悠里の孤独
横尾茂明:作

■ 逡巡1

翌日、中学の卒業式を終えた悠里は在校生に見送られ校門に向かって歩きだした、校門付近には人だかりができ多くの父兄らが校門を出てくる我が子を笑顔で待っている、だがその中に悠理を迎える人はいない…悠理はその人垣をくぐり抜け うつむき加減に歩き出した。

昨夜は病院裏の医院長先生の家に泊まり朝そこから登校した、病院からだと学校はほんの僅かな距離 そのため徒歩で登校したのだが、このまま先生の家に戻るかそれとも自宅に帰るかで迷っていた、迷いの原因は先生の家の家政婦さんにあった。

朝…悠理は雅人の腕の中で目覚めた、目を開けたとき眼前の逞しい胸に驚き一瞬顔をのけ反らせたが、雅人と気付きこの家に泊まったことを思い出した。
だが微睡みの中…逞しい雅人の腕の暖かさに安心したのか再び眠りに落ちていった。

「悠里君起きて!今日は卒業式だろ」再び目覚めた時は雅人の腕の中だった、目を開けると自分を見つめるあの優しげな眼差しがあった。
「えっ、いま何時ですか」と驚きながら半身を起こした、そのとき全裸だったことに気付き慌ててシーツで胸を覆った。

「7時半だけど…間に合う?」

「7時半…あっそうだ、卒業式は9時だから慌てなくてもよかったんだ」
悠理は慌てたことに恥じいり、また昨夜の秘め事を思い出し顔が熱くなるのを感じシーツで顔を覆った、すると雅人は布団に潜り悠理の股間に顔を埋めてきた。

「あっ、いやん…」と悠理は身をよじり雅人から逃れるようにベッドから下りた。
すると雅人は「なんだもう起きちゃうの、寝起きにもう一発したかったのにぃ…」と残念そうに悠理を見つめる。

「もぅ…1発だなんて先生のH、昨夜は3回もしたくせに、ここ洗ってないからダメェ」

「じゃぁシャワー浴びてもう一回、ねっ」言うと雅人はベッドから下り全裸の悠理を軽々と抱き上げた。

「せ、先生…裸で行くの」と悠理は足をジタバタさせる。

「バスルームはすぐそこだからこのまま行こうよ」雅人は笑いながらドアを開けた。
そのとき廊下をこちらに向かって歩いてくる家政婦に遭遇、雅人は慌てて部屋へと引っ込んだ。

「やばい!もう来てたんだ」悠理を床に下ろすと「見られちゃったね」と悪戯っぽく言う。
だが悠理にしたら全裸姿を家人に見られたと思い顔から火が出るほど羞恥に暮れ「もぅ先生がいけないんだからぁ」と抗議の眼差しで雅人を見返した。

その後家政婦が去ったのを見届け二人忍び足でバスルームに行き、ふざけ合って互いの体を洗いっこして楽しんだ、だが雅人のペニスが腹に着くほど反り上がっているのを見つけた悠理は…誘われるようにその逞しいペニスを摘まみ口一杯に頬張った。

だがその頬張り方にはわざと拙劣さを見せた、伯父に淫らに仕込まれた口淫技巧など絶対見せられない、案の定その辿々しいフェラチオに満足できない雅人は、悠里の口からペニスを抜くと「もう我慢できない、悠理四つん這いになって」と後背位の姿勢をとらせ、尻側からペニスを刺し込んできた。

昨夜は狂ったように3回も射精した雅人、そのせいか今朝は余裕を見せ、いろいろな体位に挑戦し悠理が軽い絶頂を迎えたとき、雅人の熱い射精を子宮に感じ さらに深い絶頂を味わった、悠理はその絶頂感にたまらず(先生…毎日したいよぉ)と本音で甘え、逞しい筋肉にしがみついていた。

「悠理、すごくよかったよ、フフッでも腰がふらついているけどね、昨夜も今も我慢できず中に出してしまったけど…妊娠が心配だね」

「生理終わったばかりだから大丈夫…でもそれって先生の専門でしょ」

「産婦人科は専門外だよ、でも妊娠したらそれはそれで嬉しい、以前から子供が欲しいと思っていたからね、さぁ朝御飯にしようよ」

二人は寝室に戻ると服を着た「僕は髭を剃るから悠里君は先にダイニングに行ってて、家政婦さんが朝食を整えてるはずだから」そう言われ悠理はダイニングルームに向かった。

だがダイニングテーブルに着き、キッチンで洗い物をしている家政婦に「お早う御座います」と挨拶したが無視され、代わりに憎悪の眼差しで睨み付けられ「図々しい子、若い娘がふしだらな…親の顔が見てみたい」と独り言のように呟いた。

悠理は恥じ入り部屋を飛び出したい衝動に駆られたが…家政婦が言うことも納得でき唇を噛みしめて我慢した、そのとき遅れて雅人がリビングに入ってきた「悠里君、朝食済ませたら車で送るよ」と言ったが悠理の塞ぎ込む様子を見て「どうかしたの」と聞いてきた。

「ううん何でも…」そう言い、精一杯の笑顔を作って「ここからだと学校は近いから歩いて行きます」と家政婦が乱暴に置いた味噌汁に恐る恐る口を付けた、そのときキッチンから射るような憎悪の視線をひしひしと感じていた。


 校門を出たところで暫し立ち止まり思案していたが再び歩き出す(やっぱりアパートに帰ろう、でも家政婦さんあの時ふしだらな娘と言ったが、中学生と知ったらもっと怒っただろうな、あぁもぅ先生の家には行けないよぉ)だが家政婦さんの気持ちも理解でき情けない思いで涙が零れた。

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