非幻想異端的日常
2007年 4月 1日 (日)
セカンド花見 ミクシィの南インド料理のコミュニティの花見に参加。場所は飛鳥山公園。主催はもちろん、南インド料理の伝道者・怪しいおぢさんである。コスプレ可とのことなので、クルタを着て行った。
 満開の桜の下、おぢさんの作った豪勢な南インド料理を食いまくった(画像参照)。風が吹いててクルタを着る身にこたえたが、桜の舞い散る様が美しく、暫し寒さを忘れる瞬間もあった。おぢさんは酒をしたたか呑んで上機嫌。至福のひとときだった。

 ちなみに今日が人生、2度目の花見である。去年、俺はこの場所で、花見デビューを飾ったのだ(2006年4月2日の日記参照)。
 桜を見上げていて、ふと去年の今ごろを思い出した。あの頃と今、どちらの俺が幸せだろうか。答えを出すのは簡単で、それを認めるのは少し難しい。

2007年 4月 2日 (月)
 母が同じマンションの5階から1階に引っ越すので、荷物を運ぶ手伝いに行った。
 とりあえず母の指示通りに動いた。もう片っ端からガーッと運んでしまえば早く終わりそうだが、順番とかがあるようで、ペースがつかめず、いまいちグダグダになってしまい、思いの外お役に立てなかった気がする。
 重いものを運びながら、鼻がズルズル音をたて、たまにくしゃみが止まらず、おびただしい量のちり紙を葬りながら、メンソレータムを鼻の下に塗りつつ、働いた。掃除や引っ越しなど、埃の舞う作業は鼻の弱い俺にはかなり難関だ。終いには鼻の奥が痛み出す。
 夜は寿司を食わせてもらい、帰った。

2007年 4月 3日 (火)
 コジロウさんと渋谷へ打ち合せに行った帰り、道玄坂のカレー屋「いんでいら」で食事。メニューには欧風カレーとインド風カレーがあり、コジロウさんは欧風ポークカレー、俺はインド風チキン・カシミール風カレーを頼んだ。ここは欧風カレーが有名らしいが、インド風カレーのほうがうまい。この手の日本人がやっているインド風カレーはチャチな味が多いが、ここはなかなか本格的で、カシミール風とか言って、本当にインド料理屋で食うようなカシミール風の味になってたりする。ただ如何せん、量が少ない。

 映画「ヘヴン」を見た。「パフューム」や「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァ監督。主演はケイト・ブランシェット。制作は独・米・仏・英・伊だが、舞台はイタリアで言語もイタリア語。監督はドイツ出身。主演女優はオーストラリア人。TSUTAYAにはポーランド映画の欄にあった。まあそれはキシュロフスキの遺稿を映画化したものだからだが、それにしても多国籍な映画だ。
★★ ケイト・ブランシェットって初めて見たが、良い女優だ。高校の頃に好きだったシャーロット・ランプリングに似ていて萌える。
 相手役の青年が脇役のようにさりげなく登場するところが良い。ケイト・ブランシェットの前半の演技が良い。映像はキレイ。しかしこういう映像がキレイなだけで中身の無い映画、あるいは映像のキレイさと中身を取り違えたような映画と言い換えても良いが、とにかくこういうタイプの映画は嫌いだ。
 興味を惹き付けられた前半に対して、ひたすらシンプルにフェイドアウトしてゆくような後半は思考停止してひたすら映像に見とれていれば良いのかもしれない。

