2013.12.21.

夏休みと淫魔が巣くう聖堂
003
有利書



■ 第1章2

ファーナは、制服ではなく私服でいた。
「結城さん、これから学校ですか?」
「え、まあ・・ね。」
ファ^ナが茉莉に訊ねた。
「それより、ファーナさんは?」
今度は、茉莉がファーナに訊ねた。
「今日はサボ・・もとい結城茉莉、今日こそ貴方をす巻きにして差し上げますわ。」
呟いたファーナの手には大きな杖が握られていた。
「あ、あの・・・ファーナさん?」
茉莉は、キョトンとした顔で呟いた。
「お、なんだ、なんだ?」
大勢の野次馬が集まりだした。
突風が吹き、茉莉とファーナの髪がなびいたが2人のスカートは残念ながら捲れなかった。

「あ、あのう・・・ファーナさんこれって・・。」
茉莉は、ファーナに訊ねたが
「問答無用です。」
とだけ、ファーナが呟いた。
「行きます!」
ファーナは、大きくジャンプするや杖を振り上げながら茉莉に向かって振り下ろしたが茉莉はヒラリとファーナの攻撃をかわした。
「流石は、結城の巫女・・噂どうりだわ。」
ファーナが呟いた。
風は、更に強さを増し茉莉とファーナのスカートを捲り上げ白とピンク色のパンティが姿は現していた。
茉莉が白で、ファーナがピンク色である。
当然、二人のパンティーは野次馬によってとうさつされているのだが、二人はそれどころではなかった。
「ていっ。」
茉莉が、木刀を振り上げてはファーナに向かって振り下ろしが、ファーナはあっさりと茉莉の攻撃をかわしてはすぐさま反撃に出た。
二人の戦いは、一進一退でこう着状態になり何の発展もなく繰り広げられた。
案の定ファーナの息が切れ始めていたが、茉莉はまだ少しだけ余裕があるので、茉莉が少し有利なのだ。
「おやおや、もう限界かしら・・。」
茉莉がファーナに向かって呟いた。
茉莉が、木刀を振り上げファーナに向かって振り下ろそうとしたのだったのが
「か、体が・・動かない。」
突然、茉莉が金縛りにあったかのように体が動かなくなり、形勢が逆転した。
「ふふふ・・チャンスだわ。」
ファーナが呟き、杖を茉莉に向かって振り下ろそうとしたがファーナの体も茉莉と同様に金縛りにあい体が動かなくなってしまっていたのだ。

「そ、そんな・・どうして私までもが・。」
呟いた茉莉は、どうにかして体を動かそうとするが結局体を動かすことはファーナも出来ずにいた。
「ごめんなさいね。 けど、こうしないと・・ね。」
少女の声が聞こえた。

その少女は、茉莉達と同じ年齢の少女で白銀色の髪を持ち蒼色の瞳をした少女であった。
「もし遅れました。 私の名前は、ファリナ。」
と、少女は名乗った。
「ファリナ? ファニナ・シンフォニー・・。」
ファーナが、口を開いた。
「オイタが過ぎましたね、ファーナさん。」
ファリナは呟きながら、ファーナが呟いた。
「あなたは、結城神社の結城茉莉さんですね・・ここは、私に免じて引いてはくださいませんか?」
ファリナは、茉莉に掛けた呪縛の魔法を解除した。
「その制服は、セントルイスン学園の制服。」
茉莉が、呟いた。

「どうして、セントルイス学園の生徒がわざわざ隣町まで出来たのか説明願えないかしら?」
茉莉がファーナに訊ねたのだが。
「ごめんなさい、今は話せないのです。」
ファリナが答えた。
「結城茉莉さん、私と付き合っては貰えませんか?
ファーナの件で、お詫びをしたいのです。」
と、ファリナが呟いた。
「え? ファリナ、こいつと付き合うの?」
ファーナが、ファリナに訊ねた。
「ええ、結城さんにお願いがありますので。」
ファリナはそう呟いた。
「あ、ファーナさん・・後でゆっくり・・・・ね。」
とだけ、呟いた。

呟いた時、ファリナの目は座っていた。
「苦手なんだよねぇ・・ファリナのあの顔は。」
とファリナ本人に、聞こえないように呟いた。
ファーナは、その後町を徘徊した。

一方その頃、茉莉とファリナは

「ファリナさんは、あのファーナさんをどう思ってるのですか?」
ファリナと茉莉は、駅前にある喫茶店に来ていた。
「あの子は、勝気で明るい子で憎めない子なんだけれどどうしてかほっておけない・・。」
俯きながらファリナが呟いた。
ファーナとファリナは同じ魔術結社に属しており茉莉たち巫女組織とは対立する組織である。
「彼女が、私の監視をする為に私に近づいているのはなんとなく、わかっていたけど公にはしたくない。」
茉莉がファリナに。
「結城さんは、ご存知だったのですか?」
とだけ、ファリナがつぶやいた。
「けれど、監視の件で私はファーナさんには何も言わないつもりでいるつもりよ。」
「結城さん・・。」
ファリナがポツリと。
「けれど、ファーナさんは良い生徒だよ。私が、困っている時でも随分と助けられたしね。」
茉莉がファリナに。
「あの子は、困っている人を見るとほっておけない性格の持ち主なんだけれど一度前を向いたら絶対に後ろには振り向かないので心配です。」
ファリナが呟くも、俯いたままであった。

「ファーナさんって、羨ましいな。」
沈黙を守り続けていた茉莉が呟いた。
「ファーナさんが、羨ましい?」
キョトンとした顔でファリナが呟いた。
「私、ファーナさんみたいに自分の暴走を止めてくれるような友人はいないから・・。」
茉莉がそう呟いた。
「私は、小さいころから一人前の巫女になる為に、厳しい手ほどきを受けていたから。」
とだけ、呟いた。

「巫女さんの終業って、そんなに厳しいんだ。」
ファリナが呟いた。

「お客さん、いかがいたしました?」
店員の1人が、大声を上げた。
「うっせえ! ごちゃごちゃしゃべんな!」
大声をあげ、威嚇するように男性客が大声を上げた。
男は、ナイフを取り出しては店員を人質に取った。
「おらぁ、全員こっちへ来いよ。」
こうなれば、もはや立て篭もりである。
店員を始め、茉莉やファリナも同じ場所に集められては床に座らされていた。

この事は、隣の下着売り場の女性店員から警察に通報されたのだが犯人はおろか茉莉達も知る由はない。
「お腹すいたから、何か食べよう。」
そう呟き、1人の少女が店内に入って来た。
「あ、あれは・・深月さん」
ファリナが呟いた。
「深月さん?」
茉莉も呟くや、深月と言う名前の少女を見た。

「な、なんやてめえは?」
立て篭もり犯は、少女を見るや大声を上げた。
「何って、ただの客。」
とだけ、少女は呟いた。
その少女の右手には、細身の剣が握られていた。
これは、明らかに銃刀法違反である。

「ええ。私と同じ学校に通っていて占い師として名の知れた女子高生なんだけど・・・。」
ファリナがつぶやいた。
「おらぁ1こっちこいや。」
立て篭もり犯は、少女に向かって叫んだ。
「はいはい。」
少女は呟き、茉莉の横にちょこんと座った。



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