2009.11.14.

夢  魔
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MIN



■ 第21章 暗躍4

 佐山は沙希に洋服を着させると、枕元に有るボタンを押した。
 すると、館にブザーが鳴り響く。
 ブザーが鳴ると佐山の自室の扉が開き、次々と美女達が集まり始める。
 総勢24人の美女達が、佐山の座るベッドの周りに集まると、佐山が口を開く。
「沙希ちゃん。この人形達は、全部小父さんの玩具だ。沙希ちゃんには、この玩具で遊ぶ権利を上げよう。鞭で打とうが、殴ろうが、何をしようと構わない」
 沙希にそう告げると、使用人達に向かい
「眠れ」
 静かに、告げる。

 使用人達は、一人残らず目を閉じ、ユラユラと揺れ始める。
 催眠状態に落ちた使用人達に
「沙希の言葉は、俺の言葉だ。俺が言った言葉と、同じ効果をお前達に与える」
 佐山は告げた。
 使用人達はコクリと頷き佐山の暗示を受け入れ、脳に焼き付ける。
 佐山は沙希に向き直ると
「これで、こいつ達は沙希ちゃんの言う事は、何でも聞く人形に成った。いつでも遊びに来て、気持ち良く成りなさい」
 この指示の意味を教えた。

 沙希はコクンと頷く。 頷く沙希を見て、佐山はニヤリと笑う。
(そうだ。何度も、何度も今の状態を経験すれば、俺の催眠はどんどん強く成る。そうすれば、こいつも直ぐに俺の玩具だ。決して逃げられない)
 一連の沙希に対する処置は、佐山の陥計だった。
 全ては、沙希自ら催眠を強め、自分にかしづくようにする為の布石だったのだ。
 沙希は何も知らず、佐山の懐に取り込まれようとしていた。
 佐山は指を鳴らし、使用人達の催眠状態を解くと、解散を命じる。

 使用人達は、命じられたとおり、持ち場に戻った。
 佐山の自室で家具をしていた者達も、同じ位置で同じポーズを取り、動きを止める。
 ただ一人明日香だけが、床の清掃を終え平伏し、指示を待っていた。
「腹が立ったり、嫌な事が有ったら、いつでも、あれに電話しなさい。直ぐに迎えに行かせるから」
 佐山は明日香を顎で示し、沙希に告げた。
 沙希は呆然とした表情のまま、コクンと頷く。

 佐山は沙希を自分の方に向かせると、最後の仕上げに掛かる。
 沙希を再び、深い催眠状態に導くと暗示を掛け始める。
「良いかい…。柳井稔はとても頭が良い…、だから沙希ちゃんが小父さんの事を話したり、連絡を取ったりすると直ぐに邪魔をしようとする。沙希ちゃんは小父さんと会えなく成るのは、嫌だろ…」
 佐山の言葉に沙希は、ゆっくり顎を引き頷いた。
「だから、普段は小父さんの事を忘れてしまうんだ。小父さんの事を思い出すのは、そうだなトイレの個室に入った時と、周りに一切人影が無い時だけにしょう。そうして、小父さんを思い出したら連絡をして、報告するんだ。留守番電話に繋がっても、メッセージを残すんだよ…ちゃんと小父さんが聞いて上げるから」
 佐山は沙希に健忘催眠を掛け、条件付けを与える。
「この屋敷で有った事も、この屋敷以外では、決して思い出さない。そうすれば、誰に話す事も無い。誰にも話さなければ、誰にも邪魔され無い」
 佐山はニヤリと笑い、沙希を見詰める。

 沙希は意志の無い、人形のように頷いた。
「勿論、明日香は別だよ…、こいつは友人として覚えて置けば良い。そうして、呼び出して使えば良いんだ。こいつ達は沙希ちゃんには、一切逆らわない」
 佐山は優しく、沙希の耳元に囁く。
 その囁きは、まるで甘い毒のように、沙希の脳をとろけさせて行く。
 佐山は沙希の催眠を解いた。
 沙希は、キョトンとした表情で、目を覚ます。

