招待券があったので、映画「ブラッド・ダイヤモンド」を見にいった。
最初に断っておくが、俺は映画は、人間の深い内面を描いたものとか、細部が良く工夫され、フレームの隅々にまで創意が満ちあふれ、さらにフレームの外にまで世界が広がってゆくような作品が好きである。逆に嫌いな映画は、登場人物の行動やセリフでただストーリーを説明しただけのようなもの、つまりすべての要素が物語を前に進めるだけの駒にしかなっていないような作品、である。
そして、この「ブラッド・ダイヤモンド」は典型的な後者だったりする。確かにストーリー自体は良い。ラストはとても感動するし、題材も非常に興味深いし、良い映画と言えば良い映画でもある。しかし俺が映画に求めるものはここには何も無い。ぶっちゃけ、最後の数十分以外はまるで詰まらなかった。演出や脚本は無難に見えるが、その実かなり稚拙。
ジェニファー・コネリーをおよそ20年ぶりくらいに見た。最近ちらほらメジャーな映画で見掛けるので、14歳の時の衝撃デビュー直後の死体のプール沈没から、やっと復活したのかと思いきや、まあ恐ろしいほど演技が下手だ。振り返りみれば、ジェニファー・コネリーのクサい演技がおかしくて、それが一番楽しめた要素だったような気がする。
夜、借りたDVDを返すのと、貸してたDVDを返してもらうので、小梅さんと恵比寿で待ち合わせ。ついでに彼女がボルシチが好きだというので、キッチン・ボンにお連れして食事をした。ここは俺が30年前、父に連れてきてもらって以来お気に入りのレストランで、値段はちょっと高いが、めしは何を食ってもうまい。特に50年前に作ってからずっと継ぎ足してきた伝統のボルシチが有名で、俺はここ以外でボルシチを食ったことが無いので基準がわからないが、とにかくうまい。食事は大車海老フライとカレーライスを頼んだ。ここでカレーを食ったのは今日が初めてだったのだが、さすが、カレーもうまい。またそのうち誰か連れて来よう。