愛の妙薬
俊輔:作

■ 第2章 山田総合内科のあやめさん
第1節 お薬の追加処方19

何よりも、親に言われてしぶしぶやっているのでなく、自発的にやっている為か、急速に腕が上がりました。
僕の得意なのは、バッハとフランス音楽です。
フランス音楽の中でも、ラベルとドビュッシーがとても上手になりました。

でも、僕のお家でピアノを弾くときは、弱音器をつけなければいけません。
ご近所が近かったんです。
それが、嬉しいことに、中学に上がったら、音楽教室にピアノが一台、その両隣のお部屋にそれぞれ一台、合計三台のピアノがありました。

そのピアノ、空いていれば、生徒は、いつでも弾けるんです。
音が外に漏れない立派な遮音構造になっていましたので、隣の部屋のピアノに迷惑をかけることなく、思う存分、弾くことができました。

でも、廊下には微かに音が聴こえるようになっていました。
誰かがピアノを惹いている、ということがわかるようにしていたようです。

ある日、放課後、僕は、ドビュッシーの『水の戯れ』を練習していました。
五分位の短い曲です。

二度、練習した後、ドアがノックされました、

僕、ピアノ椅子から立ち上がって、ドアを開けました。
三年の音楽担当の男先生と北川先生が異口同音に【すご〜い、山中君、とってもうまい、うまい】と言って、ピアノ室に入ってきました。

北川先生【お願い、山中君、もう一度弾いてみて】
僕【恥ずかしいです〜、だって、僕、独学なんてす。】
北川先生【なんだか、とってもサンソンフランソワの演奏を聴いてるようだわ】
僕【嬉しいです。そうてす。僕のお家にあるLPレコードの<水の戯れ>って、サンソンフランソワなんてす。】

北川先生【ね、お願い、もう一度弾いてみて】
僕【はい、わかりました、北川先生】
第一小節を弾いた途端に、先生がにっこりほほえみました。
先生<すご〜い>という表情です。
勇気づけられて、指が滑らかに動きます。

朝日に斜めに照らされた、川の源流の水のささやきです。
僕、譜面を見ながら、時々、先生のお顔を見ます。
<上手に弾けてますか?>という表情です。
北川先生、その度に、にっこりほほえんでくれます。

誉められた子供が、元気いっぱいになるように、僕の十本の指が滑るように鍵盤を踊ります。
五分が終わりました。

男先生【こりぁ、すごいわ、僕よりも全然上手いな〜、秋の文化祭のブログラムに山中君の演奏を入れたいな〜、北川先生、是非、検討してみてください】
北川先生、大拍手です。
男先生【じゃ、私は今から職員会議ですので、これで失礼します】
と言って、教室を離れました。

男先生は、北川先生のフィアンセで、35歳だそうです。
北川先生と同じ、上野の桐京芸術大学の卒業生です。

北川先生【山中君、今度の土曜日、空いてるかしら?
私のアパートで、山中君のピアノを聴かせてくれないかな〜?】
僕【はい、先生、大丈夫です。
その日は、朝早く父母が旅行に出かけますので、僕、1日中暇です。
両親が9時に出かけるので、先生のお家に10時におじゃましていいでしょうか?』

北川先生【よかった、山中君、じゃ、今度の土曜日、10時ね、山中君、何が好きかなー?紅茶?コーヒー?ケーキ?】
僕【恥ずかしいですけど、僕、ガリガリのアイスキャンデーが大好きです。
ミルクキャンデーなら、3本も食べてしまいます】
北川先生【可愛いのね、山中君って、お安い御用よ、じゃ、楽しみにして、待ってるわね、】

その日、僕は、楽譜を二つ持って家を出ました。
ラベルの<水の戯れ>とドビュッシーの<子供の領分>です。
どちらも、先生のお気に入りの作品です。

その日、家を出る前から僕は、先生のアパートで何かが起こりそうな気がしていました。
その日の三日前の先生の眼差しがあまりにも妖艶だったからです。
僕は家を出る前にシャワーを浴びる事にしました。
両親が出かけていたのは、ラッキーでした。

僕は、ボディシャンプーをたっぷりつけて、丁寧に全身を洗いました。
普段、ちゃんと洗った事がない足の指と指の間も、足の裏も、丁寧に洗いました。
先生のアパートで何が起こってもいいように準備したんです。

洗いながら、先生の美しい笑顔を想っていたら、あそこが、見事に隆起してしまいました。
中学二年の僕は、小学校五年生の時より、更に3cm大きく成長して、裏から測ると19cmになっていました。
直径もカリクビの具合も、春画ほどではないにしても、見事に成長していました。

僕、夏休み明けの学力テストで、附属中学の二年生のトップだったんです。
でも、僕は、先生のアパートでおこるかもしれない未知の事を想像するのを、ちっとも悪いことだと想っていませんでした。
先生はあまりに清廉で美し過ぎるんです。

コチンコチンになった隆起は、包皮も全然ないのでとても洗いやすく、ふぐりも、お尻の穴も丁寧に洗いました。
とてもゆるゆるのパンツをはきました。
その方が、パンツをはいていない感じに近いんです。

真っ白いジーンズのズボンをはきました。
とても清潔感があるのですが、あの部分がとてもタイトなので、あそこが隆起すると、誰が見てもすぐにわかります。
大きくなった時、先生に気がついてほしいと思ったのです。

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