転げ落ちてくる。
 後は、その機会をどう作るかだけだった。
 問題は、残った5人の親と、啓介だった。
 まあ、それも時間を掛けて、堕としても構わない。
 俺は、計画より速いペースで目処が付いた事に、満足して眠りについた。

 調教を初めて、7日目の朝が訪れた。
 俺は、リビングに奴隷達を集める。
 俺の前に、6人の奴隷が平伏した。
「乙葉。お前は、今日から女王として調教に参加しろ。千佳、お前には千春を任せる。千恵と和美は、美登里を教育しろ。優葉は、奴隷達の召使いだ。みんなも用事は、こいつに言いつけろ…」
 俺は、奴隷達に役割を割り振った。
「但し、俺の飯は…。乙葉か千恵が作れ…」
 自分の食事係担当も、忘れない。
 乙葉と千恵は、小さくガッツポーズを作った。

 俺は、朝食をみんなで取ると、健太郎達を迎えに行く。
 扉を開けると、健太郎の眠るその横で、夏恵が泣いている。
 夏恵は恐らく、一晩中泣いていたのだろう、目が真っ赤に腫れ上がっている。
 俺は、健太郎をたたき起こすと、夏恵を伴い1階に下りた。
 そこでは、奴隷達の先頭に、黒いボンテージスーツを纏って、女王様スイッチの入った乙葉が、俺を待っていた。
「ご主人様。全員、準備が整いました」
 そう言って、乙葉は一礼し、奴隷達は平伏する。
(こいつ…。やはり、様になるな…。全員が、無意識に威圧されてる…)
 乙葉の仕草や言葉に、自然と圧倒され、従っていた。
 俺は、踵を返して、階段を操作すると、地下へと向かう。
 俺の後に優葉以外の全員が、付いてくる。
 優葉は、マスクをしたままメイド服を着け、深々と頭を下げて俺達を見送った。

 俺は、牢の扉を開け中に入ると、そこは惨憺たる有様だった。
 女木偶達は、牢内のあちらこちらで、だらしなく倒れ、通路の真ん中では、まだ正一が女を抱えて、犯していた。
 今、犯されているのは、実母の絵美だった。
 絵美は、朦朧とした視線で、腰を突き上げる動きに合わせ、だらしなく首を振っている。
(こいつ…。一体、何回やってるんだ…?化け物か…)
 俺は、正一を見詰めながら、本気で呆れてしまった。
 そのまま、放っておきながら、俺は全員を叩き起こす。
 正輔が正一に犯される絵美を見て、一瞬驚いた表情を見せ、興味を失った。
 木偶達の認識の中では、近親相姦など、もう当たり前の事に成って居る。
 頭が麻痺し、考えられ無く成っていた。
 木偶達を並ばせ、正一を押さえて、檻にぶち込み鍵を掛ける。
(こいつが居たら、ルールも糞も、有ったモンじゃないし…。流石に休ませなきゃな…)
 俺は、最後に安曇野家を並ばせ、牢を出て行った。
 そして、事件が起きた。

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