八百万間堂キャラでガチ対談・5〜ダメ人間対談

八十八「ええと……ガチ対談のラストを飾るのは(本当はあと一回あったんだけど更新できなかった月があるので)、俺、ペルソナ4から八十八在と」
ノリス「SWリプレイヘッポコーズから、ボク、ノリス・ウェイストックでお送りしまーっす! ……で、今日のお題はなんだっけ? 『ダメ人間対談』だっけ?」
八十八「……そうなんだよな。なんというか、俺とノリスくんのダメ具合はタイプが違うような気がするから、対談して面白いのかなとか正直不安を感じずにはいられないんだけど……」
ノリス「気にすることないよー。パンピーから見たらどっちも等しくダメ人間、似たよーなもんでどーるいこうだって」
八十八「うう……否定できないのがかなりとっても嫌だなぁ……」


八十八「で、ええと……まずは双方のダメ人間っぷりを克明に語る、か……。気が進まないけどやるしかないんだよな……」
ノリス「はーい、じゃーボクからねっ! えっとー、一日の生活費として100ガメル(日本円にして一万円)使ってたら即行でお金がなくなりました!」
八十八「………。初めて胸のときめきを覚えた対象が二次元でした」
ノリス「情報収集も追跡も探索も失敗しまくってヘボシーフ呼ばわりされました! ってゆか今もされてて未だにトレードの機会窺われ中です!」
八十八「好みの子を見るとその子で一通りのシチュとコスを妄想し、順列組み合わせを考えずにはいられません」
ノリス「二回連続で一ゾロ振ってあっさり死亡、蘇生代のために仲間全員の所持金すっからかんにしました!」
八十八「命を懸けて仲間たちと戦いながらも『ああっなんという燃え&萌えシチュ!』と状況にハァハァしたりしてました……」
ノリス「うーん、こうして比べてみると……ボクなんかダメ度ではまだまだだなって気がするね!」
八十八「ごめん悪いけどその言われ方凄まじく不本意なんだけど」


ノリス「えー? でもさー、仲間と一緒に戦いながら状況に悶えるって、かなり人としてアウトじゃない? 仲間はいっしょーけんめー戦ってるんでしょ?」
八十八「うぐっ……だ、だけど俺たちの場合、基本的に戦闘って全滅しなければちょっと痛くて疲れるぐらいだし。怪我とか残らないし。それに萌え転がりながらもちゃんと戦って指示も出して全滅せずにラスボスまで戦ってこられたんだぞ」
ノリス「ふーん……つまりそれって、あれだよね。『この戦いが終わったら×××るんだ』というのを支えに最後まで勝ち抜いてきた的な」
八十八「なんでそうなるんだよ俺は(基本的には)仲間たちのことを純粋に大切に思っているんだ!」
ノリス「えー? でも仲間たちにハァハァしてたりするんでしょ?」
八十八「萌えと性欲は別物だ! 似ているように思えるが明確に非なるものだ! パンピーには混同されがちだけどエロですら萌えで読むものと性欲で読むものとは存在意義から使用目的までまったく異なり(えんえん演説)」


ノリス「さーて、次はっと」
八十八「……さらっと何事もなかったかのように流さないんでほしいんだけどな、一生懸命話してるんだから……」
ノリス「『人から言われた自分のダメなところについて』だってー。でもこれって、八十八くんはあんまりないんじゃない? 親友一人にしか話してないんでしょ、自分のダメっぷり」
八十八「……まぁ、それは確かにそうだけど……基本的に東京にいた頃は隠していてもダメ人間だと見破られた……っていうか、ダメな奴だと認識されてたから。先生とか親とかにはよく説教されたよ」
ノリス「たとえばどんなふーに?」
八十八「友達作れとか、ちゃんと人と会話をしろとか、引きこもるなとか。子供の頃はちゃんと外で遊べとか」
ノリス「それって、フツーならフツーにやることなんじゃないの?」
八十八「だから、『普通のことを普通にやる』っていうことができなかったんだよ、俺は。今も得意ってわけじゃないけど」
ノリス「ふーん。でも今はフツーにやってるじゃん」
八十八「死に物狂いで頑張ってやってるんだよ。……大切だと思える仲間相手なら、そういうのも苦じゃないってわかったし」
ノリス「ふーん……ちょっとわかるかも。一緒にいて楽しい仲間となら、ヤなこともけっこう頑張れちゃうよね」


