あとがき。

 ……えーっとぉ……うーんとぉ……そのぉ……。
 …………………。
 説明しましょう。この小説は新ソードワールドリプレイ、通称ヘッポコーズの前一員ノリス・ウェイストック君の小説です。
 なんのことかよくわからない人のために解説。ソードワールドとはTRPG……まあコンピュータゲームに馴染んだ人に一番分かりやすく言うとオンラインゲームをオフで(つまり、遊ぶ人たちが直接集まって)コンピュータの代わりをGMと呼ばれる一人の人間が行うもんだと思ってください(実際にはTRPGこそがRPGの元祖なんですけどね)。
 コンピュータが介在しないんですから、当然グラフィックやBGMもありません(絵のうまい人に絵を描いてもらったり遊びながら音楽かけたりはできますけどね、そりゃ)。全てを想像力で賄わねばなりません。
 人間がやってるんだからミスもあります。売ってるゲームと違ってそう長い時間をシナリオにかけられるわけでもないので(だってみんな遊ぶために集まってるんであって、GMも当然仕事でシナリオ考えるわけじゃないんですからね、プロ以外は)大作ゲームのような壮大なシナリオがほいほい出てくるわけでもありません。というか、シナリオ自体を取り出してみると別にどっちゅーことない話なのがほとんどです(経験者は語る)。
 ですが。想像力で全てを賄わねばならないからこそ、想像力さえあれば可能性は無限です。
 もちろんルールでいろいろ規制されてはいます。でもそれは現実の世界でも同じ。それぞれにできることできないことがあって、社会通念上許されないこととかもあるけど、普通やらないことでもきちんとした理由と手段があればやれたりするんです。
 例えば、敵地に侵入するとき。見張りがいるとします。コンピュータゲームなら強行突破(戦闘)するか、イベントであっさり片付くシーンでしょう。
 ですがTRPGでは、自分たちにできることならなんでもできる世界ですから実に色々な選択肢があります。『強行突破』『魔法で眠らせる』『魔法で違う場所に音を出しておびきよせその隙にこっそり侵入』『美人のキャラクターに色仕掛けさせる』『仲間のフリをして侵入』『盗賊に単独突入させてさっくり殺らせちゃう(でも普通よっぽどレベルが高くないと人を一撃で気絶させるなんてできない)』などなど。
 それに『起こっておかしくないことならなんでも起きる』(現実と同じですね)世界なので、シナリオが思わぬところから全然別の方向に行っちゃったりすることもあります。キャンペーン(連続したシナリオ。それが全体で一つのシナリオをなす……まあコンピュータRPGのストーリーみたいなもんです)の大ボスが最初の顔見せの時に攻撃でクリティカル食らって死んだり、盗賊が簡単なはずの壁昇りで自動的失敗して落ちて死んだり、気合入れて作ったダンジョンを魔法とかでいきなりラスボスの部屋まで無傷で到達されたりとか。そういうどう転ぶかわからない点もTRPGの楽しさ。
 あと、普通TRPGでは戦闘で得られる経験展なんて微々たるもんです。死んだら最後そう簡単には生き返れません(少なくとも低レベルのうちは。とんでもない金とコネが必要)。だから基本的に危険を避け、知恵と策謀を使って敵を言いくるめたり(基本的にお喋りしながら進むゲームなので)うまくやり過ごしたりしながらどうしても倒さなければならない敵とだけ戦う、というのが基本的ポジションなのです(まあ、そうそううまい考えが思いつくわけでもないので、考えているうちに煮詰まってきてもういいやーと突っ込めゴーしちゃうことも非常によくあるのですが。経験者は語る2)。
 コンピュータゲームとはまた違う楽しみ方のある、コミュニケーション……というかお喋りのゲーム。みんなで一つのお話を作り上げるゲーム。その様子を子細に記録したのがTRPGリプレイなのです(前振り長え)。