2007年 4月 4日 (水)
 朝7時に夕食(前日の)を食い、睡眠。
 午後2時頃起きて、朝食とらずに仕事。
 夜9時、昼食。夕食はまた明け方かな。

2007年 4月 5日 (木)
 最近、毎日サタデー・ナイト・ライブのビデオばかり見ている。
 やっぱり番組開始当初の70年代後半か、80年代後半から90年代初頭にかけてがおもしろい。
エディ・マーフィ 70年代後半はジョン・ベルーシ、チェビー・チェイス、ビル・マーレイ、ギルダ・ラドナーなどの大御所(何人かは殿堂入り)がレギュラーで、80年代後半以降はマイク・マイヤーズ、ダナ・カーヴィ、フィル・ハートマン、ケヴィン・ニーロン、ヴィクトリア・ジャクソンなどがレギュラー。
 後者のレギュラー陣はマイク・マイヤーズ以外は映画で派手な活躍をしてないので、日本ではあまり有名じゃないが、俺がアメリカに住んでいた頃にリアルタイムで毎週見ていたので、思い入れが深い。
 80年代前半は全体的にはあまりおもしろくないが、当時20歳だったエディ・マーフィだけはスゴい。画面に映ってるだけで笑いのオーラを放っている。とんでもない20歳の才能もあったもんだ。

2007年 4月 6日 (金)
     

2007年 4月 7日 (土)
印度カラオケ風景 昨日は何も書くことが無かったので、いっそ白紙にしてみた。伝わっていたら幸いである。(提案:橘さん)

 埼玉のインド料理店HotMasalaにて印度カラオケ。今週レイコさんから連絡があり、いきなり開催が決まった。ここで印度カラオケをやるのはこれが3回目。前回欠席した花乃さんが来るとのことで、ビデオカメラ持参ではりきって参加した。
 いきなり決まったので参加者は少なく、レイコさん(主催)と花乃さん(主役)と俺(ほとんど見学)とカーリーさん(2回目)と、あとはパキスタン人多数。
 今日もとりあえず撮影がメインだったので、自分で歌うぶんは練習してこなかった。なので俺は簡単なDDLJのテーマ曲をひとつ歌っただけだった。
 花乃さんが新しく俺の好きなDheeme Dheemeという曲を覚えてきていて、またよろしいレパートリーが増えていた。この曲はカリシュマ・カプール主演の「Zubeidaa」という映画の有名な曲で、映画はあまり好きじゃないのだが(2004年5月5日の日記参照)、音楽はラフマーンが手がけた傑作で、妹がシンガポールでサントラを買ってきてくれて以来、一時は毎日聴いていた。その他、花乃さんが一番入れまくっていたが、中でもKabhi Kabhiは一番のお気に入りで、これはインド歌謡界の大御所ラタ・マンゲシュカルの名曲だが、初めて聴いたのは花乃さんのカラオケで、また俺はラタおばさんの歌声があまり好きではないということもあり、花乃バージョンのほうが断然よい。
 とにかく皆が歌うのを聴きながら、たまにインド料理を食べている他は、ずっと撮影していた。レイコさんに言われて、今日撮影した動画を編集してネットにアップせねばならないのだ。なんでもHotMasalaの宣伝に使うらしい。
 ちなみに今日で2回目のカーリーさんは鼻ピアスをしていかにも印度マニアっぽいが、イタリア語の翻訳家さんだそうだ。いや、印度マニアでもあるようだが。
 午後4時くらいから夜の10時まで、6時間も楽しんで、帰った。

 次回はちゃんと歌おう。

2007年 4月 8日 (日)
 動画の編集をして遊んでたら、実家から電話があり、今夜すき焼きだから来るかと言ってきた。やることがいっぱいあるので迷ったが、すき焼きに釣られ、出かけた。俺は牛肉は嫌いだったはずだが。
 まあとりあえず明日は法事なので、実家に泊まれば寝坊しないで済む。なにより昨日から妹2がアメリカから甥を連れて帰ってきているのだ。甥のビデオでも撮影しようと、カメラも持っていった。
 甥はまた成長していて、1歳半になっていた。前回見たときは禿げのヨチヨチだったが、今は髪が伸び、歩ける。適当にカメラを向けてビデオを回して遊んでいた。

