非幻想異端的日常
2007年 5月 1日 (火)
 招待券があったので、映画「ブラッド・ダイヤモンド」を見にいった。
★★ 最初に断っておくが、俺は映画は、人間の深い内面を描いたものとか、細部が良く工夫され、フレームの隅々にまで創意が満ちあふれ、さらにフレームの外にまで世界が広がってゆくような作品が好きである。逆に嫌いな映画は、登場人物の行動やセリフでただストーリーを説明しただけのようなもの、つまりすべての要素が物語を前に進めるだけの駒にしかなっていないような作品、である。
 そして、この「ブラッド・ダイヤモンド」は典型的な後者だったりする。確かにストーリー自体は良い。ラストはとても感動するし、題材も非常に興味深いし、良い映画と言えば良い映画でもある。しかし俺が映画に求めるものはここには何も無い。ぶっちゃけ、最後の数十分以外はまるで詰まらなかった。演出や脚本は無難に見えるが、その実かなり稚拙。
 ジェニファー・コネリーをおよそ20年ぶりくらいに見た。最近ちらほらメジャーな映画で見掛けるので、14歳の時の衝撃デビュー直後の死体のプール沈没から、やっと復活したのかと思いきや、まあ恐ろしいほど演技が下手だ。振り返りみれば、ジェニファー・コネリーのクサい演技がおかしくて、それが一番楽しめた要素だったような気がする。

 夜、借りたDVDを返すのと、貸してたDVDを返してもらうので、小梅さんと恵比寿で待ち合わせ。ついでに彼女がボルシチが好きだというので、キッチン・ボンにお連れして食事をした。ここは俺が30年前、父に連れてきてもらって以来お気に入りのレストランで、値段はちょっと高いが、めしは何を食ってもうまい。特に50年前に作ってからずっと継ぎ足してきた伝統のボルシチが有名で、俺はここ以外でボルシチを食ったことが無いので基準がわからないが、とにかくうまい。食事は大車海老フライとカレーライスを頼んだ。ここでカレーを食ったのは今日が初めてだったのだが、さすが、カレーもうまい。またそのうち誰か連れて来よう。

2007年 5月 2日 (水)
 洗濯に行こうと思ったら雨が降っていたのでやめた。
 昼食はスパイスヘブンでインド料理のバイキング。これでカレー5日目。
 仕事はドン底ながら順調。
 夜は早く眠くなったので、早く寝た。

2007年 5月 3日 (木)
 早起き。仕事。ひさしぶりの洗濯。まずい豚肉の入ったチェーン店のカレー。ロッキ−3。仕事。サッポロ一番。チェビー・チェイス。

2007年 5月 4日 (金)
 下関マグロさんと六本木でお仕事。それなりに。
 仕事の後、喫茶店でお茶しながら仕事の反省会。それなり。

2007年 5月 5日 (土)
 去年自主映画関係の上映会で知り合った笛田さんというシンガーソングライターの方がいて、俺は彼女の音楽が好きでよくCDを聴いている。
演者カタログ ほとんどインドの歌謡曲しか聴かない俺が、目下唯一気に入っている日本の歌手なのだが、彼女が代々木公園で路上ライブをやるというので、外出のついでに寄ってきた。
 最初なかなか見つからず、代々木公園を歩き回っていたら、なんとNHKの前にいた。彼女の歌の歌詞は「Fuck you!」と叫んだりゲロを吐いたりエログロだったりやたら暗かったり、わりと過激なのだが、それをNHKのド真ん前で熱唱するとは、見上げた反骨精神だ。
 彼女のライブを見るのは初めてだったが、やはりじかに聴くと更に素晴らしい。歌うまい。ちょっと荒削りなアングラさがまた味わい深い。いつかメジャーになってほしいアーチストである。
 この後、約束があったので三曲しか聴けなかったし、挨拶もできなかったが、彼女の新しいアルバムも買えたので、ほくほくとその場を後にした。