 自分は実を言うとTRPGリプレイから本格的にこの世界に入った人なので、リプレイ……特にグループSNE(日本最大のTRPG会社)のリプレイには思い入れがあります。リプレイは今ネットに溢れているゲームプレイ日記と同じように、喋ったことを全部乗せるわけじゃなくて編集するわけですが、その編集がうまい人の手にかかればすんげー面白い。
 そして2003年1月現在ドラゴンマガジンで連載されている新ソードワールドリプレイの作者である秋田みやびさんは、この『編集がうまい人』に確実に属すると思います。
 興味のある方はとにかく一読のほどを。『ヘッポコーズ』が通称になるほどヘッポコな冒険者たちが成長していき……ながらもやっぱりヘッポコなさまが読みやすい文章で面白く描かれています。GMも最初は初心者なので、『え? え? なんでこういう展開に?』とかオロオロしながらも必死にマスタリングするところも見所。思わず応援したくなります。
 実は現在ドラゴンマガジンに連載されてるリプレイは第二期でして、文中のノリスとガルガドは第一期で引退したキャラクターです。現在はその代わりにエキューとバスというキャラクターが入っています。
 で……なんで……その、ノリスでこういう小説を書くことになったかというと……(やはリ避けては通れぬ話題か……)。
 冬コミで買ったヘッポコーズ本がいけないのです。
 もともと自分はイリーナが好きでした。ていうか今でも一番好きなキャラはイリーナです。筋力が人間の最高値な超絶怪力娘、正義の神の神官でとにかく突っ込めゴーな暴走突貫少女。真面目で運が悪くて武器が好きで知力が低くて……でも乙女心も忘れていない(実は)可愛い女の子。あーもうイリーナ可愛いなあ。ラブだ。
 で、ノリスなんですが……実は自分ノリスのことはけっこう厳しい目で見てました。プレイヤーさんもわざとやってるとは思うんですが、あの見事なまでの無能っぷり。自分はTRPGでは役立たずなキャラに対しては厳しいのです。……それに、悪いと思ってはいるんですが能力値の高いキャラ大好きな自分としてはあの知力と敏捷度の低さはどうも……。
 ですがノリスも回を追うごとに役に立つようになってきて、自分の好感度も少しずつ上がっていきました。それにダメを押したのが冬コミで買ったヘッポコーズ本。
 漫画で見てみるとノリス可愛いじゃないですか。お茶目なキャラクターでツッコミがいがある。どんなにバカやってもげし! と一撃すればきゅう〜、となっちゃうところも可愛い。よくよく見ればビジュアルもなかなか。ていうか15歳ってモロ自分の守備範囲年齢じゃん。
 ……そして自分の『ノリス可愛いなあ』という思いが、『ノリスって受だよね』という思いに発展するまでさほど時間はかかりませんでした……っていうかすぐでした。
 ノリス可愛いなあ、どうにかしたいなあ。ていうかノリスってアホだから(ひどい)過去に不良のにーちゃんとかにヤられちゃってても全然おかしくないよね。そういうの気にしなさそうだし。でも強姦ってイメージじゃないな。っつかノリスってアホだから(またひどい)あんまり苛めがいがない(鬼)んだよね。言葉責めしてもスルーされそうだし。それにノリスは甘やかした方が可愛くなるような気が……。
 というふうに自分の妄想は広がり、こういうショタエロの基本に返ったような『お兄ちゃんとボク〜いけないレッスン123』(なんじゃそりゃ!)的な作品に凝結したわけでございます……。年上のお兄ちゃんに性の手ほどきを受ける少年。モロ自分の守備範囲内なシチュエーションです。読む分には何作も読んでるんですが、書くのは初めてかもですね(ex-Dは性よりも愛が先にきてたし)。あとノリスみたいな快感に従順な白痴系受っていうのも書くの初めてでしたが、オッケーでした。しっかり守備範囲内に入ってました。
 ……でも、自分はこれをアップするのが正直怖くてたまりません……。なぜって? ……もし版権元(グループSNE)にバレて文句つけられたらどうしようって考えると恐ろしいんじゃあ!
