愛の妙薬
俊輔:作

■ 第2章 山田総合内科のあやめさん
第2節 サグラダファミリア1

第1話 パラダイスに入城

ホテル「パラダイス」のちょっと手前にクリーニング屋さんがあります。
あやめさん『ちょっと待っててね、山中さん!私、洗濯物をとってくるわ!』

私『洗濯物、お家にもって帰るんですか?』
あやめさん『ちがうわ、山中さんのお望みをかなえてあげたいの!』
私『んんん?』
あやめさん『さっき、焼肉屋さんで、山中さん言ったでしょ、<一度、ナーススタイルの看護婦さんを抱いてみたいな>、って』

私『そうなんだ!』
あやめさん『このクリーニング屋さんから、白衣をとってくるわね!』

あやめさん、クリーニング屋さんに入ります。
2分後、あやめさん、ナース服の入った袋を持って出てきます。

あやめさんと私、ホテル「パラダイス」の前にほどなく着きました。
驚きました。
バルセロナにあるアントニ・ガウディの傑作「サグラダファミリア」の外観と全く同じです。
「サクラダファミリア」は、ガウディが1883年から建築を開始して、今でも建築中の未完の教会です。
ホテル「パラダイス」の高さは20mはあります。
ホテル料金10万円、すごく納得できます。

あやめさんと私、無人のエントランスに入り、長い廊下(コリドー)を通って特別室に向かいます。
この特別室って、1階にあるんです。
普通、特別室って、最上階にあるんですが、このホテル「パラダイス」の特別室って、1階にあるんです。
その謎は、あとで解けます。

美しく長いコリドーの左右の重厚なスピーカーからファリャのバレー音楽「三角帽子」が、かすかに聞こえてきます。
スペインの作曲家、ファリャの作品はこのガウディの建築にぴったりです。

超豪華ルーム、101号室の扉を開きます。
ファリャの音楽が「スペインの庭の夜」に変わります。
うっすらとジャスミンの香りがします。

壁に、お部屋を案内する美しいパネルがあります。
巨大なリビング、和風寝室が2つ、洋風寝室が2つ、浴室が5つある、という表示です。
浴室の案内によると、5つの浴室は、<精液の湯>、<女液の湯>、<ボディーソープの湯>、<ジェリーの湯>、<普通の湯>の5つのようです。
<愛し合う前に、バスにお湯を注いでください。>と書いてあります。

私『お風呂が満たされるまでに、時間がかかるのかな?』
あやめさん『そうかもしれないわね、特にジェリーの湯なんか、時間がかかりそうね!』

精液の湯に行ってみると、ドアに『この右側のスイッチを押してください』と書かれた小さなパネルがあります。
スイッチを押してみます。

美しいバリトンの自動音声『精液の湯にようこそ、このお風呂には男性の新鮮な精液が0.2%含まれています。
安全日の女性は、膣口を指で大きく開いて、体中の皮膚から精液を吸収してください。
ベッドでの快楽が深まる効果があります。
但し、この精液はとても新鮮なので、危険日の女性は入らないでください。
妊娠する可能性があります。
それから、入る前のお湯はとても新鮮ですから、備え付けのコップで飲むこともできます。女性にお勧めです。
それでは精液のお湯をたっぷりとお楽しみください。』

中に入って、シャワー栓を開きます。
わりかし勢いよくお湯が出てきます。
あやめさん『やっぱしちょっと白いわね、私、飲んでみようかしら?』
私『うん、試してごらん、私もあとで、「女液の湯」を試してみるね!』
あやめさん『あとで、山中さんの濃度100%のものを飲む前哨戦ね!』

あやめさん、シャワー栓にコップをあてがって、コップ1/4ほどのお湯を飲んでみます。
あやめさん『わー、おいしくないわー!
でも、何だか、体が火照るような気がするわ!』

私達、女液の湯の扉に手をかけます。
アルトの自動音声『女液の湯にようこそ、このお風呂には女性の新鮮な粘液が2%含まれています。
男性も女性も、体中の皮膚から女液を吸収してください。
皮膚がみずみずしくなりますし、ベッドでの快楽が深まる効果があります。
入る前のお湯は新鮮ですから、備え付けのコップで飲むこともできます。特に男性にお勧めです。
それでは女液のお湯をたっぷりとお楽しみください。』

私、コップ1/4ほどのお湯を飲んでみます。
私『わりかし、おいしいよ!
何だか、体が火照るような気がするね!』

今度は、<ボディーソープの湯>です。
自動音声『ボディーソープの湯にようこそ、このお風呂はごく普通のボディーソープが5%入っているお風呂です。
お二人のお体を隅々まで清潔にしてくれます。
女性は膣口を開いて、包皮のある男性は、包皮をめくってご入浴ください。
このお風呂に入ったからといって、最初に入った精液の湯、女液の湯の効能が失われることはありません。
それではボディーソープのお湯をお楽しみください。』

今度は、<ジェリーの湯>です。
自動音声『ジェリーの湯にようこそ、このお風呂はジェリーが3%入っているお風呂です。
お二人の体中をヌメヌメにしてくれます。
このお風呂を出て、すぐにベッドルームに行って愛しあって頂いてもオッケーです。
ベッドには、シーツが4枚敷かれてありますから、上のシーツが濡れてもシーツを2枚はいで、再び愛し合っていただけます。
それではジェリーのお湯をお楽しみください。
なお、ベッドサイドには100%のジェリーが3リットル用意してありますから、それもお楽しみください』

私『驚いたなー、こんな膨大な精液や、女液、どんなふうにして毎日集めるんだろー?
精液の湯も、女液の湯も浴槽のサイズは小さいけど、それでも50cmx50cmx50cmだよね、これって、125リットルだよ、高さ40cmまで注いだとして、100リットル、これに0.2%を掛けると、0.2リットル、つまり200ccだよ。
一人が一度に放出する精液の量が3ccだとして、70人の新鮮な精液が毎日必要なんだよねー!
女液の湯は濃度が2%だから、2リットルの女液が必要なんだ!』

あやめさん『今、私たちが今いるホテル<パラダイス>って、ホテルパラダイスチェーンの総本山なのよ。
50軒のチェーンホテルを持っているわ、それぞれのホテルは3交代制なのね、1つのホテルで働く従業員は、男性従業員が5人×3交代=15人、女性従業員が15人×3交代=45人、つまり、チェーン全体では、3交代で、男性従業員が合計750人、女性従業員が合計2250人も働いているのよね。』

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