怖い話にまつわる五つの話。。
サマ「怖い話? うーん、僕話を聞いて怖いって思うことあんまりないからよくわからないんだけど……そうだ、盗賊の話しようか。 僕一度盗賊の拷問に立ち会ったことがあるんだけど、なかなかすごかったよ、一人はまず掌に五寸釘を打ち付けられてそこに蝋燭を置かれるわけ。これだと肉の中に熱い蝋が垂れていって肉を焼くわけね、もう一人は生皮を少しずつ剥いでそこに塩を擦り込むっていう面白い拷問で」 ロレ「お前それ以上口開くんじゃねぇ」 |
怖いというより、痛い。
九龍「そこで振り向いたらその女の人はいなくって、運転手の耳には『死ねばよかったのに』っていう言葉だけが残ったんだって……」 全員『………………』 夷澤「べべべべ別に大したことないっスね。そそそそんなんで俺が怖がるとでも思ってんですか?」 墨木「ここここ、怖いでありマスーッ!(ガクガクブルブル)」 皆守「……お前ら何やってるんだ。部屋暗くして」 九龍「百物語ならぬ十物語。甲もやれよー、話し手がいなくて困ってんだ」 皆守「なんで俺が……」 夷澤「ハッ! どうせ温い話しかできないから逃げ出そうって腹なんでしょ?」 皆守「…………(ムカ)」 九龍「まぁまぁ。甲、こういうのどうだ、ここにいる全員を怖がらせられたらマミーズでカレー全員でおごり」 皆守「乗った」 夕薙「本当に甲太郎はカレーにだけは熱心だな」 九龍「そこが甲の数少ない可愛いとこじゃん」 皆守「……これは俺があるずぼらな男子生徒から聞いた本当の話だ。 その男子生徒は掃除嫌いで、食い物のゴミも部屋中に散らかしっぱなし、それを狙って虫がうじゃうじゃ出てきていたそうだ。 友達が見かねてゴキブリホイホイを貸した。男子生徒はさっそくいくつも仕掛けて、最初の頃はゴキブリが取れるごとに捨てにいっていたんだがやがて面倒くさくなって放っておくようになった。 そんなある日ごそごそ、ごそごそごそ、と部屋でなにかが蠢く音がする。なにかと思って周囲を見てみても動いているものはない。 不審に思ってゴミの山をかきわけていると……手がぶにょり、となにか柔らかいものに触れた。 なんだろうと思って取ってみると、それは、一箱のゴキブリホイホイで……箱を傾けたとたん、中から十匹以上のゴキブリがざーっと飛び出し、潰れたゴキブリの死体、そしてゴキブリの卵がどさささっと落ちてきたそうだ………」 全員『……………………』 皆守を除く全員『(声を揃えて)怖――――ッ!!!』 |
怖いというより、気持ち悪い。
天野「着信アリ」 堀尾「リング」 水野「スクリーム」 桃城「お前ら、なに話してんだ?」 天野「あ、桃先輩! えっと、古今東西見て怖かったホラーの話、です」 桃城「へぇ……ホラーねぇ。俺あんま好きじゃねぇな」 天野「え、そうなんですか? 俺もそれほど大好きってわけでもないですけど」 桃城「なんか嫌なこと思い出すんだよなー……ガキん頃怖い話聞いてトイレ一人で行けなくなっちまったこととか」 天野「あー、ありましたよねそういうの。桃先輩にもそういうことあったんですねー」 堀尾「なんか意外。桃ちゃん先輩ってすっげー度胸ありそーなのにさ」 桃城「バカヤロ、俺だってガキの頃はそれなりにビビリだったよ。隣のばーちゃんの葬式の時、ドンドンって中から叩く音が聞こえるのにその家の人がそれ誰も信じてくれなかった時のこととか思い出しちまってさ」 天野「………え?」 桃城「他にも向かいのおばさんがばーさんの食事作る時中にガラスの破片入れてるの見ちまったりとか。従兄弟の結婚式ん時に一番後ろに喪服着て座ってるねーちゃんと目が合っちまった時とか。それから……」 桃城を除く全員『リアル怖い話はしないでいいですから!』 |
