悠里の孤独
横尾茂明:作

■ 少女の孤独9

期待した通り少女の性器は男の期待を裏切らなかった、その細い腹部から腰に至る線は甘くとろけるようで、そけい部から恥丘にかけての膨らみは垂涎の美白に輝き、そして深く織り込まれた魅惑の陰裂は幼子のようにウブく膨らみ、その上辺には淡く柔らかな陰毛が萌えていた。

その刹那、医院長は先ほどと同様にその初々しい陰裂に顔をうずめたいとの衝動に駆られた、しかしそれは想いの中だけだ、やるせないその造形を網膜に焼き付け視線は真っ白な太モモへと無理矢理に転じる、やはり陰裂左右の太モモ部には青い変色が認められた。

「ここは痛いですか」そう言うと医師は変色した部位の中心付近を中指で軽く押した。
そのとき意識してやったわけではないが、親指が一瞬少女の大陰唇を押し開き、猫の舌のような淡い小陰唇が剥き出た。

「あっ、痛い!」

「やはりここを打ったんだ」医院長はそう言いながらピッタリと合わさった少女の内モモに手を挿入し、親指で青あざの周辺を押しながら「骨にまで影響は無いと思うが…この脚 痛み無く曲がるか試してみよう」そう言うと内モモに挿入していた手を引き抜いた。
そのとき手が少女の大陰唇を歪ませスリットが僅かに開いた、医院長の視線は否が応でも少女のそのウブい陰唇に釘付けになってしまう。

普通、大陰唇は黒ずみがあって当然、或いは鳥肌の如く粟立っているものと医院長はこれまでの経験から認知していた、しかしこの少女は違った、少女の大陰唇は内モモと同じ色合いに美白で艶さえ呈しているのだ。

(やはり…尻と同様に奇跡の性器なんだ…)

「先生、脚を曲げるって…このまま左足を曲げればいいのですか?」

「そう、直角になるぐらいにね」

少女はうなずくと体と直角になるよう左足を持ち上げた、やはり狙い通り少女の膣付近の陰唇は歪み、その狭間に薄桃色の粘膜が現れる。
そのヌメル粘膜の色は医院長の脳を焼いた…(あぁもっと見たい、奇跡の中身が見たい)そう思うも少女の怪訝顔が視線に入り狼狽えた。

「やはり骨には異常は無いようだ、青あざも湿布するほどでもないし明日になれば痛みは消えてるはず安心なさい、さっもう診察は済みましたから服を着て下さい」そう言うと さも惜しそうにもう一度性器まじまじと見つめ、後ろ髪引かれるように机に向かって歩きだした。

悠里は意外と簡単に診察が終わったことにキョトンとするも、医院長に背を向けると慌ててショーツとスカートを履いた、そしてベッドから降りると靴を履き 再び医院長の前に置かれた椅子に座った。

医院長はカルテと診断書を書いていた、しかし今しがた見た少女の尻や性器の桃色がかった虚像がいつまでも脳裏を巡り…わずか数行書くのにも苦労した。

カルテを書き終えると、さてどうしたものかと思案し始める。
これより警察に行って事故証明をもらう、幸い怪我はスリ傷程度だから…たぶん当事者同士で示談せよと言うだろう。

出会い頭の事故の場合、過失割合は車側が断然高いはず、しかし弁護士に相談するほどの保証額にはならないと思えた。
車の修理代は自分が持ち、少女の親御さんへは少額の慰謝料で納得して貰えるだろう、あとは少女に自転車を買い与えればケリは付く。

だがそれでよいのか…と医院長は自問した、これほどの女にこの先もう二度と巡り会うことはないだろう、せっかくのチャンスというに、お前ほんとうに欲しくは無いのかと。
それは子供のころ欲しくて堪らぬオモチャが目の前にあるのに「そんな玩具いくつも持ってるでしょ」と母に言われ手を引かれたようなやりきれなさ。

「でもこのオモチャは他とは違うんだ!」そんな想いで医院長は少女の方を振り返った。
(あぁこれほど美しい女…簡単にあきらめられるものか)と心が吐露していた。

逡巡に暫し見とれ、少女の怪訝な顔つきで医院長は我に返った。
「さて悠里さん、どうしようか…こうして診断書もできたことだし、これから二人で交番に届けに行こう、でも事故直後は動転しちゃって現場を保全せず病院に走っちゃったから警察官は今さら届けられても責任持てぬと言うだろうね。

でも事故証明だけでも貰わなくちゃ、自転車も車も保険は下りないからね…悠里さん君の気の済むようにしたいんだけど、どうしたらいいでしょう」

だが悠里はどうしたらいいと言われても返す言葉がなかった、以前 交差点の出会い頭事故の場合、過失割合は自転車と車では2:8と聞いたことがある、しかし今回の事故は自転車走行を禁じられている商店街を上の空で疾走し、止まってる車に勝手に衝突、これはどう考えても自転車側の過失度合いは良くて3:7 悪くて5:5。

もし3:7であっても車の修理費の何割かを負担しなければならない、そう思ったとき悠里は血の気が引いた。
(高級外車の修理代って一体いくらするの…もし何十万も請求されたら、月々の生活費に窮してるお姉ちゃんにそんな弁償なんてできないよぉ)

医院長は少女が急に押し黙り、俯いたのを怪訝に思った。
「悠里さん、どうしました…どこか痛いの?」

「うんん…先生どうしても警察に行かなくっちゃダメですか?」

「君が行きたくないと言っても…親御さんがどう言うか」

「私…お姉ちゃんと二人だけなんです」

「そう…だったらお姉さんに相談しなくちゃ、今から電話なさい、私も相談したいことがありますから」

「でもお姉ちゃん今仕事中だから電話には…」

「こんなに夜遅くまで働いてるんだ…それは困ったね、どうしようか」

「……………」
少女は相変わらず俯いたままだ、何か複雑な事情でもあるのかと医院長は思った。

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