★ アメリカのコメディ映画「スーパースター 爆笑スター誕生計画」を見た。モリー・シャノン主演の未公開作品。サタデー・ナイト・ライブでモリーが演じていたキャラクターであるメアリー・キャサリン・ギャラガーの映画化。ようするに「ブルース・ブラザース」とか「ウェインズ・ワールド」とかその類いのものだ。
 ギャグがとんでもなく低級で、モリー演ずるスーパースターを夢見るブス女子高生のメアリーは、緊張すると自分の脇の下の匂いをクンクン嗅ぎ、机や椅子の中にダイブしてすべてをメチャクチャにし、ラブシーンを妄想して木に抱きつきその幹をペロペロ舐め、いつでもどこでもパンツを見せる。
 世の中の笑いのセンスというのは時代を経るにつれて発達して高度になってゆく、なんてことはまったく無く、すべては回り回ってこんな低級ギャグがウケる時代がたまにやってくる。38年間も生きてきた俺にこれを見てどう笑えと言うのか。
 しかしテレビだったらまだ良い。この時代にあえてこんな下らない低級な古典的ギャグをやるということ自体が、視聴者の意表をつくギャグだったはずだ。それが人気を集めて定着してゆくにつれ、単なるバカと化すのだ。
 それにしても30歳すぎのモリー・シャノンがノーメイクで女子高生を演じるのはギャグなのかいい加減なだけなのかわからないが、見ていておかしいというより痛々しい。
 何でこんなものが日本でDVDになっているのだろう。

2007年 4月 9日 (月)
 祖父の法事で母の実家である秦野に帰った。
 お経の間、眠くなり、少し寝た。いつものことながら、困ったものだ。
 法事の後、親戚そろって近くの料亭で食事。俺はひたすら日本酒を飲み、めしを食い、合間に甥をビデオに撮っていた。途中からコーラを飲みはじめたが、最初に日本酒を飲み過ぎて、気持ち悪くなり、帰り際、トイレで少し吐いた。
 食後、実家でこの二日間撮影した甥のビデオを鑑賞した。何かテーマを決めて撮影しては、それを見る。最近の楽しみのひとつである。
 横になり、いつしか眠っている間に気がつくと母も妹たちも帰ってしまっていた。取り残された気分になり、やることをあれこれ思い出して、俺も急いで新宿に帰った。

 やらねばならないことがあれこれたくさんあるのに、ほとんどなにも先に進まないまま、とうとうまたひとつ週末が終わろうとしている。先週も、先々週も、こんな感じだった。
 時間がほしい。

2007年 4月 10日 (火)
 第十回幻想異端文学大賞の審査期限が延びに延びている。作品数が多かったのか、皆さんなかなか読む暇がないようで、十分な数の審査が集まらないのだ。とりあえずこれで公正な審査結果が出せると思う数が揃うまで、半永久的に審査は伸び続ける模様である。それが嫌だったら、さあ、審査を出すのだ皆の者。

★☆ 邦画「写楽」を見た。フランキー堺が故・川島雄三と暖めていた企画で、先日「幕末太陽傳」を見た流れでちょっと借りてきてみた(3月27日の日記参照)。
 評判悪い映画だったのでずっと見る気はなかったのだが、フランキー堺が川島監督との約束を果たした渾身のライフワークとあらば、まあ何かしら見るべきものもあろうと思ったし、この映画が写楽の正体をどのように解明したのかも興味があった。
 見応えのあるシーンも少しはあるが、音楽の使い方がすべてを安っぽく台無しにしているようにみえた。写楽の心情や周囲の登場人物や写楽の絵が発表された世間の衝撃などはもっと深くおもしろい感じに描いてくれないと、これではぜんぜんダメだ。
 フランキー堺の演技は気合い入りすぎてて、少し痛い。むしろ十返舎一九を演ずる片岡鶴太郎がおもしろかった。
 写楽の正体に関しては、なるほど、それなりには興味深いかも。

