愛の妙薬
俊輔:作

■ 序章
第2節 息子の妻 葵ちゃん7

第5話 お義父さんの背中

ドアが<コンコン>とノックされました。
私、どっきり、びっくりです。
大慌てです。
何しろ、大きなものを握って、しごいているんです。
そのままドアを開けられたら、私の正面、丸見えです。

でも、私、平気をよそおって『どーしたー、葵ちゃん!』
葵ちゃん、ドアの外から『お義父さ〜ん、葵、背中流してあげよーかなー?』

私、<えっ、葵ちゃんは一平の奥様だぞ、
そんなことをしたら罰があたるぞ、
でも、葵ちゃんの折角の好意だからなー、むげにお断りしちゃいけないかなー、
1回だけ背中を流してもらうんだったら、神様も許してくれるかもしれないなー、
どうも、さっき言ってた(親孝行)って、このことかもしれないな?>
って、思います。

私『はーい、葵ちゃん、ありがとう、よろしくねー、すんませーん!』
立ちんぼうの私、急いで、鏡の前の風呂イスに腰掛けて、
体の前面が葵ちゃんから見えないようにします。

あきちゃん『じゃ、入るわよ〜!』
ドアが開きます。
エプロン姿の葵ちゃんがバスルームに入ってきます。
私の背後に立って、葵ちゃん、鏡を見ます。

鏡には私の体の前面は映っていますが、
下半身はフェイスタオルで隠れています。
でも急峻な隆起を覆っているタオルは、いかにも扇情的です。
タオルはテントのように三角錐になっています。
恥ずかしいほどの盛り上がりです。
なんだか、アルプスのマッターホルンみたいです。
でも、頂上に向かう尾根が、シャープでとっても美しいんです。

私も鏡を見ます。
葵ちゃんの太腿から下だけが映っています。
顔は見えません。
ふっくらとしたふともも、そして短距離選手のような脚、キュッとひきしまった足首がますます私の隆起を加速させます。

私、あわててテントを両手で覆います。
でも、時すでに遅し、です。
葵ちゃんの視界はしっかりと私の大きなテントをとらえたんです。
葵ちゃん『あらら、お義父さんのったら……!』

私、恥ずかしくって顔が真っ赤になります。
葵ちゃん、何事もなかったかのように
『じゃ、お義父さん、背中をお流しますね』と言って、私の背後で中腰になります。

葵ちゃんの可愛いお顔が鏡に映ります。
川村ゆきえさんのそっくりさん、怪しい妖精の笑顔です。
鏡の中で私と視線が合います。
葵ちゃん、幸せそうな表情でニッコリと微笑みます。
私のマッターホルンを見て、すごくご満悦のようです。

私、冷静さを装おって『葵ちゃん、中腰じゃたいへんだから、
そこにある風呂椅子に腰掛けた方がいいね』
葵ちゃん『そうね!』と言って、もう1つの風呂椅子に座ります。

葵ちゃん『じゃ、シャワーするわね〜!』と言ってシャワーを私の肩にかけます。
葵ちゃんのシャワー、とっても乱暴です。
バシャバシャです。しぶきが飛び散ります。
たまらず、私『葵ちゃん、それじゃ新品のエプロンがびしょびしょになっちゃうよ』

葵ちゃん『そうね!』
私、いかにも中途半端に言ったことに後悔します。
私、<もっと優しくシャワーしないとエプロンが濡れちゃうよ!>
って言うつもりだったんです。

葵ちゃん、嬉しそうにして
『じゃ、葵、エプロン脱いでくるわね!』
私<そんなつもりじゃないんだがな〜!>と思うんですが、スムーズに言葉が出てきません。
行動のきびきびした葵ちゃん、あっという間に脱衣場に消えます。

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