走狗
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■ 第5章 走狗12

 村沢の唇がチアノーゼを起こし、痙攣し始めると薄笑いを浮かべ、喋り出した。
「お前の妹はよう…。俺のチ○ポをいつも…、美味しそうにしゃぶってた…。あの長い舌で、俺のを咥えながら…、ケツの穴を舐めるのが…好きだった…」
 村沢は、途切れ途切れに、香織の凌辱の思い出を語り出す。
「へへっ…オ○ンコに突っ込んで…ケツの穴を穿ると…ヒイヒイよがって、幾らでもオ○ンコ締めてたな…。腰の振りも、半端無かった…相当な好き者だったぜ…。犯せば、犯すほど…懐いて来て、最後は俺のケツに、あの長い舌を…突っ込んで来た…」
 俺には、村沢の言葉が、只の挑発だと分かっている。
「止めろ…。そんな事を言っても、俺はお前をまだ殺さない…」
 静かに村沢に、言った。
「俺の糞が、乗った残飯を…。旨そうに喰った後…、あの舌で、笑いながら…顔を舐めるんだ…口の周りに着いた…糞飯をな…。そうだ、あの野良犬と…SEXしてるのは…見たか?…あれは、俺の発案だ…本物の犬相手でも、何度もイッてたぜ…。本気でな…」
 村沢は、俺の言葉を無視して、話を続ける。
 俺は、村沢の足の付け根に、鉄杭を打ち込む。

 村沢は、悲鳴を上げるも、直ぐに話を繰り返す。
「お前の女房もよ…俺に、可愛がられるのが…大好きだった…。俺のチ○ポにしゃぶり付いて…2時間もフェラした事も有る…。自分のオ○ンコに…手首まで突っ込んで…俺のチ○ポを旨そうに…咥えて、イキまくってた…」
 村沢の言葉は饒舌に成り、止める気配を見せない。
「細い腰で…でっかい、乳とケツを…ブルンブルン、振るんだ…オ○ンコ、キュウキュウに締めてな…ありゃ、相当良いモン持ってたぜ…旦那のお前も、堪らなかったろ…?まぁ、アメリカで…変わり果てた姿は…見てないだろうがな…」
 村沢は、そこまで言うと大声で笑い出した。
 その笑いは、止む事無く、俺の二度の命令も無視した。
 必然、村沢の身体に、2本杭が突き刺さる。
 それでも村沢は、狂ったように笑いを止めない。
 俺は、村沢の股間の付け根、丁度チ○ポの根本に杭を当て、引き金を引いた。
 村沢の睾丸は、杭の頭の部分で両方を同時に潰され、血泡を吐いて絶命した。

 俺は、村沢の死体を放置し、ショックアンカーを放り投げ、1階へ向かう。
 途中でパソコンに目をやり、電源を入れ立ち上げる。
 村沢の言った事を、用途別で検索する。
 [年を取らない薬]。
 有る筈がない、そう思って調べる。
 しかし、俺の予想は完全に外れた。
 有ったのだ。
 厳密に言えば、年を取らないでは無く、老化を遅らせる薬。
 薬品名と効能だけが書かれ、後は一切の情報が記されていない。
 この館にも、置いては居ないようだ。
 俺は、これが、かなりタチの悪い物だと直感した。
 細胞活性剤や、強暗示剤ですら、副作用や注意点を明記している。
 にも関わらず、一切の情報を記さない所に、胡散臭さを感じる。
 俺は、パソコンの電源を落とし、階段に向かう。

 顔を上げ通路の出入り口に目を向けると、そこには晃が立っていた。
「ふっ…。晃…、ここの通路は、鍵を使わないと入れない…?そう言う決まりじゃなかったのか…」
 俺は、晃に向かって、問い掛ける。
 晃は、両手を肩の場所まで持ち上げて、そのまま肩を竦めながら
「もう良いんだって…。ここまでが守秘の範囲だそうよ…。良ちゃんは、一人既に取引してるから、有る程度の情報は、教えて良いらしいわ…」
 バツが悪そうに俺に話す。
「でも…。良ちゃん…、いつから気が付いてた…。私の事…」
 晃は、俺を上目遣いに見ながら、質問してくる。
「気が付いたのは、風呂に入ってきた時…。確信したのは、昨日の酒宴だ…。だが、お前だけが悪いんじゃない…。由木さん…、あんたにも責任があるぜ…」
 俺はそう言って、踵を返してコントロールルームの扉に声を掛ける。