 ゆっくり首を巡らせ、部屋の中を見渡す。
 人が家具に成る、異様な部屋。
 沙希はその部屋の中で、薄く笑うと佐山に向き直り
「佐山の小父さま。マメに電話するね」
 佐山の首にしがみつき、頬にキスしながら言った。

 佐山はその反応を見て、ニヤリと笑い
「もう、帰るのかい? もう少し、明日香と遊んで行かないか?」
 沙希に鞭を差し出し、問い掛ける。
 沙希はその鞭を見詰め、驚いた表情を浮かべる。
 佐山は一瞬ギクリとして
(掛かりが、甘かったか)
 ヒヤリとした。

 だが、沙希の次の言動で胸をなで下ろし、笑いが込み上げる。
「遊んで上げても良いけど、小父さまちゃんと責任取ってね…」
 頬を染め、佐山にすり寄った。
 佐山は頷きながら、沙希に鞭を手渡す。
 鞭を受け取った沙希は、クルリと明日香に向き直り、平伏する明日香の頭を鞭の先でペシペシと叩いた。
 明日香が顔を上げると、沙希は驚いた表情を浮かべる。
「あらあら、凄い事に成っちゃてるね。私ちょっと遣り過ぎちゃったね」
 沙希の感想は、正直な物だった。

 明日香の身体には、全身にミミズ腫れが走り、血が滲んで所々裂けている。
 そして、最も酷い傷は顔面に大きく走る、クロスした傷だった。
 明日香は沙希を正面から見ているが、その目は恐怖に濁っている。
 沙希は明日香の前にしゃがみ込むと、大きく舌を伸ばし、こそぐように舐め上げた。
「明日香さん。まだ、鞭を受けたい?」
 沙希は明日香に、微笑みながら問い掛ける。

 明日香は泣きそうな顔で、首をブンブン左右に振った。
 佐山は沙希の後ろから、訝しそうな表情で見詰めている。
(何だ…、何を考えてる? まさか、慈悲を掛けるのか?)
 佐山は顔を険しく変えながら、事の成り行きを見守った。

 沙希は明日香の上体を起こさせると、優しく抱きしめ、傷口を舐め始める。
 明日香はその愛撫とも取れる刺激に戸惑いながらも、感じ始めた。
 だが、次の沙希の言葉で、明日香の表情は凍り付く。
「じゃあさあ〜、変わりの人を指名して。明日香さんの代わりに、私に鞭で打たれる人を明日香さんが、この中から決めて…」
 沙希の言葉は仲間を売れと言って居た。
 同じ地獄で、耐えている仲間をその本人の見ている前で、売れと言ったのである。

 沙希はにこやかに微笑みながら、更に明日香に言葉を掛ける。
「良いわよ。明日香さんが続けて受けるって言うんだったら、別に指名しなくても…。でも、そうなったら、きっと痛くて死んじゃうかも…」
 沙希は悲しそうな顔をして、明日香を上目遣いで見詰める。
 明日香の身体が、ガクガクと震え始めた。
 沙希は再びにっこりと笑い、明日香の目の前に右手を翳し
「5…4…3…」
 数を数えながら指を一本ずつ折り始めた。
 明日香には、躊躇う時間も与えられない。

 明日香は恐怖に負け、震える右手で部屋の隅を差す。
 そこには、テーブルに成ったショートカットの女性、響子が居た。
 沙希は立ち上がりながら、クルリと身体を響子に向けると
「小父さま…あの人、何て名前」
 佐山に問い掛ける。
 テーブルに成って居る響子は、床を見詰めて居るため、自分が指名された事に気付いていない。

 ただ必死に自分が、選ばれ無い事を願っていた。
 だが、そんな響子の願いは、呆気なく佐山の言葉により打ち砕かれた。
「ああ、あれかい? あれは響子と言う名だ」
 響子の心の中は、激しい落胆で満たされ、同時に明日香に対する怒りが、沸々と湧き上がる。
(明日香さん…どうして…どうして、私何ですか…)
 響子は込み上げる恐怖と怒りの中、沙希の言葉により自由を与えられる。
 苦痛に曝される為の身体の自由。