八十八「じゃあ、今度はノリスくんの番だな。君は人にダメなところを指摘されたことって、あるか?」
ノリス「そりゃーありまくるよー。ヘボシーフとかクソガキとかしょっちゅう言われるし」
八十八「いや、もうちょっと具体的に。お前のこういうところがダメなんだ、みたいなのないかな?」
ノリス「そーだねー……女装した時なんだけどさ、『お前似合いすぎだからむしろウェイトレスとして生きていった方がいいんじゃないかシーフとしてはヘボなんだから』とか言われてさー、腹立ったことあるよ」
八十八「それは……腹は立つだろうなぁ……」
ノリス「まったく失礼しちゃうよね、その時ボクが着てたのはウェイトレスの制服じゃなくてメイド服なのにさ!」
八十八「腹立ててるのそっちかっ!」


ノリス「じょーだんだって、じょーだん。ボクは冒険者で、シーフだもん。毎日バイトして日銭稼ぐより、時々働いてがっぽり稼いであとは遊んでる方がいいに決まってるじゃん」
八十八「その発言の時点で人としてだいぶダメだよな……ていうか、そもそもなんで女装なんだ?」
ノリス「えー? 似合わない?」
八十八「似合わないっていうか、見たことないし。それにぶっちゃけ俺的にリアル女装って微妙なんだよな。そもそもコスプレ自体大好きってわけじゃないし。嫌いじゃないけど。カメコってわけじゃないし。俺人間に対する審美眼かなり厳しめだし、基本二次コンだし、そういう視点で見ると萌えよりもキモさを感じさせるものがほとんどで……」
ノリス「むぅー……そこまで言うなら見てもらおうじゃんか! ちょっと待っててよっ、着替えてくるからっ!(ばたばた)」
八十八「え、ええー……?」

八十八「って言われてもう三十分も経ってるんだけど……もうそろそろ戻ってきても……いや、女装をするからには普通はもっと時間かかるもんなのか? うーん、服飾関係はさっぱりわからな……ん?」
ノリス「(がちゃり)お待たせしましたっ、ご主人さまっ!」
八十八「…………!!!」
ノリス「お茶をお持ちしました、ご主人さま。ご一緒にスコーンなど、いかがですか?(にこりん)」
八十八「いや、ちょ、待……」
ノリス「え……ボクのお茶じゃ、ダメ、ですか……?(うるうる瞳で上目遣いっ)」
八十八「いや、ダメとか、そういう問題じゃなくてその」
ノリス「お願いです、ご主人さまぁ。ボクのお茶……飲んでくださいっ(すりっと抱きついてお茶差し出しっ)」
八十八「う……うう、ううううっ……ちくしょー負けたぁっ写真撮らせてくださーいっ!!」
ノリス「ひゃっほーボクの勝ちっ♪ どう? どう? 萌えた?」
八十八「疑問の余地なく萌えたわ畜生が! 目線こっちくださーいっ!!」


八十八「ううう……なんだか人としてというかオタクとしてというか、どちらにしろなにか大切なものを失ってしまったような気が……」
ノリス「いーじゃん、どっちにしろ八十八くんもともとかなり道踏み外してんだからさー。あのくらいならフツーだって」
八十八「まだメイドコス続行中の君から言われると悲しくなってくるよ……君っていつからそっちの道に……っていうか、ダメ人間の道に入り始めたんだ? あ、これは次の話題にもなるな、『いつからダメ人間と自覚するようになったか』って」
ノリス「えー? うーん、女装するようになったのは近所のシーフの技教えてくれたお兄ちゃんにフリフリの女の子の服渡されて、『これ着て上目遣いでこっち見ながら棒飴舐めてくれ』って言われてからなんだけど」
八十八「なんだその恐ろしいまでの性的いたずらフラグ!」
ノリス「別にボク自分のことダメ人間だとは思ってないよ? そりゃちょーっとはダメだなーって思うことあるけどさー、それでもいっしょーけんめー頑張る自分はスバラシイ! と思えるようにしろってガルガドも言ってたし」
八十八「それは確かに正論だけど……いつもいつもそう思えるというわけじゃないだろう。少なくとも俺は無理だなぁ……」
ノリス「じゃ、八十八くんはいつ頃から自分のことをダメ人間って思うようになったの?」
八十八「んー……昔から親にいろいろ言われてはいたんだけど……自分ってもしかしてダメな人かも、って思うようになったのは、中一ぐらいからかなぁ。親になんて言われても、アニメ見るのやめられなくて。自分でもこの年でアニメとか見るのすんごい恥ずかしかったんだけど、見ずにはいられなくて、見たらノリノリで主題歌一緒に歌いながら踊ったりしちゃって」
ノリス「うわー、それかなりイタイね」
八十八「(ぐさ)……それで中二ぐらいから同人とか二次創作とかいうものを知って。そっち系のサイトネサフしたりメイトとかで同人誌買ってみたりして。中三でコミケに行くようになってからは、もうズブザバっていうか。そんでいつの間にかああ自分ってダメ人間だなぁ、って心の底から思うようになってしまったっていうか……」
ノリス「ふーん。それってつまりさ、自分の趣味、キライってこと?」
八十八「え……」


