走狗
MIN:作

■ 第4章 狂宴34

 玄関ホールに戻ると、階段を元の位置に戻し、2階へ案内する。
 一番手前の部屋に千佳と千春、続いて忠雄と夏恵、そして乙葉と秋美、主寝室に俺と志緒理。
 俺は、主寝室で志緒理に待つように言うと、千恵、和美、絵美、響子を晃の元に連れて行く。
 処置室には、既に晃がスタンバイしている。
「良ちゃん…。準備は、OKよ。2人ずつ処理するわ…。初めはどっちから?」
 俺は晃の質問に
「初めは、絵美と響子からだ…。この2人があいつらバージョンだ…」
 俺は、絵美と響子を差し出し、千恵と和美を連れて処置室を出る。

 処置室を出ると、2人を別の部屋に入れる。
「千恵…和美…。これからお前達には、辛い事を強要してしまう…。すまん…」
 俺は、2人にいきなり詫びる。
 千恵と和美は、ボロボロと泣き出した。
「そ、そんな…。止めて下さい…お願いしますご主人様…」
 俺に向かって哀願する、千恵。
「本当です。お願いします…止めて下さい、ご主人様…」
 和美が平伏して、俺に許しを請う。

 2人はワナワナと俺にしがみつき
「謝らないで下さい…私達は、嬉しいんです…。どんな事をされるより…ご主人様に、謝られる方が辛いです…」
 千恵が俺に、頭を上げてくれと哀願する。
「そうです…。私達は、忠誠を示せる、課題を頂いたのに…。ご主人様に、謝られると…辛いです…。只一言、[やれ]と命じて下さい…お願いします…」
 和美が俺の足元で平伏し、手を伸ばして、しがみつく。
 2人の奴隷は、辛い罰を受ける事より、俺に謝罪された方が、辛かったようだ。
 俺は、気持ちを取り直し、2人に向き直ると
「これから、辛い調教をする…。だが、お前達なら出来る。服従心を見せろ…」
 俺は命令した。
「はい、ご主人様!仰せのままに」
 2人は、声を揃え平伏した。

 俺は、2人を抱きしめると、それぞれにキスをした。
 長く熱いキスを与え、優しく愛撫を与える。
「ご褒美の前渡しだ…。ちゃんと出来たら、もっとやるぞ…」
 ニッコリ微笑んで、2人に告げる
 2人の目は、恍惚に濡れ潤み、鼻に掛かった甘い声で
「頑張ります〜ぅ…ご主人様〜っ…」
 返事を返した。
 俺は、2人のオ○ンコに手を添え、優しく愛撫を与え、二人共2度ずつイカせてやった。
 2人は、俺の手を舐めて綺麗にすると、晃の元へ帰って行った。
 俺は、2人を見送り、主寝室へと戻って行く、志緒理を調教するために。

 俺は、主寝室の扉を開けた。
 寝室のソファーの真ん中で、ポツリと志緒理が座っている。
 俺は、真っ直ぐ志緒理の所まで歩いて行くと、その手を掴んで引き起こし、抱き留めるとキスをした。
 志緒理は、驚きから諦めに表情を変え、俺の腕の中で力を抜く。
 俺は、唇を離すと横抱きにし、抱え上げてニヤリとサディストの笑みを浮かべ
「風呂に入れてやる」
 志緒理の顔を覗き込み言った。
 志緒理は、顔を真っ赤にし、下唇を噛んでそっぽを向く。
 俺は、志緒理の反応を訝しみながら、そのまま寝室の風呂に連れて行った。

 ここの風呂は、ジャグジータイプの4人用で、2人で入るには大きすぎる。
 俺は、先ず志緒理の身体と髪を二度洗った。
 志緒理はここに来て1週間、ホースの水を一度掛けられただけだった。
 そして、湯船に浸けてやる。
 志緒理は、俺の膝の上で丸まって居たが、徐々に緊張も解け、手足を伸ばしだした。
 俺は、後ろから志緒理の身体を見詰める。
 身長は161p、体重は48s、年齢の割には垂れの少ないDカップの胸、金を掛けて居るのだろう、引き締まった腰と、張りのある肌は、まだ20台後半でも通用しそうだ。
 長く細い足は綺麗に真っ直ぐで、弾力の有る尻は、丸みを帯び男心をくすぐる。
 髪をアップに束ね、ほつれ毛が白く細いうなじに絡み、中々色っぽい。

 俺は、後ろから、膝の上にいる志緒理の乳房を両手で掴む。
 志緒理は、俺の手に慌てて上から手を当て、暫く抵抗を見せるが、それも直ぐに止める。
(可笑しい…。何か、反応に違和感がある…。何だ、この妙な引っかかりは…)
 俺は、志緒理の仕草に、何処か芝居めいた、雰囲気を感じ、手を離した。
 志緒理は、胸を押さえ身体をピンクに染めるも、違和感は消えない。
 俺は、さっきの寝室での、反応を思い浮かべる。
(そうだ…、さっきは打てば響くような、反応だった…。今は違う…これは、演技だ…)
 俺は、さっきと、今の違いを考える。

 それは、直ぐに閃いた、そう[荒さ]の違いだ。
 有無を言わせぬ、行動がこの女には、必要だった。
 そして、それを理解した時、一つのラインが俺の中で浮き上がった。
 千春、夏恵、秋美、健太郎、この4人に共通する点。
 恐らく、栄蔵もその傾向が強かったんだろう。
 安曇野の男はサディスト、女はマゾヒストで構成されている。
 俺は、自分の考えが、正しい事を証明したくなった。
 浴槽の直ぐ脇にある、コントロールパネルを操作する。
 すると、窓に映っていた景色が暗転し、何処かの室内の映像が映る。
 大きな窓に見えていたのはモニターで、外の景色を映していたのを室内カメラに切り替えたのだ。

 カメラは、次々に移動し、室内を映す。
 まだ、狙った映像は出て来ない。
 俺の前で志緒理は、目まぐるしく変わる映像に、目を白黒させている。
(有った…。ここだ…、こいつを見ていれば、自ずと答えは出るだろう…)
 志緒理は、目の前に映った光景に、驚きの表情を浮かべた。

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