新・売られた少女
横尾茂明:作

■ 性戯の章1

破瓜の痛みの後に武雄がしてくれた数々の性戯……気の遠くなるほど気持いいこと……体中が栗の葉の青臭さにまみれ、少女は何度もいかされた……。



ドアの開く音で少女は目をさました……。

枕元に立つ人影はおぼろ……同部屋の美智姉さんと思い今何時? と聞いてから……ハッと我に返る。
お手伝いの好子が、「もう7時ですよ! 学校に遅れますから早く支度をして下さい!」と少し怒った口調で言う。

少女は一瞬にして昨夜の全てを思い出した……そして跳ねるように飛び起きたものの全裸に気づき慌ててガウンを羽織り座り込む。

「あらあらお嬢さんたら、旦那様とは裸で寝られるんですね……お仲のよろしいことで……」

好子の卑猥な嫌みが胸をえぐる……。

恥ずかしくて顔が上げられず好子に背を向け立ち上がり……恥ずかしさを隠すように大きく開けられた窓の外を見る……
(あっ……雨だ……)
ガウンの襟を神経質に指先で詰めながらガラスに流れる秋雨のしずくを追う……次第に焦点が曖昧になりガラスの滴は見えなくなった……代わりに自分の影が暗く映り始める。

ガラスに映る自分の顔が別人のように見える……一夜にして淫蕩の限りを擦り込まれた少女……
もうその顔は何も知らない処女の貌ではなかったのかもしれない。

少女は性器の違和感に気付く……まるで丸太を差し込まれたような疼き
(まだ少し痛いナ……)
(あっそうだ……シーツ……)

少女は振り向きざまにベットに寄りシーツを剥がそうと毛布に手を掛ける、すると横から好子が制止し……、「お嬢様がそんなことを……」と言い、少女を押しのけ好子は毛布を大きく捲る。

「まっ……!」
好子は一瞬絶句し少女の顔とシーツを交互に見る……しかしすぐに何事もなかった顔で黙々と作業を進めながら……、「もうこのシーツもダメね」と好子の何気なく言う言葉が殷々と少女の胸に木霊す。

(あぁーもう私ったら……シーツが血だらけなのに……)
顔から火が出るほど羞恥し……切れるほど唇を噛みしめて己の不用意なさに身もだえた。

作業を進める好子は好奇な目で少女をちらちら見ながらシーツに残った血痕と明らかにそれと判るシミを認め……何を想像したのか口元をいやらしく緩める……。

「さーお嬢様、すぐに御食事の用意を致しますから先にシャワーを浴びて来て下さいな……」

好子のこういう場面での慇懃な態度はよけいに少女を苦しめる……。

少女は、「ごめんなさい……」と頭を下げ自分の部屋に向かう……途中涙が溢れた……
(何が悲しいの?)
昨夜決心したはずなのに……少女は自分の心が未だ決然としないことに苛立った。

部屋に戻って気づく……昨日買って貰った洋服と下着の入った紙袋が無い……また学園から持ってきた大きなバックも無い……まさかと思いクローゼットを開けると……もうハンガーに洋服は掛けられ、下着類は引き出しに整然と並べられていた……少女が持ってきたみすぼらしい綿の下着も一緒に並んでいる……
(好子さん……)
少女の胸にさらなる追い打ちをかけるように悔しさがこみ上げる……。

(負けないもん……)

気を取り直し引き出しの下着を一つずつ見ていく……可愛いの素敵なの……それらに混じって何の用を足す下着なのか解らない下着も何枚か有った……。

少女は思いきり大人らしい下着を選んでバスルームに向かう。

熱いシャワーを頭から浴びる……精液臭が湯気と共に蘇り昨夜の痴態が脳裏に去来する。

(あんな恥ずかしいこと……あぁぁ全部見られてしまった)

武雄の醜く硬かったペニスが頭を離れない……口に無理に含まされた事を思い出しながら性器にシャワーを当ててみた……
(あぁぁーなんて気持ちいいの……)
少女は自分の体が一夜にして大人の体になったような錯覚を感じ身震いした。

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