 横浜の居酒屋でお友達のJ子さんと飲み。ボケとツッコミの会話に花を咲かせ、やたらおもしろかった。たまにはこういう酒もいいね。

2007年 5月 6日 (日)
 埼玉のインド料理店ホットマサラにて、毎月恒例の印度カラオケ・パーティー。
 今回の参加者はレイコさん、花乃さん、花乃さんの新しい彼氏、花乃さんの大学の友達、1年ぶりに参加する女性ひとり、初めて参加する男性ひとり、そしてパキスタン人数人。初めて参加する男性はあまり楽しくなかったらしく、途中で帰った。
 前回の印度カラオケで撮影した動画がYouTubeでアップされ好評を博したので、もう持ってこないつもりだったのだが、レイコさんにリクエストされてまたビデオカメラを持参した。
 今日のカラオケは長丁場で昼の1時から夜の8時まで7時間。食べ放題のインド料理をだらだら食いながら、マイクを握ってヒンディー語の歌を唄いまくった。俺はいつも歌っている「Tujhe Dekha To Ye」の他、初めて「Choli Ke Peeche」も歌った。
 「Choli Ke Peeche」は俺の大好きなインド映画「Khal Nayak」の名曲で、ずっと前に探した時はなかったのだが、いつのまにか入っていた。歌ってみたら単調なメロディにしてかなり長い曲で、途中で疲れた。
 だいたい俺の好きなインドの曲は女性ボーカルが多く、インドの女性ボーカルは超ソプラノなのでなかなか選曲が難しい。

2007年 5月 7日 (月)
 一日中、動画の編集をしていた。

2007年 5月 8日 (火)
 ドキュメンタリー映画の鬼才・原一男の出世作「極私的エロス・恋歌1974」を見た。
★★ 監督の原一男が型破りな元恋人・武田美由紀をカメラで追いかけた私的なドキュメンタリー映画。音声とプロデュースをやっている小林佐智子さんは当時の恋人。つまり監督と主役とスタッフで見事な三角関係が形成されているという、映画の内容がではなく、映画そのものがドキュメンタリーのような映画である。
 有名なのは武田美由紀が孕んだ黒人のセフレとの子供を自宅で自力で出産するシーン。何も手を出さず、ただマイクを握って状況を見守る小林さんと、裸の股を広げてひたすら唸って赤ん坊をひねり出そうとする武田美由紀、そしてその場面を正視できない監督・原一男の心理を象徴するかのようなピンボケのカメラ。深い。
 しかし俺はむしろ名高い出産シーンよりは、カメラを握って元恋人を追いかける監督と、奔放に生きる武田美由紀の間に挟まれながら、健気に現場で働く小林佐智子さんの微妙な位置付けがおもしろいと思った。
 この映画を見た後、トイレで大をしてて、出産シーンが頭にちらついて仕方がなかった。似て異なるものの究極かもしれんな。

2007年 5月 9日 (水)
 映画撮影の機材で移動撮影に必要なステディカムが欲しかったので、父上に「あなたの息子が20年ごしにようやく映画監督への道を歩み始めたのだから、少しは投資くらいしてくれよ。はははははっ」とさりげなく言ってみたら、あっさり「よしわかった。幾ら必要なんだ」と言ってくれたのでステディカムを買える金額を伝えておいたら暫くして電話があり、「金は用意したぞ。静香(妹1)とめしでも食いにこい」と言うので、本日、汐留の中華料理屋で父上と静香とその彼氏と4人でめしを食いにいってきた。ちなみにステディカムは既に注文した♪
 中華を食いながら3年ものの紹興酒を飲み、しこたま酔っぱらい、そのうち父上が自分の会社に電話をして社員を5人ばかり呼び、それがごそごそとやってきて、わりと大人数で長時間の飲み会となった。例によって俺は大して話しもせず、持参していたカメラを回して飲み食いしゃべくる人間模様を撮影して遊んでいた。
 帰って撮影したビデオを見たが、父上の無駄話は細部が誇張され、大雑把で大仰で、普通に聞いてる分には適当に流しているが、こうしてビデオにしてみると、味があって実におもしろい。よく現実では大げさなくらいが、映像作品にしてみるとちょうど良く見えるという法則を耳にするが、確かに本当にそうだな。

