愛の妙薬
俊輔:作

■ 第2章のコーダ、第3章のプロローグ1

あやめさん『私、山中さんとのセックス、やみつきになりそうだわ〜、だって、こんなに深く感じたの。私、初めてなの!
山中さんと毎週、お会いしたいな〜』

私『ありがとう。あやめさん、私もとっても深く感じました。
私もやみつきになりそうです。
でも、お会いするのは、我慢して、お薬をもらいに来院する時に限って、ということにしましょう?』
あやめさん『うーん、って事は、半年に一度なのね〜、待ち遠しいな、でも、あやめも辛抱しようかな、でもね、山中さん、来週、もう一度、お会いしてくれるなら、その後は半年我慢するわ』

私『あやめさん、再来週ならオッケーですよ』
あやめさん『山中さん、来週はご都合が悪いのかしら?』
私『実は私、来週、盛岡に出張するんです。
火曜日から金曜日まで三泊して、金曜日のブルートレインで帰ってきます、

岩手大学で春の学会があるんですが、それに出席する予定になってるんです』

あやめさん『そっか〜、山中さん、盛岡に三泊するんだ、それで、山中さん、ホテルはもう予約したのかしら?』
私『はい、盛岡ヒルトンホテルを予約しています。』

あやめさん『もしもよかったら、私のお友達が女将をやってる旅館にお泊まりいただけないかしら?
鏡旅館っていう老舗旅館です。』
私『あやめさんのお友達が老舗旅館の女将さんなんだ〜、喜んで泊めさせていただきます。
盛岡ヒルトンホテルの方はキャンセルしますから大丈夫です。』

あやめさん『よかった〜、嬉しいな〜、かすみ、きっと大喜びするわ〜!』
私『その女将さん。かすみさんっていうんですね、どんなかたですか?』
あやめさん『かすみは、24才なの、HHKの朝ドラで<どんど晴れ>ってのがあったの、山中さん、覚えてます?』

私『覚えてますよ、沖縄出身の比嘉愛未さんが主演した大人気の朝ドラですよね、大きな桜の木と、その背景の岩手山の美しさに、とっても感動しました』
あやめさん『それなら話が早いわ〜、かすみって、その女主人公にそっくりなの、清楚でとってもきれいなの、もうちょっと正確にいうと、比嘉さんをエキゾチックにした感じかな?
スエーデンの血がまじった比嘉さんって、感じなの、それはそれは、驚くほど可愛くってきれいよ!』

私『でも、24歳で女将って、どうして?』
あやめさん『彼女、去年の春、お母様を亡くしたの、54歳だったのよ、草笛美律子さんにそっくりのお母様だったわ、お母様って未亡人だったのよ。
それで、かすみ、23歳で女将になったの、大学を卒業して、光井物産に勤めてたんだけど、お母様がおなくなりになったので、従業員全員に請われて、急遽、盛岡に帰って、女将になったのよ。』

私『っていう事は、彼女、まだ独身なのかな?』
あやめさん『それが、ちがうの〜、彼女、未亡人なのよ。
盛岡に帰って1ヶ月後に、彼女、結婚したのよ、相手は光井物産時代の恋人。

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