悠里の孤独
横尾茂明:作

■ 逡巡4

アパートに着くと留守電をチェックした、だがまだ伯父さんからの電話はないようだ、悠理は服を脱いでハンガーに掛け普段着に着替えた。

(今日は化粧して大人びたファッションで身を包んだら行き交う人たちは皆振り返ってくれた、やっぱり私って綺麗なんだ…それでも先生は帰っちゃった、先生もあんなに綺麗と褒めてたくせに、伯父さんから電話が掛かるまでここに居て欲しかったな…でもマンションを買ってくれたから許しちゃう。)

きょうは何度も雅人に見つめられたためか恥ずかしながら悠理の性器は潤んでいた、また先程来より腰奥が浮くような淡い性感に戸惑ってもいた。
(先生帰っちゃった、はぁこの疼きを沈めるのはオナニーしかないなんて寂しいな…って私 淫乱な娼婦みたい)


伯父からの電話がいつ来るかビクビクしながら夕食を済ませた、午後7時…振り込みがあったことを伯父は知ったはずなのに電話を掛けてこない。
(もしかして伯父さん振り込み額を見て私の意向に納得しあきらめたのか…いや伯父さんに限ってそんなことはあり得ない、だって私のお尻に顔を埋めて離したくないって泣いたもん…)

(でも1100万…伯父さんよくも出したもの、それとも私を1100万で買えるなら安いと思ったのかしら…)そう想いながらバッグから預金通帳を出した、記帳末尾の差引残高欄には7,826,552円と印字されていた、
(1100万振り込んでもまだこんなに残っている、先生はもし余ったら悠里の欲しいものでも買いなさいって言ってくれた…でもこれは多すぎる、今度逢ったときお返ししなくちゃ)

(それと先ほど見たマンションはビックリするほど豪華だったな…先生はすぐに購入手続きをするって部屋のパンフレットを手渡されたけど…気に入らないなんてありえない、だってこのアパートに比べたら御殿だもん、ついスゴいって言っちゃった…3DKで専有面積は71m2だったかな、もったいないほどの広さ…このパンフレットに価格7800万円って書いてあるけど…やっぱり私って娼婦…んん愛人なの?)


 予想した通り8時過ぎに伯父から電話がかかってきた。
「悠里、振り込んできた1100万円はどういう意味だ!…儂の援助を断るつもりか、それにこんな大金どうしてお前なんかに振り込むことが出来るんだ!」

悠里はその問いに先生に言われたとおりの言葉で返したが…。
「どうして赤の他人の医者風情が、1100万もの大金をお前になんぞに貸すんだ、ありえん話しだろう」

「先生には20年ローンでお借りしました、それと伯父さん!そんな人身売買のようなやり口は絶対許せないって先生が言ってました」とつい嘘が出た。

「中学生に20年ローンだと、そんな馬鹿げた話があるか!、お前その医者と寝たな…クソッお前抱かれたんだ!、お前のオマ○コの具合や尻を見なきゃそんな金など出すはずがないんだよ…と言うことは養子縁組も解消するつもりか!」

「そうです、家庭裁判所に今日にも手続きをするって弁護士先生が言ってました」これも嘘だ。

「弁護士だと、そんなこと儂は絶対ゆるさんからなぁ、何処の医者だ電話番号を教えろ明日にも病院に乗り込んでやる!」

「伯父さん、もうあきらめてください、先生には伯父さんに中学2年のとき抱かれたこと、それを承知でお姉ちゃんが養子縁組に同意し借金の肩代わりを伯父さんに頼んだこと…全て話しました、意味はよく分かりませんが先生は姉さんも伯父さんも鬼畜だって言ってました、もし伯父さんがこの件で妨害に出るのなら先生は弁護士に依頼し児童福祉法違反と刑法第157条でしかるべき所に訴えるって言ってました、だからもう私にはかまわないで下さい」

「クソッ……そこまで言うのならお前の好きなようにするがいい、いいか!お前を満足させさせられるのは儂だけなんだ、どうせお前はその医者に変態扱いされ捨てられるだけよ、ったく母親の血を受け継ぎおってこの淫乱女が、医者風情なんぞ欺し たらし込むなんぞはお前にしたらさぞ簡単だったろうよ…」
そんな捨て台詞を残し電話は切られた、悠里はこれでよかったような…寂しいような複雑な心境で受話器を戻した。

夜の静寂が悠理を包む、伯父の「お前を満足させさせられるのは儂だけなんだ、どうせお前はその医者に変態扱いされ捨てられるだけよ」そんな捨て台詞がいつまでも耳に残って離れない。

(私、伯父さんに変態に仕込まれたんだ…伯父さんにあの日浣腸を5本もうたれ洗面器を跨いで震えていたとき、無慈悲にも喉奥にチ○ポを刺されいつものように小便をお腹いっぱい呑まされた、伯父は小便すると腰をぶるっと震えさせ「悠理、もう小千谷に帰らなくちゃならん、お前は当然ついて来るだろうな!」そう言われ肛門栓を引き抜かれ洗面器に下痢便をぶちまけ震えながら絶頂に果てた)

「可愛いくせにお前のウンコは臭いなぁ」と伯父は笑い、首を掴まれ風呂に連れていかれ肛門を散々指でかき回された、泣いて許しを請うとその肛門にチ○ポを無理矢理刺し込んで腰を我武者羅に振ってきた、そのとき初めて奇妙な絶頂感を味わった、それは暗く陰鬱な性感で心ときめく快感とは異なり伯父のオモチャになり果て、それに強制的に隷属させられる屈辱感が奇妙な快感に繋がる…そんなオーガズムだった。

伯父に着いていけば惨めな隷属生活が続く、だが体が求める性的快楽は充分に癒やされよう、それに贅沢ができ高校にも行ける、肛門を変態的に弄られるのはいやだったが…それが本来の男と女に性衝動と思えば我慢も出来ようと思えた。

(だからあの日…頬をぶたれオシッコ飲まされながらも伯父に連れてってと泣いて縋ったんだ、でもいま私は伯父さんと決別し先生を選んだ、あぁぁこれで本当によかったのか…)

伯父がしてくれたあの狂うような淫らな仕打ちなど雅人は絶対してくれないだろうと思えた、現に雅人は性感のおもむくまま悠理と結合し、1回とて腰を動かせず射精して果てたのだ。その物足りなさに悠理は呆れ果て、もしこれが雅人本来のSEXであれば…いくら雅人が好きでもついていけないと思った。

だが2回目の時…雅人に優しく抱擁され、いろいろな体位で刺し貫かれ幾度も絶頂に誘ってくれた、愛されていると感じればこそのオーガズムであったと思う。
だが…物足りなさを感じたのも事実である、悠理は心の整理が付かぬまま(あぁぁ先生…)と心の内で小さく叫び指先をショーツに潜らせ性器を弄び始めた。

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