 レイコさんに頼まれて印度カラオケのPR動画を作ったら、早速YouTubeにアップされた。やっつけで2時間で編集したのでクリップをただ並べただけという感じである。
 これで印度カラオケがもっとポピュラーになり、普通のカラオケ店にも韓国語や中国語の曲と同じように、ヒンディー語の曲も扱うようになってくれたら嬉しい(ありえないが)。
 日本人で顔出しできる人がいなかったので、パキスタン人ばかりになってもあれだったので、仕方なく俺の歌っているクリップも少し使ったが、如何なものだろうか。
http://www.youtube.com/watch?v=CcBke6BZp1g

2007年 4月 11日 (水)
 やばい。困った。誰かなんとかしてください。



 タツノコプロの名作アニメ「ヤッターマン」と「ガッチャマン」が実写映画化されるそうだ。
 「ガッチャマン」はともかく、問題は「ヤッターマン」だ。
ヤッターマン 俺はかなり前から、タイムボカン・シリーズの新作を実写でやったらぜったいおもしろいと主張していた。既存のシリーズのどれかではなく、新作を実写でやるというのがミソなのだ。
 どうせ「ヤッターマン」とか言って、コスチュームやキャラの雰囲気は往年のアニメとは異なるものになるに違いないのだ。「キューティーハニー」しかり。「キャシャーン」しかり。だったらタイムボカン・シリーズは新作が実写で復活、というコンセプトのほうが遥かにおもしろかろう。
 しかも監督が三池さん。俺は大変申し訳ないが、三池監督の映画をおもしろいと思ったことがないので、この企画にはかなり失望せざるを得ない。俺は見る前から決めつけるのは嫌いだが、こればかりは、もう今から99%つまらないと断言してしまいたい。
 いや、一抹の望みはキャスティングか。ドロンジョはぜひ小池栄子にやってもらいたい。米倉涼子なんかも意表をついてていいかもしれない。栗山千明でもいいな。ボヤッキーは三村、トンズラーは石塚、なんてどうだろう。
 まあ、どうでもいいか。

2007年 4月 12日 (木)
 事務所の窓が汚れていたので、拭いた。新聞紙で拭くとよいと聞いたので、新聞紙を濡らして、拭いた。拭いた後、改めて雑巾で拭いた。だいぶ綺麗になった。

 腹が減ったが、財布に札は無く、小銭をかき集めても120円しか無かった。仕方なく米を炊き、スーパーで120円のアジフライを買ってきた。ついでに醤油の小袋を沢山調達してきた。冷蔵庫を見ると、先日ジャムハムサンドを作ったときのバターと、昨日買ったわさび漬けがあった。炊いた米の半分はバターご飯にした。バターご飯とは、熱いご飯にバターをたっぷりかけ、そこに醤油をたらして食う、幼少の頃好きでよく食っていたB級料理である。残りの半分はアジフライとわさび漬けで食った。バターご飯にも少しわさび漬けをつけて食ってみたら、意外にも合ってうまかった。さて、明日は何食おう。

 深夜3時頃布団に入って消灯した。しかし眠れないので、起きた。最近は寝床に入って30分以上眠れないと、起きることにしている。眠れないのか。そうか。そっちがその気なら、こちらにも考えがあるぞ。そんな勢いである。ただ起きるだけではなく、歯を磨き、シャワーを浴び、普段着に着替え、部屋の掃除をし、龍神様に水をやり、お香を焚き、窓を開け、髪にジェルをつけ、普通に1日を開始するのだ。俺は寝るのがあまり好きではないので、眠れないときは無理に寝ることはないのだ。どうせ眠いときは嫌が上でも眠くなる。