 響子は沙希の元に進みながら、明日香を見詰める。
 その目が叫んでいた[裏切り者]と。
(響子ちゃん、ごめんなさい。そんな目で見ないで…。あなただけが、俯いてたから…。私が、唯一目線を合わせずに済んだから…。本当にごめんなさい)
 明日香は心の中で、必死に手を合わせ、響子に詫びた。
 そんな事は、何の解決にも成らない事を知りながら。

 そして、明日香は絶望する。
 この屋敷のルール、[敷地内で、不用な声を上げては、いけない]が、沙希によって取り除かれたからだ。
 これにより、明日香は自分が売ってしまった、後輩の悲鳴を聞き続けなければ成らない。
 沙希は響子に佐山から受け取った、黒い犬の首輪をはめる。
 この首輪をする事により、彼女達の声帯は機能する事を許される。
「響子さん? 明日香さんに選ばれた気分はどう?」
 沙希が微笑みながら、響子に問い掛けると
「明日香さん…恨みます」
 明日香を見下ろし、呟いた。

 沙希はクスクスと笑い
「響子さん、そんな事言っちゃ駄目よ…。だって、誰でも怖い物は、怖いんだし。それに、響子さんを助けてくれるのは、明日香さんなのよ…。まぁ、助けてくれるかどうかは、我慢次第でしょうけどね…」
 沙希は響子と明日香を見て、妖しく笑う。
 沙希は完全に性格が、変わっていた。
 佐山の暗示により、加虐が快楽に繋げられ、サディストのそれに変わってしまった。
「小父さま…。激しく動く、固定出来るバイブ無〜い?」
 沙希が佐山に注文すると、佐山は壁際の棚から1本のバイブを取り出し、沙希に手渡す。
 佐山はこの少女が、どう言う責めをするのか、興味津々に成っていた。

 佐山が差し出したバイブを見て、沙希はクスリと笑う。
 それは、無数の柔突起と硬質のビーズが絡まる禍々しい物だった。
 沙希がスイッチを入れると、激しくうねりながら振動し、ビーズが竿の部分で回転している。
「小父さま、これって強弱とか無いの?」
 沙希の質問に、佐山はリモコンを手渡す。
 沙希はそれを受け取ると、満足そうに笑い、恐怖に染まる2人を見る。
「は〜い、道具が揃いました〜」
 沙希は無邪気に2人に告げると、バイブを立てて鉄のパネル部分に置いた。

 バイブの底部は強力な磁石に成っており、真っ直ぐ立ったまま、動かなく成った。
「はい、明日香さんここに来て、オ○ンコにくわえ込んで」
 明日香は沙希の命じるままに、しゃがみ込んでバイブをオ○ンコに納める。
「じゃ、次は響子さんね…。響子さんはここに来て、オ○ンコとクリ○リスが、明日香さんの口に来るように立って。そう、足を大きく開いて立つのよ…じゃないと、気が触れちゃうかも」
 沙希の言葉に響子は、恐怖感を募らせ、必死に位置を調整する。
「良い? それが終わったら響子さんは、両手を上に上げて万歳して、終わるまで動いちゃ駄目」
 沙希がそう言うと、響子は万歳してピクリとも動かなく成る。

 沙希は響子の反応に満足気に笑うと、次に明日香に目を向けた。
「次は明日香さんね…。明日香さんは、終わるまで屈伸して、バイブを出し入れして。そして舌と口を使って、響子さんの気が触れ無いように気持ち良くして上げて」
 命じられた明日香は、屈伸運動をしながら舌を伸ばして、響子のクリ○リスを舐め始める。
「あふぅ〜…はぁ〜ん…」
 響子の口から快感を訴える声が漏れる。
「2人共、感覚は5倍から始めて…、イキたい時は好きにイッて良いわ。その代わり、一回イク度に感覚を一つ上げる事。うふっ、明日香さんがイッた時には、もう一つプレゼントを上げるね」
 沙希の命令を受けた2人は、身体の感度を上げ快楽に落ちて行く。



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