走狗
MIN:作
■ 第4章 狂宴30
クレーンを使って首台を立て直し、栄蔵の死体を忠雄と正輔に手伝わせ、処理枡に運ぶ。
処理枡の蓋を開けると、奥でシュインシュインと金属が、勢いよく風を切る音が聞こえる。
「この中…、どうなってるんですか…」
忠雄が俺に敬語で聞いてくる。
「この枡の途中に、段違いで4枚のドリルみたいな刃が、回転している…。そこを通ると、ミンチに成る…。その後の行き先までは、書いて無かった…」
俺は、システムについての説明書に、書いて有った事を忠雄に答えた。
「ミンチでやすか…。この人も…、最後はミンチとわな…」
寂しそうな顔をして呟いた。
栄蔵と健太郎の死体を、枡の中に入れると蓋を閉める。
これで、残りは正二と泰介の2人に成った。
最初に拉致されて、最後まで残るのは、どちらに成るだろう。
血を洗い流して、調教の課題と実施者を決める。
調教内容は[レース]で、実施者は全員だ。
今日の朝方、由木に頼んでいた[ある物]が届いた。
今回の罰は、一際ハードな物に成るだろう。
「ルールは、一周150m有るこの屋敷の周りを3周して貰う。ごく簡単なモノだ…」
俺は、全員にそう言いながら、顔を見渡す。
全員その時の映像を見ているため、一様に項垂れる。
「御者は、乙葉、忠雄、千佳、正二、泰介の5人だ…」
俺に、呼ばれた5人は列から外れる。
「忠雄と組むのは夏恵と秋美、千佳と組むのは志緒理と千春、正二と組むのは絵美と千恵、泰介と組むのは響子と和美、乙葉と組むのは啓介と正輔だ」
俺の指示した組み分けで、それぞれに分かれ出す。
美登里がポツリと残っていた。
俺は、美登里に向かい[お前は、俺の世話だ]と指示を出した。
「1位と2位には、褒美をやろう…。その変わり、4位と5位は罰をやる…。精々励んでくれ…」
俺は、そう言って、全員を連れ屋外に向かった。
庭に出た全員は、俺が倉庫から引きずり出した、[人車]に繋がれてゆく。
[人車]はローマ時代の、戦車のような形をしている。
人が乗る場所は、幅1m程で長さが70p、3方を板に囲まれ、大きな車輪が両脇に付いている。
御者台から伸びた3本の棒に、奴隷が繋がれ固定される。
制御方法は、加速は鞭で、左右とブレーキは、左手で操作する、コントロールバーが全ての、シンプルなモノだ。
コントロールバーを右に倒せば、右側にいる奴隷のオ○ンコに刺さったバイブが動き、左に倒せば左側のバイブが動く。
ブレーキは手前に引けば、アナルのバイブが同時に動く仕掛けに成って居る。
但し、そのバイブを留めているのは、御者台に直結されている固定棒で、御者台からの振動は直に伝わる。
俺は、奴隷達をギチギチに固定せず、少しの余裕を持って固定した。
こうする事に依って、急加速・急減速をすると、慣性でバイブが前後にストロークする。
しかも、バイブ自体どう見ても、仕掛けが満載だった。
どちらにも、ドリルのようなイボの付リングが、渦巻き状に配置され、柔らかい突起と固い突起の二段構えに成って居る。
他にも電極のようなモノや、妙な穴が開いているが、何に使われるのかは、良く解らなかった。
こうして、俺の説明書を読まない性格のために、奴隷達は受難を受ける羽目に成った。
コースを説明し、俺は庭のテラスで、コーヒーを飲みながら、心地よい日差しを浴び、美登里の上に座っている。
美登里は、四つん這いに成り、俺の体重を支えながら、オ○ンコとアナルに奴隷と同じバイブを咥えている。
美登里のバイブには、全ての奴隷のバイブの動きが、連動するように成って居る。
つまり、バイブがどう動くかの、実況中継機に成って居た。
男の奴隷に対応するのは、クリトリスに着いている、キャップが同じ動きをする。
美登里の目の前には、どのバイブが動いたか分かる、番号表示板が置いて有り、それが点灯する仕組みになっている。
俺の合図で、5台の[人車]が、スタートラインに着いた。
手前から千佳、忠雄、泰介、正二、乙葉の順に並んだ。
千佳から正二までは、騎乗鞭だが乙葉は2mの一本鞭だ、あれを揺れる御者台の上で捌けるのか、心配したが本人が選んだのだった。
それぞれが、鞭を振り上げた状態で待機する。
俺は、スタートの合図をいきなりした。
反応良く飛び出したのは、千佳と忠雄だった。
容赦のない鞭が、志緒理と千春の尻を叩き、千佳の[人車]がトップを取る。
その少し後ろに、忠雄が鞭を入れ、夏恵と秋美がピッタリと付く。
2m程離れて、泰介組が走り、その直ぐ後ろを正二が追いかける
乙葉は、その更に後ろをゆったりと進んでいる。
先頭の千佳がカーブの手前に差し掛かると、突然美登里が
「あひゃー!1番がブレーキを掛けまし…。左に曲がるー!ひー…2番も同じく曲がります〜!3番と4番がーブレーキ掛けて…曲がりました〜!」
ブルブルと尻を震わせて、報告をする。
俺の目の前には、モニターが有るからそんな事は、百も承知だった。
俺は、横に置いてある、鞭を取ると美登里の尻に打ち付ける。
「俺は、バイブの動き方を言えと行ったんだ…。誰が、レース中継をしろと言った…」
美登里に注意する。
「はい、もし訳ありません、ご主人様…。次は必ずーーっ!1番のアナルバイブが動きー左のオ○ンコのバイブーー!2番のアナルバイブ、左のオ○ンコのバーー3番のアナルバイブと4番のアナルバイーーオ○ンコのバイブ動きましたー!あああぁぁー5番のアナルバーークリトリスだめーー!」
団子状態に成って来て、美登里の身体はカーブが近づく度に、激しくバイブが動く。
俺は、モニターに映る必死な顔で走る奴隷と、木偶達を見詰め薄く笑う。
(こいつらは、もう落ちたも同然だ…。この調教が終わって、罰を与えれば、この2人も、まともでは居られない…)
事態は、俺の予想以上に激しく進み、この宴も、終焉を迎える気配が漂って来た。
俺は、次の事を考え始めている。
それは、残った2人の行方だった。
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