走狗
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■ 第5章 走狗9

 俺は、志緒理から足を離すとベッドに戻り、志緒理を手招きする。
 志緒理は、俺に呼ばれるまま、足下に這い寄ってくる。
 俺は、ズボンのチャックを降ろし、自分のチ○ポを晒すと、志緒理の目を覗き込む。
 俺の視線に絡め取られた志緒理の瞳は、見る見る情欲に染まり、志緒理の手がユックリとチ○ポに伸びる。
 俺のチ○ポを掴んだ時、俺は志緒理に尋ねる。
「今…。何で俺のチ○ポを掴んでいる…」
 志緒理は[解らない]と答えるが、チ○ポを放そうとはしなかった。
「お前は、それをどうしたい…?」
「は、い…。咥えて…舐めたいです…」
「どうして…、舐めたいんだ…?」
「あ、あの………気持ち良くなって、貰いたいからです…」
「それだけか?」
「あ、いえ…私の口を…使って欲しいからです…」
「そうか…。お前は。今、自分で、自分の身体を使って、俺に気持ち良くなって欲しいと、思ったんだな…?」
「は、はい…、そうです。私は、私の身体を使って、ご主人様に気持ち良くなって欲しいと、思いました」
 志緒理が自分の言葉で、俺に告白した時、志緒理の身体が大きく震えた。
「どうした…?身体が震えたぞ…」
「は〜っ…は…い…。オ○ンコの…お、奥が…ビク、ビクと…震えました…」
 志緒理は、自分を襲った快感の正体が解らず、戸惑いながらも、感じている。
「教えてやろうか…」
 俺はそう言うと、志緒理の頬を両手で掴み、瞳を覗き込んで俺の心を嗜虐心で満たす。

 途端に、志緒理のマゾヒストの部分が反応を示し、身体を震わせ出す。
「先ず、俺を主と自分の心で認めろ…。そして、服従するんだ…。その気持ちのまま、自分が出来る事で、主を喜ばせたいと、考えてみろ…」
 志緒理は、俺の言葉に沿って、自分の心の位置を変えて行く。
 すると、志緒理の表情が蕩けだし、身体がピンク色に染まって行く。
「あはぁぁ〜っ…ん…ふぁぁ〜…はぁん…はあ、はあ…あふぅ〜〜っ」
 志緒理の表情は、ドンドン恍惚に染まり、身体をくねらせ色香を増して行く。
「どんな気分だ…」
「はい〜…。からだの…奥から…ゾクゾク〜っ…なにか…あがってきます〜っ…。なに…なに、これ…ひゃん〜っ…」
「よし…。そのまま…、自分の思いに、身を任せてみろ…」
 俺の言葉に、志緒理が口を開いて、俺のチ○ポを咥え込む。
「ん〜っ…くふぅ〜っ…んかぁはぁ〜…フン〜〜〜っ!」
 志緒理は、口に含んだ瞬間、絶頂を迎え身体を痙攣させる。

 俺は志緒理を見下ろし、頬を撫でながら
「今感じたのが…、服従による奉仕の快感だ…。今のが基本だ…。本当の快楽は、そこから始まる…。試してみるか?」
 俺は、志緒理の目を覗き込み、唇だけで笑って問い掛ける。
 志緒理は、おこりが起きたように震え、コクコクと頷いた。
「使われる快感だけじゃ無く…。奉仕する快感を覚えるんだ…。そうすれば、お前も奴隷として何が必要か、理解できる」
 俺はそう言って、志緒理をベッドに引き上げる。
 支配と服従、その中で行う奉仕の快感。
 時間は、充分に有る。
 明日の朝を迎える頃には、従順なマゾ奴隷が出来ているだろう。