2007年 5月 10日 (木)
 横浜。寿司。下呂。そして妹。

2007年 5月 11日 (金)
 渋谷の青い部屋というサロンで行なわれた下関マグロ先生が主催するトーク・イベント「異種トーク大会! hanashi-ya」を見にいった。内容はそのまんま、出演者がステージにあがってトークをする。出演者は有名無名入り混じり十人ほど。司会は下関マグロ先生。
 最初のふたりはぜんぜん知らない人で、かなりゆるいトークと一人芝居だった。一人芝居はちんこを出してその先に絵の具をつけて絵を描くというパフォーマンスがあり、この手の全体的にゆるくてところどころ過激なだけのイベントかなと思ったら、その後の演者はどれも普通におもしろく、完成度が高くて驚いた。
 目星いところでは、女性の落語家のかたがウクレレを持って漫談をやり、これが矢鱈おもしろくて笑えた。エロ本ライターのかたがエロ本のウンチク話しを展開したが、これもなかなかおもしろかった。エロ漫画家とエロ・カウンセラーと称するエロ系女性のトークもふたつばかしあったが、これらもおもしろかった。注目すべきはかの元UWFインター所属のプロレスラー・柿原が「ミヤマ仮面」という覆面レスラーとして出演し、プロレスのトークをやった。こんなところで昔よく試合を見に行った柿原が見れるとは思わなかった。しかもトークもむちゃくちゃおもしろかった。そしてラストはなべやかん。さすが有名どころで、それなりにおもしろかった。
 俺はカクテルを2杯ばかり飲み、カレーを食いながら鑑賞。最近はこういうイベントで飲む酒が一番うまい。カレーは何故か本格的なバターチキンで、わりとうまかった。

 帰り、宇井郎さんから友達と新宿にいると電話があり、合流して一緒に事務所に帰った。自主映画のビデオなどを見ながら雑談をし、そのまま宇井郎さんたちは泊まっていった。

2007年 5月 12日 (土)
 下関マグロ先生と渋谷で取材。帰り、オーカルカッタでインド料理の食べ放題しながら、本日の反省会をやった。

2007年 5月 13日 (日)
 音楽で映画を作るコミュニティのミーティング。ミーティングと言ってもこないだもやったばかりだし、話し合ってばかりも詰まらないので、今日は天気のいい外に出て、皆で代々木公園を歩きながら、撮影会をやった。
 代々木公園の入口あたりで赤くて長い布にまかれて宙に浮いてる大道芸人みたいな外人がいて、気紛れにそれを撮影しているうちに皆とはぐれた。仕方なくひとりでうろうろしていたら、代々木公園沿いの道路沿いに、様々なミュージシャンたちが歌ったり演奏したりしている。ひと組、高校生くらいの初々しい少女ふたりが、マイクも使わず、誰も立ち止まる者もおらず、下手な歌声で並んで健気に歌を歌っている姿を見かけて心を打たれ、何気にカメラを回していた。
 そのうちヤスさんから電話があり、ふたたび合流。ヤスさんはギター、コンノさんはパーカッションで演奏、石井さんはカメラでそんなふたりを撮影していた。俺もDVX100Bを引っ張り出し,撮影。わりと使えそうな画が撮れた気がする。何にも使わない可能性は高いが。
 とりあえず今後の展開に期待したい。

 野方区民ホールにて開催された自主映画の上映会「みんなのエイガ」に出席。上映された映画は「フライデー」「紅葉」「満月の夜は」「Choice」の四本。
 「紅葉」は自主映画Reの撮影に一度だけ手伝いに来てくれた浅葱さんの友達のマシュ〜監督の新作。今日の上映会も彼にお知らせのメールを最初にいただいたのだ。いつもながら映像と女性が美しい映画で、それなりに引き込まれた。しかし途中で少し寝てしまったので、そのうちもう一度見たい。
 「満月の夜は」も自主映画Reの照明をやったやっさんがスタッフとして参加した作品。コメディなのだが、音が小さくてセリフがぜんぜん聞き取れず、役者がおかしそうな演技をしている様がやたら寒くみえる。笑いそのものもベタで寒い。
 やっさんとマシュ〜監督は今日まで面識がなかったようで、図らずもふたりの携わった自主映画が同じ上映会で上映されたのはまったくの偶然である。
 本日はそれなりに見所はあったが、全体的に中身の薄い上映会であった。

 帰って、少しテレビを見てから、朝まで動画の編集作業にあけくれた。

2007年 5月 14日 (月)
GLIDECAM2000PRO 朝、ヤフオクで買ったステディカムが届いた。早速DVX100Bを取り付け使用感を試してみる。予想していたことだがやはりかなり重く、長時間の撮影だとカメラをからだに固定するアームジャケットみたいなもんが無いとキツい。カメラとステディカムを水平に保つために重りをつけたりカメラの位置を調整したりするのだが、このバランスが難しく、使う前の準備にわりと時間をとられる。しかも使っているうちにすぐまた調整が狂う。使っていても、風が吹いたり身体がどこかにぶつかったりする度に、カメラがグラグラ揺れたりする。使いこなせるまではかなり練習が必要のようだ。
 とりあえず俺はステディカムを使った雲の上を散歩するような映像が好きなので、なんとかモノにして素晴らしい映像を作りたい。