2007年 4月 13日 (金)
 先日妹1と映画の話しをしていてら、「パフューム」見た、あれは凄く詰まらなかった、と言い出した。俺はあの映画はとてもおもしろいと思った(3月22日の日記参照)。よくある感想の相違だが、あえてこの違いはどこからくるのかと追求してみたら、お互い最初から最後のほうまではとてもおもしろかったが、ラスト数分が納得いかない、詰まらなくなった、というところは意見が一致していることが解った。詰まり俺は、映画が始まりから90%まではおもしろかったので、90点の点数が挙げられる映画だと認識し、妹1はラスト10%が詰まらなかったので、それまでのおもしろさもぶち壊しになったと認識していたのだ。
 ここで映画の感想の個人差に関する分析をしてみた。ひとつの映画には詰まらない要素とおもしろい要素に分かれ、まず詰まらない要素と詰まらない要素の比率があり、一方の要素がもう一方の要素を浸食する度合いによってこのパーセンテージが変化する。
 「パフューム」に関して言えば、俺はラスト10%の詰まらなさが、冒頭90%のおもしろさに被害を与えず、妹1はラスト10%の詰まらなさによって、映画全体のおもしろさが0%の比率にまで陥っていたのである。ちなみに俺の中で90%のおもしろさをラストに至ってもキープしていたのは、ダスティン・ホフマンの存在が大きい。
 つらつら考えてみるに、人がおもしろい、詰まらないと思う要素は千差万別だし、それがそれぞれの相互作用によって浸食し合う複雑な力学を鑑みれば、映画の感想が人によって異なるのは当たり前だと言える。
 しかしこんなことをちまちま分析していても、刺激的でわくわくするような良い映画が作れるような感性が培われるはずもないことだけは確かである。要するに今日は書くことが無かっただけだ。

2007年 4月 14日 (土)
 タルコフスキーの「鏡」を見た。なんと遅ればせながら、これが俺のタルコフスキー・デビューである。
★★ 見る前からわかっていたことだが、苦手なタイプの映画だ。俺が映画に求めているもの。例えばそれがいっぱい詰まったインド映画などとは、まったく対極に位置する創造世界なのだ。
 心の中は覗くものではなく、曝け出すものだ。人間は記憶の中に蜃気楼のように浮かび上がるものではなく、現実の地べたに這いつくばってむさぼり食う生き物だ。それをわかっていない映画とは言わないが、感じることができない。まあそれは俺の問題である。そういえば俺は哲学嫌いだったっけ。
 映像は良い。ストーリーは無く、映像による詩といった感じ。

 ジム・ジャームッシュの「コーヒー&シガレッツ」を見た。
 喫茶店でコーヒーを飲み、煙草を吸いながらとりとめない会話などをする人々を描いただけの、11話のオムニバスである。何の事件もなく、ストーリーも無く、ひたすらとりとめない人間模様が延々と続く。
 タルコフスキーの「鏡」の後にこの映画を見たのは、実に因縁深い。「鏡」が俺の最も苦手とする映画だとすれば、これは俺の最も好きなタイプの映画なのだ。現実に這いつくばって生きている人間たちがしっかりと曝け出されている。
★★★ しかるに、好きなタイプの映画だからと言って、俺はこの映画が好きかと言うと、そこは微妙だったりする。11話のエピソードはおもしろいものもあれば、退屈なものもある。ジム・ジャームッシュが18年もの月日をかけて撮ったのなら、もっとクオリティ高くてもよかったんじゃないだろうか。
 比較的、前半におもしろいエピソードが集中しているように見受けられるが、もし撮影した順番に並べてあるのだとすれば、ジム・ジャームッシュの映画はクオリティが堕ちているのだろうか。彼の長編映画は初期の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ダウン・バイ・ロー」「ミステリー・トレイン」しか見ていないので、最近の映画はどんなものだか少し興味がわいてきたが、借りてくるのは少し恐いな。
 キャストはイギー・ポップ、トム・ウェイツ、ビル・マーレイ、ケイト・ブレンシェットなど、至極豪華。俺はイギー・ポップとトム・ウェイツのエピソード(画像)が一番好きである。
 この映画の大きな問題は、主役であるコーヒーと煙草があまりうまそうに見えないところだ。