 すると、静かにコントロールルームの扉が開き、中から由木が現れる。
「おや、おや。扉を挟んだ穏形まで、見抜かれましたか。いよいよ、私も引退を考える年に成ったのですかな…」
 由木は、いつものように、穏やかで丁寧な言い回しで、俺に話しかける。
「いや…、今回は当てずっぽうだ…。ただ鍵が無くて、ここに出入りをするなら、それなりの体術で搬送用エレベーターのシャフトを使って、入るしかない。千恵のように小さければ別だがな…。だから、由木さんがそこに居る事が解ったんだ…」
 俺は、ニヤリと笑い、由木に理由を話した。
 コントロールルーム以外、鍵が無いと階段の上下は出来ない仕組みなのは、確認していた。
「いえいえ。それに付かれましても、こうも容易く居場所を知られては、わたしどもの業務に差し支えます…」
 俺は、由木に向かって、人差し指を立て唇の前に置く。
「俺は、知りたくない事まで吹き込まれるのはゴメンだ…。あんた達を見て、あんた達の世界が、俺の常識の通用する世界じゃないと、解っている」
 俺は、村沢を指差して
「必要の無い事を聞いて。あんな風には、成りたく無いからな…」
 自分がしておいたにも係わらず、由木に言った。
「ふふふっ…、御懸命ですな…。では、本題に参りましょう…」
 由木はそう言うと、今回現れた要件を話し出した。
「今回は、取引の査定の話で、参りました」
 由木は、俺に一礼すると、話を続ける。
「わたくしどもの組織では、素体に対して厳密な査定を行い。それに見合った金額を提示します」
 俺は、さっきから由木の言っている、査定の意味が解らず
「由木さん…。査定、査定って何の事だ…」
 俺は、訝しみながら聞いた。
「は?失礼致しました。私どもで買い取らせて頂く、素材代で御座います。基本的に成人だと250万、これは内臓等の売買価格の基本金額で御座います」
 俺は、由木の言葉に、口がポカンと開くのを止める事が出来なかった。
「それと、これはほぼ、女性を対象と致しますが、C〜SSの5段階の評価が御座います。これは、容姿や特技、調教の度合い、改良等により上下します」
 由木は、俺を無視して、話をドンドン進める。
「Cクラスで500万、Bクラスで1000万、Aクラスで2000万、Sクラスで4000万に成りまして、SSクラスは時価に成っております」
 由木は、手を顎に持って行き、何かを考えると
「乙葉様に入れ墨が入っていなければ、恐らくSクラス以上の査定に成ります。査定はナチュラルが、基本なのですが、美加園様のような、著名な方の作品だと、お値段も跳ね上がります」
 そう説明する。

 俺は、由木の説明を聞き終えても、暫く呆気に取られていた。
 確かに美加園は、天才だと解るし、此奴らが常識の外の住人だとも理解したが、それにしても予想以上に理解の外だった。
「それは、…俺が払うのか?」
 俺は、思わず由木に聞いていた。
「いえいえ…。今、ここに居る素材達の所有権は、叶様に御座います。それを、お譲り頂くのですから、当然私達がお支払い致します」
 由木は、姿勢を正し、顔の前に右手を持ってくると、ヒラヒラと振って答える。
 俺は、自分が人身売買のブローカーに、いつの間にかされている事に気が付いた。
「で、こんな話が来るという事は…。今回の関係者を無罪放免に何かは、出来ない訳だ…」
 俺は、嫌な予感に襲われながら、由木に質問をすると
「叶様…。それは…、無理で御座います…。彼ら若しくは、彼女達は、既に死んで居られるのです。戸籍上は…」
 俺の考えたとおりの、説明が帰って来た。
「それに、少なからず、組織の存在を知っている者を、わたくしどもが放置するとお思いですか?」
 由木は俺に付け加える。

 俺は由木の言葉に、この復讐劇自体が大きな罠だったと気付く。
 愕然とする俺に、由木が告げる。
「期限までは、後7日間有ります…。有効に使われる事を、お勧めいたします…。では、私はこの辺で失礼いたします」
 由木は、そう言うとコントロールルームに入り、気配を消して居なく成った。
 俺は、晃の方に向き直ると、歩いて行く。
 晃は、俺が目の前に来ると、イキなり頭を下げる。
「良ちゃんゴメン…。私も言えない事が…」
 俺は、頭を下げた晃の襟首を捉まえ、引き上げて顔を上げさせる。
 晃は、一瞬驚いたが、覚悟を決めたのか、固く目を閉じる。
 俺は、そんな晃の唇に、口吻をする。
 突然の俺の口吻に、晃は目を白黒させる。
「お前が居なけりゃ…。俺は、今ここに立っていない…。感謝こそすれ…、お前が謝る事なんか、一つもない…」
 俺がそう言うと、晃は目を潤ませ始める。
 なんか、面倒くさそうな雰囲気に成って来たから、俺は場所を変える事にした。

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