 一日中事務所にこもって動画編集。

 夕方、いきなり大道寺がやってきた。ちょうどいいので彼を表にひっぱり出し、ステディカムの撮影テストをやった。しかし、誰か来ないかなぁ、とは思っていたが、よりによって大道寺かよ。

2007年 5月 15日 (火)
 新宿で取材。カッコいい可愛らしいお肉の撮影。

2007年 5月 16日 (水)
 下関マグロ先生と新宿で取材。女王様に鞭で叩かれ、痛かった。

2007年 5月 17日 (木)
 下関マグロ先生と錦糸町で取材。可愛らしいだけのお肉の撮影。

2007年 5月 18日 (金)
 「夕陽のガンマン」のクリント・イーストウッドの真似をしているうちに葉巻のうまさを知り、最近、葉巻をよく吸うようになった。
 まだ銘柄がよくわからないので安物でいろんな種類を適当に買って吸っていたが、しかしなんだ、たまに「バニラ味」とか「コーヒー味」とか、わかりやすい味のついた葉巻があるが(シガリロに多い)、これが本来の葉っぱの味わいをただ覆い隠しているだけで、何ともマズい。こういうのって、ただ葉巻を吸う真似がしたいだけの人のためにある葉巻なのだろうか。
 葉巻は肺まで吸い込まず、くゆらせるだけだが、その際、口内の粘膜からニコチンを吸収するらしいので、やはり吸っていると落ち着くし、暫く吸っていないと禁断症状で吸いたいと思うようになる。葉巻が切れてしまったときは、吸い殻の短いやつを口の端にくわえて葉っぱを軽く噛んでいるだけで、わりと満たされる。なるほど、こういうことだったのか。


 夜、初めての来客。さて、どうなりますことやら。

2007年 5月 19日 (土)
 今週、連日徹夜して作業していた仕事がようやく一段落。しかしこれにかかりきりだった為、たまった仕事が後にまだ山のように控えており、明日からまた連日徹夜の日々が訪れる。
 ちょっと息抜きに、友達のH子さんとアルタ前で待ち合わせしてゴールデン街に飲みに行った。この歳になって何故か今までひとりも出来たことの無い、飲み友達の類いが増えてきている(なぜか全員、オバサン)。ようやく俺も大人になってきたんだな。
 ゴールデン街で飲むのはおよそ10年ぶり。初めてゴールデン街に来たのは15年前、夜長さんと初めて会った時である。その時に飲みに行った「クラクラ」という店に行ってみた。あの時は狭い店だったが、なんでも5年ほど前に増築したらしく、普通の居酒屋っぽい部屋ができており、通常のカウンターは混んでいたので、その新しい別室で飲んだ。日本酒をコップ3杯ほど飲んで、しこたま酔っぱらい、ふたりとも急に甘いものが食いたくなり、コンビニで特大のパフェを買って食った。
 そのまま事務所に帰ってガーと眠った。

 明け方、起きたらまだ酒が残っていて、喉がやたら乾き、コーラをがぶ飲みしていたら、吐き気をもようしてトイレで吐いた。
 やはり俺の日本酒のキャパは2杯までだな。3杯飲めば必ず後で1杯分吐くし、4杯飲めば2杯分、吐く。如何ともし難い。

