走狗
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■ 第5章 走狗5

 俺は、人体改造を行った、4人を連れ1階に戻った。
 階段を戻し、2階に上がろうとした時、リビングの方から晃の声が聞こえた。
 俺は、階段に掛けていた足を降ろして、リビングに向きを変えて進む。
 リビングに入ると、晃に声を掛ける。
「晃。終わったぞ…、何をしている…?」
 リビングに入った俺に向かい、安曇野家の者が全員平伏していた。
「ご主人様。どうか、千春に調教をお与え下さい…」
「ご主人様。夏恵を…、夏恵を奴隷にして下さい…」
「どうか秋美を、ご主人様の奴隷にして下さい…。お願いします…」
「ご主人様…。私を人形から…、奴隷に変えて下さいませ…」
 4人は、俺に向かって、服従の意志を表した。

 俺は、晃の耳元に
「どうした…。何をしたんだ?」
 問い掛けた。
「何にも…。ただ、あなたがどれだけの人間か…、私が見てきた中で、どんな位置の主人かを、話しただけ…」
 俺が怒っていると勘違いし、手をヒラヒラ顔の前で振って、笑顔を貼り付けて言い訳した。
「そうか…、有り難う…」
 俺が素直に感謝の言葉を言うと
「え!え〜っ!お、怒らないの…。な、何…そっちの方が…怖い…」
 晃は、驚きの表情で後ずさる。
 俺は、一体晃にどう思われていたのか、晃の説明で平伏するこいつらは、大丈夫なのか一抹の不安を覚えたが、気にしない事にした。

「晃…。こいつらを元に戻してやってくれ…、もう必要ない…」
 俺は、晃に依頼すると、晃は俺に
「あ、それ…?いらないなら、引っ張って良いわよ…。少し強く引くと取れるから」
 軽く、俺に言った。
 俺は、少し驚きながら、千恵の犬耳を引っ張る。
 本当に少し強く引っ張っただけで、耳が根本から取れた。
 俺は、その耳を見詰めて、驚きながら千恵に
「痛くなかったか?」
 聞いてみると、千恵も驚きながら、フルフルと顔を振った。
「乙葉、忠雄、千佳…。お前達も手伝え…」
 俺が命じると、3人はそれぞれ改造した奴隷に取り付き、人間に戻していった。

「どう、中々凄いでしょ…。人工皮膚を使ったアプライエンス・メイク…。お金掛かってるわよ…」
 晃は、ニコニコ笑いながら、俺に説明した。
 今回の改造は、全てフェイクだった。
 晃はその造形技術を使い、特殊メイクを施していた。
 俺には、間近で見ても、人工皮膚の境目が解らなかった。
 全てのメイクを落とし、千恵と和美が元通りに成ると、俺は全員に風呂と食事を与えた。
 風呂場では、俺は念入りに、千恵と和美を洗ってやった。
 俺の命令で、獣と交じり合った汚れを隅々まで洗い清める。

 一心地付くと、リビングに関係者全員を集めて話を始める。
「お前達は、明日から奴隷としての教育を受けて貰う…。教えるのは、俺を含め忠雄と乙葉だ…。千佳と千恵と和美はサポートをしろ」
 俺は、全員を見回しながら、次々と指示を出す。
「晃…。地下にいる罪人に、SEXさせる事は可能か?」
 俺は、質問すると
「出来るわよ…。まあ、ロボットみたいなモノに、成っちゃうけどね…」
 晃は、気乗りしなさそうに言った。
「充分だ…。明日から使う…直ぐに処置してくれ…」
 俺がそう言うと、晃は目を大きく開いて
「ほんっとにっ、人使いが荒いわね…。少しは、ねぎらいなさいよ…もーー!」
 不満タラタラで、立ち上がる。

 俺は、そんな晃の背中に
「今晩。少し酒でも飲むか…」
 小さく言葉を投げ掛ける。
 捉えた木偶も、囚人の始末も終え、次の標的を探す前の前祝いのつもりだった。
 晃の動きがピタリと止まり、ユックリと俺に振り返ると、ニンマリ笑って俺に向かって突進してくる。
 俺は、晃を受け止めてやった、これはここへ来て初めての行為だった。
 驚きを浮かべて、俺の胸から腕、胸、顔と忙しなく目を動かし、顔を赤らめる。
「良ちゃん…。こ、これは…夢?…良ちゃんが…受け止めて…呉れた…の…?」
 俺は、晃をユックリ持ち上げて、立たせると
「感謝には、相応の行動が必要だ…。いつも、一人で飲んでるお前に、今夜は付きやってやる…。ねぎらいとして、足りないか?」
 俺が笑いながら、そう言うと、晃は首が取れるのでは、と思うほど激しく振り
「仕事して来まーす!」
 踵を返して、出入り口に向かってダッシュをした。

 リビングの出入り口で、立ち止まり
「3人程、誰か貸して!」
 助手を依頼して来た。
 俺は、美登里と優葉と志緒理に行かせた。
「乙葉、忠雄。お前達はユックリ休め…。夜には、お前達も付き合え…」
 俺はそう言うと、立ち上がり千恵と和美を連れて、リビングの出入り口に向かう。
 リビングを出る前に、俺は背中越しに
「乙葉…忠雄…、お前達は、奴隷を好きに扱って良いぞ…。使うも、調教するも自由だ…」
 そう言って出て行った。

 主寝室のベッドで俺は、千恵と和美に向かい
「今日は、よく頑張った…。ご褒美は何が欲しい…?ユックリ休むなら、側にいてやるし、抱かれたいなら抱いてやる…。お前達の好きにしてやるぞ…」
 2人の頬を撫でながら、微笑んで言った。
 千恵と和美は、モジモジと俯きながら
「あの…、ご主人様…。甘えても…、良いですか…?」
 千恵がそう言うと
「あ、私も!それしたい…。私も甘えたいです…!」
 和美も追従する。
「構わないが…。それで良いのか?」
 千恵と和美は、俺の腰に腕を回し、頬を擦りつけて、ニヤニヤと笑っている。
「はい…。幸せ〜っ…」
「う〜ん…。最高〜っ…」
 2人は、ウットリとした表情で、返事を返した。

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