 朝早く、俺は目覚めると、ベッドから起きあがる。
 志緒理は、昨日の夜、俺の上で数え切れない深い絶頂を極め、いまだ昏々と眠っている。
 徹底した快楽と心理誘導で、志緒理は完全に俺に服従した。
 目が覚めれば、俺の従順なマゾ奴隷に生まれ変わった、朝を迎えるだろう。
 俺は、服を着ると、車の鍵を握り、ガレージへ向かう。
 車に乗って都内に向かい、俺は真っ直ぐ自宅の近くに有る、マンションの工事現場に車を滑り込ませる。
 車を降りると、俺は自宅とは反対の方角に歩いて行く。
 あるアパートの前に来ると、角の部屋を見詰める。
 住人の在室を確認して、携帯を取り出して、コールする。

 コール3回目で相手が電話を取った。
「よう。あんた、悪どい事やってるね…?俺、あんたのやってる事の、証拠を握ってるんだけど、会って話出来ないかな…?」
 俺は、変声器を使いぶっきらぼうに、電話の相手に向かって話した。
『てめぇ誰だ…!俺のやってる事の証拠だと…?そんなもの有る訳ねぇだろ…。馬鹿かお前は…』
 村沢は、俺に向かって、怒鳴り返す。
「あんたも馬鹿だね…。証拠がある訳無いって…、悪事を認めてるじゃん…。まあ良いや、金に成らないんだったら、こんな写真持ってても仕方がないし、警察に届けるとするか…。あんただとハッキリ解るんだけどな…?この強姦写真…」
 俺が言った瞬間、村沢の声が変わった。
『ま、待てよ…!強姦写真…な、何の事だ…?俺は知らないぜ…へへへ…」
 相も変わらず、癇に障る笑い方だ。
 それも、今日はいつもの数百倍、俺の頭に血を上らせる。
「近くにマンションの工事現場があるだろ?そこで待ってる。5分以内に来なきゃ、警察に送り届ける…」
 俺はそう言うと、返事も待たずに電話を切った。
 こいつの声を聞いていたら、このまま部屋まで、殴り込みに行きそうだったからだ。
 数分待つと、アパートから村沢が出て来た。
 何処かに電話を掛けている。
 断片的に聞こえる声は、涼子の名前を告げながら、敬語を使っている所を見ると、目上の人間のようだ。
 俺は、踵を返すと路地を抜け、工事現場に戻った。
 このタイミングで、電話を掛けるのは、俺からの電話を報告する以外に考えられない。
 やはり、間違えなかった、こいつが[骨接ぎ男]だ。

 工事現場に着き、車を隠すと直ぐに村沢が現れた。
 俺が、退路を断つ位置に姿を現すと
「お、お前…。入院してるんじゃ、無かったのか…」
 死ぬ程驚きながら、俺に向かって村沢がほざいた。
「良いから…。来いよ…」
 俺は、怒りを押し殺しながら、村沢を誘った。
 村沢は、俺の誘いに乗って、右足にタックルをしてくる。
 俺は、それに合わせて、右膝を飛ばす。
 俺の右膝が形を作り、腰が回転しきる寸前に村沢の鼻頭が膝に触れる。
 村沢は、それをかわすことも出来ず、鼻頭に当たった瞬間捻り込まれた俺の膝に、鼻骨を正面から潰され、吹き飛んだ。
 俺は、この間、この程度のレベルの奴にボコられたのかと思うと、心底自分に腹が立った。

 村沢は、驚いた表情を浮かべ、倒れた姿勢で俺を見詰める。
 顔を鼻血と怒りで真っ赤にし、立ち上がると、今度は柔道の構えを取る。
 俺は、その構えを見て、あからさまに軽蔑し、右手を差し出し腕を取らせた。
 村沢は、馬鹿にされた事で更に怒り、俺を背中に担ぎ、背負い投げを打つ。
 俺は、村沢の投げるタイミングより一瞬早く飛び、村沢の身体の下に、自分の身を滑り込ませ、村沢の力を利用して、背負いを掛けた。
 村沢は、余りの高速回転の背負いのため、受け身すら取れずに、地面に叩き付けられた。
 大量の空気を吐き出して、村沢が苦悶する。
 俺は、ズボンの埃を払い、村沢が起きて来るのを待った。

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