2007年 5月 20日 (日)
 高田馬場のミニシアター・ババチョップにて月イチ恒例の自主映画上映会&ワークショップ。今回、俺が主催するゼロ映コミュに告知を出してみたら、大道寺がひっかかり、彼が初参加。
 上映会のラインナップはまあまあ。マッドシティ監督「おもしろポンチ」というのがツボに入った以外は全体的に普通だった。しかし一部の作品は部分的に見るべきものはあった。例えばフランス人のアレックスの撮ったサイレント映画「SUND」のシャープな演出とか、前回のワークショップで撮影した(4月22日の日記参照)「Love Dollに花束を」の編集の妙とか。
 ちなみに大道寺は「Love Dollに花束を」のタイトルに惹かれ(何故かは「ラブドール」でGoogle検索すると解る)、ダッチワイフに贈呈する花束を持参してきていた。ちなみにこの映画で「Love Doll」とは文字通り「愛する人形」といった意味で、本編にダッチワイフは出てこない。
ババチョップ ワークショップは演出におけるカメラ目線の関係性を中心とした演出論およびカメラワーク全般をざっくばらんに網羅した即興劇風展開の様相であった。最初は退屈だったが、だんだんおもしろくなってきて、勉強になった。
 それにしてもやはりワークショップの類いはあまり気合い入れて見てしまうとこれまでの自分の演出や映画作法のペースに乱れが生じる面もあるので、勉強しつつも、自分を見失わぬよう気をつけたい。
 通常ならこの後、朝まで飲み会があるのだが、仕事が忙しかったので、俺はワークショップで切り上げて帰った。帰り際、大道寺がラブドールの女優さんに花束を渡すのを手伝った。なんかそれなりに喜ばれていたみたい。
 ちなみに画像はワークショップの様子である。

2007年 5月 21日 (月)
道産子風赤飯 俺が北海道の赤飯が好きだとは前にも書いたが、先日、ネットで北海道の赤飯のレシピを見つけ、割と簡単に作れることを発見し、作ってみた。
 北海道の赤飯とは、豆の代わりに甘納豆を使うので、甘いのだ。
 作り方は簡単。餅米を磨いで甘納豆と食紅と少量の塩を入れ、普通に炊くだけ。これなら料理の苦手な俺でも作れる。
 で、作ってみたが、これが食紅を入れすぎて普通ピンク色になるところが血のように真っ赤っか、おまけに甘納豆を入れすぎてちょっと甘すぎた。まあ料理の苦手な俺が初めてつくったのだから、この程度の歪みは想定の範囲内である。
 味はそれなりにうまかった。また作ろう。

2007年 5月 22日 (火)
 新宿南口で撮影。今日はある意味やりにくく、ある意味やりやすかった。

 最近、映画の感想が少ないが、映画はちゃんと毎日のように見ている。ただ、感想をどうも書く気になれないのだ。
 結局、俺が映画の感想の名目で書いている文章は、綿密には映画の感想ではなく、それを見る俺の視点を語りたいだけなのだ。
 だから過去に書いた他の映画の感想で既に語られた視点しか無い場合、書いててもつまらないし、まあおもしろくて気に入った映画だったらオススメの映画を世に広める意義もあろうが、大して気に入らなかった映画について頭ごなしに俺の視点を語っても、その映画を好きな読者に水を差すくらいにしかならんような気がするのだな。
 ちなみに最近見たけど感想を書かなかった映画はハーヴェイ・カイテル主演「スモーク」、原田美枝子主演「愛を乞うひと」、ジェット・リー主演「キス・オブ・ザ・ドラゴン」、成瀬巳喜男監督「めし」などである。どれも悪い映画じゃなかったけどね。
 そろそろガツンと一発、おもしろい映画を見たいもんだ。

2007年 5月 23日 (水)
カレー ひさびさに昼食はスパイスヘブンでインド料理のランチバイキング(画像左)。
 ついでに先週、錦糸町で見つけたそば屋で食ったカレー丼の画像も載せておこう(画像右)。なんでも「どっちの料理ショー」にカレー丼で出場したカレー丼らしい。
 相変わらずカレーばかり食ってるな。

 夜、大道寺が来た。彼は目がよく見えないので駅からうちに来る途中でどこにいるのかわからなくなり、迷って電話してきた。俺は外に出て、携帯電話片手に、目の不自由な彼の「人通りが少ない」とか「都庁の近くだと思う」だとか「大きなビルが見える」とか「上にいる」とか「下にいる」とか「車がたくさん走っている」などの漠然とした手がかりから彼を捜した。
 最初は面倒臭かったが、だんだんゲーム感覚でおもしろくなってきて、発狂した大道寺が「もういいっすよ、俺タクシーつかまえて行きますから!」と言った時にはこの大道寺を探せ in 西新宿ゲームがゲームオーバーになってしまうのかと失望しかけたが、なんとか都庁通りでうんこ座りで世のすべてに怨嗟を吐き続ける彼を見つけることができて、達成感を味わうことができた。彼は迷っている最中、酔っぱらいに絡まれたり誰も道を親切に教えてくれなかったりして精神的にかなり追いつめられていたようだ。お疲れ様。
 社長室で1時間ほど話して、彼は帰っていった。

