あとがき。

 この話は『女郎花の唄う頃』、『ナスタチウムの見上げる空』同様、リンクさせていただいているサイト、『雨上がり☆AfterSchool』の看板息子くんの一人、森新くんの小説です。
 新くんの場合、『雨上がり☆AfterSchool』の管理人木元ハジメさんから軽くネタを提供していただいていました。『田舎の民宿の息子だし少年盛りとかどうよ?』ということで、木元さん的には田舎の民宿の隠されたサービス的な方向の話を想定していらっしゃったようですが(相手がヤクザとかそんなようなことも言ってた記憶があるし)、自分はそういう……なんていうんですか、男の子がお仕事でエロるのとかを作品で書くのって苦手で。
 だってそういう状況に陥ったら普通嫌だな〜とか思うじゃないですか? で、自分不遇な境遇に陥った少年を書く時にはですね、その境遇と戦わせたくなるんですよ! 不幸にひたすらただ耐えるっていうのやらせたくないの。自分物語を書く時は登場人物に幸せになってほしいな〜とか思いながら書いてるところがあるので、主人公になった男の子には自分を取り巻く不幸な環境と戦い抜く気概を持たせたくなるんです!
 なので自分は男の子にエロってもらう時は基本合意になるのでした。今回も自分的にはわりと普通に恋物語にしたつもりです。
 まぁ、攻であるところのおっさんは変態ですが……(笑)。いやだって同意の上で少年盛りというシチュを考えたら、この世のどんなこともやってみたいとは思えずただ与えられた環境に対応することしかしてこなかった男が、唯一したいと思ったことをやらせてあげたいと思う少年……みたいな話の展開しか思いつかなかったんですよ! ちなみにあれでもマイルドになってますよ、最初に送った作品は変態色が強すぎて修正喰らいましたから(笑)。
 そういう話の展開だったので、新くんよりも相手役であるおっさんの方が目立ってる気がするのは本当に申し訳ない。ただ新くんの設定が、『田舎の民宿の一人息子。しぶしぶ家業を手伝っているが、お客から都会の話を聞くのは好き。早く大人になって上京したいと思っている』っていうのだったんで、基本普通の駄々っ子っぽいイメージが強かったんですよね。そんな子が変わったおっさんと出会って、恋をして……という展開を思い描いてたわけです。
 あとお母さんと駐在さんのものわかりがよすぎるんじゃ、という点も申し訳ない。書いてる時は人情話に弱い人だったらこうなるだろうってわりとあっさり書いちゃってたんですけどね。あんまり泥沼にはしたくなかったし。まぁおっさんはあれで真面目だし誠実だしけっこう稼ぐ奴なので、そう悪い相手じゃなかったと判断してやってください。
 ちなみに今回のタイトルになる蓬(よもぎ)の花言葉は、幸福、平和、平穏、静穏、夫婦愛、そして決して離れない≠セそうです。

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