八十八「そういうわけじゃ、ないけど……なんていうか、あんまり大声では言えないし、言うべきじゃないとは、思ってる……かな」
ノリス「ふーん……なんで?」
八十八「なんていうかな……アニメとか漫画とかゲームとかって、基本的にサブカルチャーだと思ってるんだよ、俺は」
ノリス「ふんふん」
八十八「そりゃもちろん、質の高い、まさに芸術と称すべきアニメや漫画もあるよ? けどさ、それは俺が普通に読んで楽しむものとは違うんだよ。『高尚なもの』として別扱いっていうかさ。ラノベに対しての純文みたいな。で、俺が心の底から愛し、本来そういうものだと感じてるのは、その高尚じゃない方のものなんだよね」
ノリス「ほーほー」
八十八「高尚な芸術と称すべきものの文化に対する牽引力を否定する気はもちろんないけれど、そういったいわゆる『文化的』なものというのは広いサブカルチャーの裾野があって初めて成立するものだと思うんだ。人間の根源的な欲望の渦、カオスの海から生まれた想像力の坩堝、そもそも漫画やアニメは、いいや文化というものの起源はそういうものだった。お行儀のいいどこに出しても問題のない『名作』なんぞじゃなく、時に醜く畸形ですらある欲と感情の爆発。それを規制することは『文化的』な作品も痩せ細らせる愚行としか言いようのない行為で」
ノリス「なんかだんだん話がずれてってない?」
八十八「はっ! ……え、ええととにかく。俺が好きな作品はサブカル的な、どこに出しても恥ずかしくないとはいえない作品だから、人に知られないようにしながらこっそりと楽しみたいんだよ。話がガキっぽいとか絵が妙とかそーいうことぐだぐだ言われたくないわけ、こっちだってそーいうのはわかってて、それを承知で楽しんでるんだから」
ノリス「ふーん……それってさ、つまりこーいうことだよね」
八十八「ん?」
ノリス「『我らを理解しようとせん奴らが悪いのだー!』みたいなファラリス的論理」
八十八「ち、違う! それはなにか違うだろ!」


ノリス「んでー、そろそろラストだからー。『どっちがよりダメ人間か論争』いってみよっかー」
八十八「君って本当こっちの話とか聞く気ないよな……」
ノリス「ていうかさー、ボクはさー、そもそも自分のことダメ人間だと思ってないんだけどなー」
八十八「自分のダメっぷり何度も語っておいて?」
ノリス「んー、それはそれこれはこれっていうか。だってほら時々あるじゃん、猿が川から落ちるみたいなことがさ」
八十八「それことわざの意味どころか文脈的にも間違ってるから。川からどうやって落ちるんだ滝ならまだしも。それを言うなら猿も木から落ちるとか河童の川流れとかだから」
ノリス「あーそっか! まーそれはそれとして、誰にでも失敗することはあるんだからさ、気にせず気楽にがんばっていったらいいんじゃないかな(肩ポン)」
八十八「まるで俺だけがダメ人間みたいな言い方やめてくれ。そもそも俺は失敗自体はそんなにしてないんだってのに……」
ノリス「ふーん、ならさー、なんでそんなに自分のことダメ人間だと思ってるの? いいじゃん、失敗せずにちゃんとやれるんなら」
八十八「え……」


八十八「いや、なんていうか……自分を省みてみた時に、『自分人としてダメだろう……』とか俺は思っちゃうんだよ。自分のなにを見てもカプ妄想しちゃうとことかさ、シチュやコスにハァハァしちゃうとことかさ、人としてどうかと」
ノリス「なんでー? いいじゃん、誰も死なずに死なせずに生きてられんだからさ。人生丸儲けじゃん」
八十八「生きてるだけで丸儲けー……ってそういう問題じゃないんじゃないかと」
ノリス「それに、八十八くん仲間と一緒で楽しいんでしょ。だったら別にダメじゃないんじゃない? 一緒にいて楽しいみんなと生きてられるってことは、キミ自身がいい感じの奴ってことだもん」
八十八「え……そ、そう……か?」
ノリス「そーそー。だからさ、気楽にやればいーんだって。毎日みんなと楽しく生きられればそれが一番っ!」
八十八「そう……か。そうかもな……気楽に楽しく生きられれば……ってちょっと待ってくれ。楽しく生きることと人間の人格がダメか否かには相関関係ないんじゃないか?」
ノリス「いいじゃん、別にどっちでも。別にボクは困んないし」
八十八「……他人事だと思って適当言ってないか?」
ノリス「うん。だってホントに他人事だし……あっ」
八十八「………君は人としてもう少し真っ当に生きろーっ!」

戻る   『そのほか』topへ