 ちなみに今日の日記を読むと1日で2本も映画を見たのかと思われそうだが、実は「鏡」は2週間かけて少しづつ見たのだな。どうも苦手で。

2007年 4月 15日 (日)
 渋谷でミクシィのミュージック・クリップ制作のコミュニティのひさびさのミーティング。
 去年ここの上映会に参加してプロモーションビデオをひとつ制作したのは記憶に新しい(2006年10月1日の日記参照)。あれ以来しばらく活動を休止していたが、ぼちぼちまた動かしましょうということで、今後の展開を話し合う為、本日集まることになったのだ。俺の自主映画のコミュニティでも活躍している音楽職人のピロさんも来ていた。
 話し合いは前回の反省と今後の展開だが、俺は気楽に一塊のアーチストとして、余裕のあるときに練習代わりに作品を提供するくらいの関わりが好ましいので、企画の段階で提案を求められたりするのは少し戸惑いがあったりする。
 ミーティング後、仕切りのV0-zさん、ピロさんとで、主催のYasさん家(品川)に遊びに行った。それなりに貴重なビデオなどを見せてもらい、喜ばしく思った。


 深夜、大道寺に誘われ、歌舞伎町のオールナイトのクラブ・イベントに参加。
 歌舞伎町で大道寺と待ち合わせたが、なかなか合流できず、もともと腹が減っていたうえに、歩き回って余計に腹が減ったので、合流するなり松屋に駆け込み腹ごしらえ。大道寺は腹が減ってないというので、彼の豚めしを半分もらったので、食い過ぎた。
ダンス 重い腹を抱えて、ライブハウス・新宿MARZに突入。今日のイベントは「宴」という、月一回開催されている踊りあり、劇あり、歌あり、お笑いありの内容で、大道寺は夢子さんというセクシーな女性が目当てらしい。
 すぐに大道寺は頭を振り回して妖しく踊りだし、俺は酒を飲みながらうろうろしていた。出し物はどれもおもしろく、楽しかった。
 大道寺はとにかく妖しすぎたが、何故かこういう場にはしっくりくる。なるほど。どんな人間でも環境によっては自然に見えるのだな。ちなみに画像の右下の影は大道寺である。
 こういうイベントはいいね。イベントがあったら誰か誘ってくれ。一緒に行く人がいなくて困っている人、自分のイベントでノルマに困っている人、遠慮なく声をかけなさい。土日祝日で暇だったら間違いなく行きます。少し忙しい場合や平日は内容による。

2007年 4月 16日 (月)
 週末の空いた時間は自主映画Reの撮影したVTRを端から総チェックしている。すぐにでも編集に入りたいところだが、編集機材を持った助監督が実家に帰ったままだったり、経済的な問題もあって、思うような環境が揃わない。しかしこれも編集前にやっておいた方がよい過程だと思うので、あえて編集環境獲得に向けて積極的な動きはせず、とりあえずこの段階に甘んじている。

 ビル・マーレイ主演の「恋はデジャ・ブ」を見た。ビル・マーレイの最高傑作だとどこかで聞いたので、借りてきてみたわけだが、確かにラブコメとして充実した作品だ。
★★★★ 設定はよくあるループものだが、ループに嵌ったビル演ずる主人公が、まず状況に戸惑い、そしてヤケになり、次第に状況を利用して好きな女性を口説こうと一見、建設的な方向に動き始めるが、うまくいかず、絶望を経て、最後は人を好きになり、人を愛することの本質に至る過程が実に見事に描かれている。
 もりだくさんで、それでいてすべてがバランス良く構成され、納得のゆくプロセスと深い内容に感心した。名作かもしれない。

