悠里の孤独
横尾茂明:作

■ 刻まれた快感7

 昨日ようやく祥一と一つに繋がる事が出来た、それは夏休みが始まる前から静恵が夢見ていたこと…。

幼いころより父母は忙しく自分にかまってくれる機会など殆ど無かった、その寂しさを優しい兄が癒やしてくれた、だから何処に行くにも兄の後を追った、兄に置いて行かれることは恐怖すら覚えたから…。

だがそんな兄が友達と遊んでいるときは置き去りにされていた、だからいつも遊び場の隅で兄が振り返ってくれるのを辛抱強く待っていた。
(そう…ずうっと待ってたんだ、私だけに関心を持ってくれる兄を)

兄が中学3年、私が小学4年の時まで一緒にお風呂に入ってた、湯船で兄は私を後ろから優しく抱いてくれた、その時だけ兄は私だけのもの。
兄は私の体の隅々まで洗ってくれた、特に性器を洗ってくれるときは真剣な顔で…兄が私の性器に関心を持っていることは分かった、だから私も兄の性器に興味を持ち 洗いっこして戯れた。

だけどある日、母が「お兄ちゃんはいま高校受験で大変なときなの、静恵はもう大きいから自分でお風呂に入れるでしょ、もうお兄ちゃんに甘えちゃ駄目、それからお兄ちゃんの部屋にも行っちゃだめ、お兄ちゃん気が散るといけないからね」と言った。

兄が妹を可愛がる光景はほほえましい…だが母からすれば思春期の兄が妹を可愛がる光景は微笑ましいだけでは済まされない、中学3年ともなれば性に目覚めて当然の歳、幼い妹であろうとも性の対象となる危険性は否めない、母はそれを危惧したのだろう。

その日から静恵は母の眼差しを常に意識した、監視されている…そう感じたからだ、だから自分から兄を取り上げた母が嫌いになった。
だが静恵が中学に上がったころ、新たに開発した清酒の新銘柄が旨いと評判が立ち全国で飛ぶように売れ始め、手が足らぬと母も瓶詰め場にかりだされるようになった、静恵はこれを幸いとして母の目を盗んでは兄の部屋に訪れ、勉強を口実に兄の膝上に再び乗ることが出来た。

兄の膝の上に座り、兄の吐息をうなじに感じるときが至福のときだった、それは「いま兄は自分のもの」そう思えたからだ。
だが…欲は限りないもの、すぐに膝上だけでは満足できず母から兄を取り戻したいと思うようになってきた、そう 自分だけの「男」にしたいと。

考えたのは自分の体を武器にすること、学校中の男子らは自分の体に関心を示しブルマや水着を着たときなどは羨望の眼差しで見つめてきた、ならば兄に裸を見せれば関心を示すはず、子供のころ兄は私の性器に触りおチンチンを固くした、今ならその性器もSEX出来るほどに熟れオッパイも もう大人のもの、絶対兄は関心を示すはず、兄を虜にしてみせる…夏休み中に自分だけの「男」にしてみせると決意したのだ。


 午後1時、食事を終えた父母らが酒蔵に行ったのを見計らい静恵は急いでシャワーを浴び、裸の上に兄が好きな真っ赤なボタン合せのワンピを羽織った。
部屋を出るとき姿見を見る、乳房の谷間が露わにお臍と陰毛が見え隠れしている(ちょっと刺激的すぎるかな…)そう思い合わせボタンを閉じた、そして教科書とノートを持つのは忘れなかった。

兄は私が持つ教科書とノート見ると「何だ今日は勉強しに来たんだ」ってからかうから「お母さんが急に戻ってきたとき宿題やってたって言うためよ」って嘯いたの。

「じゃぁ…お前のマンジョコに俺のチョンボコが刺さっていてもそう言えるのか?」
マンジョコなんて…恥ずかしい言葉、聞いたら心がHになっちゃうよ、お兄ちゃんのいじわる まだオマ○コって言われた方がいい。

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