許して悪魔様
非現実:作

■ 命を大事にね3

いつの間に現れたのだろうか。
その人は……人?。
あぁ……これは所謂コスプレの一種なのだろう。

「ぇえっと……健太のお友達です……か?」
「フン、お友達と来たか」
「ぁぁ、えっと……凄いで…す……ね。
ああっと、あの私は…アレ?!」

そう、そう言えば身体が動かないのだった。
あまりのインパクトで腕が痛いことも忘れていた。
窮屈すぎる格好は腕が万歳のままである事を理解して、私は見上げて声を上げていた。

「ぁ…と、えぇえーーーっ……な、何コレ?」
「余り賢い娘ではなさそうだな、自分が何されているかも解らんか?」
「いや、いやいやいゃ……それは解るけど……状況が輪から……まっ!!。
まま、ま…まままさかっアンタ強盗っ!!。」
「ゴウトウ……何だソレは?」

大柄なコスプレ男が首を傾げて聞いてきた。

「あの強い光は何かの兵器で、私を縛って……お金を盗む気でしょっ!?。
って……っていうか、私をまさか……!!。」
「クックック、ようやく話が噛み合ってきたようだな」

全身から汗が吹き出た。
(コイツ……変態だ……変なコスプレしながら私を犯す気だ……)
Hは好きだが、こんな変態染みたのは絶対に簡便だ。

「わ、私が……な、何をしたって…い、いう…のです……か?」
「罰を与える為に私がお前を召喚したのだ」
「……罰って」
「身に覚えがあるであろう?」

…… ……全く持って思い当たらない。
(っていうか火!)

「あ……あの、せめてアノ火だけは何とかしてもらえませんかっ!。
火事になったら、それこそマジでヤバイです!。」
「……召喚された罪人如きが私の部屋を火事呼ばわりか?」
「いや、もうアノっ、火事に…… ……え?」

周囲に目をやるとそこは……。
(健太ん部屋じゃってか、ココ何処?)
ごっつい荒削りな石で積み立てられた部屋で、そう言うなれば……。

「地下室?」
「そうだ、ここは私の城の地下牢だ」
「城? 地下牢? ……は?」
「そして、お前が罰を与えられる場所だ」
(変態コスプレ男に誘拐され、天井から両手をつるされているのが今の私……?)

身が危険だという事は重々理解したが、いつどこで私は誘拐されたのだろうか……いくら思い出しても出てこない。

「あ……あの……手を解いて」
「初めての罰儀式だからそれは出来ぬそうだんであるわ」
「わ、私はっ……私を……帰して!!」
「罰儀式が終わったら元の世界に帰してやる」
「も…ぅっ、なっ……何訳解んない事っを、真面目に聞いてくださいっ!」

この変態は心底頭がイカレているのだろう。
言葉遣いや口にする言語がおかしい。
健太の友達とはいえ、こんな形での身の貞操は断固守るしかないのだ。

「くだらない服とか着てないで、さっさと正体見せろ、こンの馬鹿オタクヤロー!」
「私の服が下らないだと?」

覆面の効果なのだろうか、黄色い瞳が私を捉えた。
……変態オタク野郎……そう思うと何だかちょっと勇気が沸いてきた。

「そ、そうよっ、緑色のボディースーツなんか着込んでキモイんだよっ!。
どうせガリガリの癖にスーツは筋肉ムキムキでさぁーっ!。」
「…… ……小娘、これが肌だと解らんのか?」
「……バッカじゃないの?」
「貴様の方がオカシナ格好をしてるではないか」

うちの制服は結構可愛いと有名で、制服が着たいからという理由で入ってくる子もいるのだ。
女子高生の制服がおかしいとか意味が不明だ。

「はぁ?、制服だってのも解らないの?」
「征服とは随分でかく出たな、小娘」
「普通ジャン、手言うかアンタのその小汚い服さっさと脱ぎなさいよ」
「ふぅむ……肉体だというておるのに解らん小娘め。
……いいだろう、肉体だという事を証明してやろう。」
「ぇ……ぇぇ……なっぁ、何っ……よ、よらっぁ!」

ゆっくりと近寄ってきた、緑色のボディースーツの変態男に頭を掴まれた。

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