鈍感な人の話がかえって怖い時もあるという一例。
しんのすけ「風間く〜ん、朝の挨拶! さわさわっ」 風間くん 「ああんっ……! ど、どこ触ってるんだこの変態ーっ!」 風間くん 「ホンットにあの馬鹿は……! 毎日毎日挨拶みたいに触ってきて……こっちの気持ちも少しは考えたらどうなんだ!」 ネネちゃん「いまさらじゃないのー? しんちゃんは昔っからああだったじゃない」 風間くん 「だからこそ問題なんじゃないか! 昔っからあいつのせいで僕が女の子に振られたことが何度あったことか……!」 ネネちゃん「でもしんちゃんがいなかった時でも彼女できなかったんでしょ?」 風間くん 「うぐっ!」 ネネちゃん「……ねぇ、いいこと教えてあげようか」 風間くん 「いいこと?」 ネネちゃん「うん。実はね、ホモの人の六割は後天的なんだって」 風間くん 「………は?」 ネネちゃん「男友達とふざけたりしてるうちにそーいう垣根が低くなっていつの間にか男の方にしか興味が行かなくなっちゃうんだって。風間くんも気をつけたほうがよくない?」 風間くん 「(さーっと血の気を引かせて)で、でも……僕は今のところ男になんてまったく興味はないしっ……!」 ネネちゃん「そーいう風に油断してるといつの間にか……らしいわよ?」 風間くん 「そんな……そんな……」 しんのすけ「おー大親友の風間くん&ネネちゃん! なにを話しているのかね?」 風間くん 「………(きっとしんのすけを睨み)」 しんのすけ「お?」 風間くん 「みんなお前のせいだあぁぁぁ! うわぁーん!(パンチしてダッシュ)」 ネネちゃん「……というのは嘘だけどね。あたしがホモの裏事情なんて知るわけないじゃない」 しんのすけ「なにそれ」 ネネちゃん「別になんでもないわよ」 |
ヘテロの男がホモになるのではと自分を疑う瞬間というのは、かなりの恐怖ではないかという話。
滝川 「お………」 ひなた「おとーさん、なんであのおんなのひと見てるの?」 滝川 「い、いや別に……俺は別にあの女が胸がでかいから見てたわけじゃないぞ! ただ、ちょっとふわーって目がいっちゃっただけなんだ、ひなた!」 ひなた「ふーん……あ、おかーさん!」 滝川 「(びくっ)」 舞 「どうした、ひなた」 ひなた「あのね、おかーさん。さっきおとーさんがおんなのひと見てたのは、別におっぱいがおっきいからじゃなくてちょっとふわーって目がいっちゃったからなんだって! よかったねおかーさん!」 滝川 「ひなた―――っ!!!」 舞 「………ほう」 滝川 「ままままま舞、落ち着けよ、な? 俺が浮気なんてするはずないのはお前が一番よく知ってるだろ?」 舞 「とさっきまでは思っていたのだがな。私がいながら他の女に目を向けるとは……私もつくづく侮られたものだ」 滝川 「だからちょっと目がいっちゃっただけなんだって別になんもしてないって!」 舞 「なにかしようという気持ちがあったから目を向けたのであろうが」 滝川 「違うってー!」 舞 「死をもって償え! この大たわけーっ!!!」 滝川 「うぎゃああぁぁぁ!!!」 ひなた「……おかーさん、おとーさんどこいっちゃったの?」 舞 「あやつは少しばかり冥土に送っておいた。運がよければ帰ってこれるだろう」 |
おとーさんはいっしゅうかんごに帰ってきました(Byひなた)。
やっぱり恐妻家にとって一番怖いのは妻だろうということで。