 だってさー、バレる率他のジャンルと比べてかなり高いような気がするんですよねー。リプレイの二次創作ってあんまり見ないし。
 第一これってある意味生ものなんですよ。演じてる人が実際にいるんですよ。その人がこれを読んだときの事を考えると……ううう、怖い……。
 それにTRPG界って他のジャンルと比べて圧倒的にホモ慣れしてないような気がして。ホモというだけで版権元のみならずファンの方々にも拒否反応示されそうで(これもかなりコワイ)。
 そんなに怖いのになんでアップするのかっていうと、ともかく書いちゃったんだから人に見せたい、聞けるもんなら感想を聞きたいという気持ちがまず一つ(貧乏くさ……)。それに、いかにホモ慣れしていなかろうと、他のジャンルと差別してはいかん! という気持ちが一つ。そりゃある意味生ものですが、某踊るとか某特撮系とかでホモやってる人たちだってあくまで演じているキャラをホモにしているのであって役者さんをホモにしているのではない。キャラ萌えであって実在の人物に萌えているわけではない。ならばリプレイのキャラでホモをやったとてなんの問題があろうか! ……とか、正直思ってます。
 でももちろん読んだ人が不快になることをよしとしているわけではありません。理屈はどうあれ自分のやったキャラがホモになるなんてすごく嫌、って思う方もいらっしゃるでしょうし(ノリスのプレイヤーさんだってそういう方かもしれませんし)。リプレイのファンの方でノリスがホモになるなんて嫌、っていう方も当然いらっしゃるでしょうし。もし万一秋田みやびさんがこれをお読みになって不快に思われたら自分合わせる顔がありませんし(会ったことありませんけどね)。
 そこで、この小説はもし一通でも苦情メールが来たら潔く削除させていただくことにします。入口でホモ嫌いな人は入っちゃダメって書いてますからそれを乗り越えたのにリプレイのホモダメっていうのは理不尽な気もしますが、検索で飛んできちゃうとかいう事ありえますし。ホモ慣れしていないTRPGファンの方々へのせめてもの心遣いです(もっともきちんとネチケットにのっとっていないメールは無視しますけどね。あと掲示板に書き込むなんてのも即効削除して黙殺します。隠しのことは書くなって書いてるんですから)。
 だから! どうか! 文句をつければ削除される小説なんですから、くれぐれもグループSNEにはばらさないでくださいね! 富士見系はただでさえホモ少ないのに、リプレイなんてそのさらに極北。版権元にばらされたらこのサイトの存続に関わりかねんのですよ〜!
 どうかなにとぞお願いします。みなさんの好意を信じております! 文句は受け付けておりますから!
 ……でも、『実は自分もノリス受だと思ってました』って方がいらっしゃったら、とっても嬉しいな〜。もしそんなメール送ってくださったら(掲示板にはやめてね)天にも昇る心地でお返事書きますね、きっと(ないない)。
 あ、もちろん『イリーナたんハアハア』とか『カレンさん萌え〜』とか『マウナはとっととクラウスさんとくっつくべきだと思う』とかいうメールでも、自分はまったくかまいませんよ?(笑)
 それでは、このへんで。
 ……実はこの話には続きがあったりするのですが(ノリス旅立ち後のお話)、多分誰も読んでくれないだろうし自分一人のために全部書く気力もありませんから、おそらく闇に葬られることになるでしょう。
 自分の心の中だけでこっそり楽しみます。もちろん書けというメールが来たら書くと思うけど(笑)。
 念の為申し上げておきますが、これは一切実在のキャラクターや設定とは関係ない、自分の妄想小説ですからね! これを真に受けてリプレイ読まないでくださいね(ノリス以外にもガルガドさんのプリーストになった理由とか勝手に決めちゃってるし)!

戻る   隠しNOVELtopへ