新・売られた少女
横尾茂明:作

■ 陵辱の章3

マンションの部屋に入るなり浅田は少女に武雄の遺留品を出せと少し命令口調で言った。
少女は訝しながらも警察から下げ渡された武雄の鞄を手渡す……。

浅田は浮き浮きした様子で鞄の中の書類を一点ずつ取り出して丹念に見ていく……。

「あーやはりあの土地の登記簿はこの鞄の中だったか……」
「おーっ有った! これだ……貸金庫の書類……」

「……………………」

「くそー……肝心の実印と鍵がねーなー……」

浅田は怒ったように鞄をひっくり返し中身をテーブルにぶちまける……。

「無い……無い! クソー……実印と鍵が無けれゃー……こんなもの全部紙くずだ!」

浅田の目つきがどんどん険悪なものに変貌していく……。

「無い……無い……無い…………」

「…………………………」

そして……ふと気付いたように少女の顔を見……意味ありげに睨み据える。

「お嬢さん……兄貴からなんか預かってませんかねー……」

怒りを抑えた浅田の静かな物言いに少女は震えた……。

「いえ……何も預かってません……」

「……なワケねーだろう!」
「テメーに渡さなきゃー一体誰に渡したって言うんだオーこらー」

浅田は押さえてたものが外れたかの様に急変した……今までの優しげな貌がヤクザ特有の凄みに満ちた貌に……。

「隠してなきゃーテメーの鞄を持ってこいや!」

「あ……浅田さん……どうされたんですか、急にそんな怖い顔して……」

「やかましい! 持って来いつーたら持ってこんかークソガキ!」

「イ……イヤです……あの鞄にはお父さんの実印も鍵も入ってはいませんから……」

少女の鞄には……武雄の死でどたばたして洗ってなかった下着と……家に残していくのが恥ずかしくて……武雄がくれた下着と恥ずかしい大人の玩具も入れてきた……だから他の男には絶対見られたくはなかったのだ……。

「ウルセー! 俺がおとなしく言ってる内にさっさと持ってこんかー!」

今にも飛びかかってくる浅田の剣幕に……少女はオロオロして席を立ち……指を噛んで佇む。
武雄の殴りかかる真似を見て少女は頭を押さえて観念した……。

震える手で鞄を浅田の前に差し出す……浅田は鞄をひっくり返して調べる……少女にとって死にたいくらいの恥ずかしい品々が次から次と取り出されて行く……。

「ケッ! チクショー……やっぱ……ねーかー……」

「それにしても……どうよ……このエロイ玩具の山はよー……」
「あの兄貴がロリコン親父だったとはなー……とんだお笑いぐさだぜ! ケッ」

「おい……テメー早く出せ! 隠してんだろぅ?……オボコイ顔して抜け目のねーガキだ!」
「毎夜兄貴に抱かれてを腑抜けさせ……頂くもんはちゃっかりとしまいこんであるんだろ?」

「そ……そんなこと……ありません……」

「オーそうか……そうなりゃーテメーの体に聞くしかねーわなー」
「おう……この場で着てるもん全部脱げ! ケツの穴からオマ○コの穴までほじくり出して調べてやらー! 殴られてひん剥かれる前にさっさと脱がねーか! くそガキ」

「ゆ……許して下さい……私……持ってません……鍵なんか絶対持ってませんから……」

「脱げったら脱がんか! このガキがー」

浅田は立ち上がって少女の髪を掴み、テーブルの上に曳き据え……頭を数度テーブルに激しく打ち付けた。

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