2007年 5月 24日 (木)
 眠くなったら寝巻きに着替えもせずソファーで寝て、目が覚めたらすぐにまた仕事、24時間以上の間を置いて食事、映画鑑賞、頭がかゆくなってきたら風呂、みたいな生活をここんとこ続けている。
 ぜんぜん儲かってないが、忙しいのだ。

 葉巻を吸ってると肺に吸い込まないのにかなり頭がクラクラし、酩酊状態に陥る。口内の粘膜からかなりの量のニコチンを摂取しているに違いない。やっぱりこれって普通の煙草よりからだに悪いような気がする。本数控えよう。

2007年 5月 25日 (金)
 池袋。動画編集。そうめん。おにぎり。インド映画。

2007年 5月 26日 (土)
 俺は人生のうちで金がじゅうぶん有り余っていた時期は僅か数年ほどだが、それでもこの数年は特に金が無くて喘いでいた。そしてここ1年、崖っぷちで更に崖っぷちにズリズリとズリ下がりつつ落ちそうで落ちない、果てしなく崖っぷちに近付いてゆき続けるかのごとき日々が続いていた。二三度、崖っぷちから足を踏み外して落ちかけたところを何とか手で岩に掴まって、這い上がったりもしたが、状況はそれほど変わらなかった。
 ところがここにきて、ついに、崖から真っ逆さまに落ちる日がやってきた。
 俺は本当にこのまま下まで落ちるのだろうか。
 這い上がる道は残されているのだろうか。
 残されているとして、俺の性格は果たしてそれを見出し、実行することが出来るのだろうか。
 まあ崖っぷち生活も長過ぎたし、ここらへんで次なるステップとしては、こういう状態はアリかもな。


★★★★ 映画「空中庭園」を見た。小泉今日子、ソニン主演。
 ひさびさに感想書く気になる映画を見れてよかった。俺は「逆噴射家族」や「家族ゲーム」や、このタイプの映画が好きらしい。しかしラストはうまくまとめすぎたね。もっと微妙にしたら前出の2作にさえ並んだ可能性もなきにしもあらず。しかしこのいらんわかりやすさはラストだけでなく、全編に渡ってラストほど鼻につかない程度にちらほら存在してはいる。
 映像表現が凝ってて、ちょっと変態ぽくて素敵。作られた家族を繋ぐ希薄な精神が壊れ、歪んでゆく様を表現した演出、グラグラ揺れるカメラワークが効果的。長回しも良かった。
 監督は覚醒剤から足を洗ってさっさと次回作を作ってほしい。

2007年 5月 27日 (日)
 崖っぷちから這い上がるべく、休日だというのに仕事をしていた。昼過ぎ、宇井郎さんがやってきた。崖っぷちから落ちたもの同志、崖っぷち対談に花を咲かせ、まったり這い上がる対策などを話し合うともなしに雑談。
 とりあえずReの音楽面の打ち合せの段取りを組んだ。

2007年 5月 28日 (月)
 崖っぷちとはいえ、やはり週末すべてを仕事に費やすのはイヤなので、Reの編集作業の準備にラッシュをチェックしていた。早起きしたので午前中のかなり早い時間に大方片付いた。来週あたりから粗編集くらいはとりかかれるかもしれない。

 夜、俳優の先生の愉快さんの主催する大縁会と称するクリエイター同士の交流会という名目の飲み会。これで参加するのは2回目。本日の参加は7名。愉快さんと俺と、女優さん3人、音楽家ひとり、写真家ひとりの構成である。
 相変わらず普通の飲み会だったが、まもなくこの会が主催の企画が始まるようで、楽しみだ。

2007年 5月 29日 (火)
 受け身の練習しながら谷底に落下中。空中で受け身の練習するのは難しい。
 こんなことやってるより、足から落ちるようにバランスを取っていた方が得策だろうか。
 とりあえず死ななきゃいいのだ。

2007年 5月 30日 (水)
 西船橋で撮影。新しい企画をひっさげ、古い知り合いのところに突撃。
 いろいろな意味でやりにくかった。でもまあ、楽しかった。

2007年 5月 31日 (木)
 六本木。
 六本木の空は夜なのに明るかった。俺の心は昼間なのに眠っていた。徹夜明けの空は暗くよどんでいた。


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