 昨晩参加した歌舞伎町のイベントで、インプロモーティブという、とてもおもしろい即興劇団があったが、そのなかでひときわ印象に残った女優さんのミクシィのページを何気に覗いてみて、マイミクに自主映画Reに出演した浅葱さんの名前があって驚いた。どういうつながりかとよく見てみたら、Reの撮影にも一度お手伝いにきてくださったマシュ〜監督の映画で浅葱さんと共演した方だった。その自主映画は浅葱さんにDVDのコピーをもらって、3回くらい見ていたのだが、気がつかなかった。二度びっくり。

2007年 4月 17日 (火)
 北野武監督「3−4×10月」を見た。「その男、凶暴につき」でセンセーショナルな監督デビューを飾った北野武の第二弾である。
 これはうまいな!
★★★☆ かつてデビュー作の「その男、凶暴につき」を見て感激し、監督第二作に期待を馳せていた20年前から、見る機会を逃して今に至っていたが、今ごろになって見てよかったかもしれない。傑作「その男、凶暴につき」の直後に見ていたら、イマイチと評価を与えてしまっていたような気がする。
 武はこの後、ヘタクソで中身の無い退屈な映画をたくさん撮ったから、ひさびさにうまい武の映画を見れて、わりと楽しめた。
 ええと、この次の監督第三作目がやはり比較的完成度の高い「あの夏、いちばん静かな海。」とくると、やはり初期の作品のほうがおもしろいのだろうか。こうなると一部で最高傑作と誉れ高い未見の監督第四作「ソナチネ」が俄然見たくなってきた。はっきし言って、バイク事故以降に撮った「HANA-BI」や「BROTHER」や「TAKESHIS'」はもう、抱腹絶倒なまでにヘタクソでバカな映画だった。
 とりあえず、トータル的には監督・北野武はなんだかんだ言って嫌いじゃない俺なのだった。

2007年 4月 18日 (水)
 動画撮影の仕事で、撮影機材かかえてクライアントのスタジオを訪問。
 撮影の仕事もだいぶ馴れてきた。特に照明。先月もここで撮影したが、あの時は変なところに影が出来たり何かと大変だったが、見様見真似で何とかなってゆくもんだな。
 帰って撮影したVTRをチェックしてみたら、やたらキレイに撮れていて、これ、もう金取れるじゃん、いやもう取ってるし、みたいな良い塩梅で、あとは演出の引き出しをもっと増やしたらこの業界で動画制作で俺の右に出るものはいなくなるに違いない。なんてね。まあいいや。
 とにかく撮影の仕事は楽しいので、週二回は何かしら入れたいもんだ。

2007年 4月 19日 (木)
 朝まで眠れず、仕方ないので仕事した。朝になり、眠気と空腹が同時に襲った。とりあえず食うか寝るかで迷ったが、結局は食欲が勝ち、近所のサブウェイでトーストラップ(ハム)を買って食った。食ってすぐ寝ると胃にもたれるので、暫くビンス・マクマホン対HHHのプロレスの試合のDVDを見てゲハゲハと笑いこけていた。プロレスのDVDを見終わって、次にジム・ジャームッシュの「コーヒー&シガレッツ」のDVDを見だしたら(3回目)、いきなり眠くなり(無理もない)、そのままソファーで夕方まで眠った。起きて事務所に降りて仕事。軍議(我が社では社内会議のことを軍議と呼んでいる)。夜まで仕事して、めし食って、寝た。

2007年 4月 20日 (金)
 妹2人と甥のKODIと父と汐留の豚しゃぶのお店「いちにいさん」で食事。もちろん意味なくデジタルカメラも持参。
 こないだKODIの映像はさんざん撮ったので、今日は父ばかり撮った。今さら父の姿を撮影してどうせいと言うのか。とにかく何でもいいから撮りたいお年頃なのである。
 豚しゃぶはうまかった。ここはしゃぶしゃぶした豚を蕎麦つゆにつけて食うという変わった店で、仕上げに本物の蕎麦を茹でて同じつゆにつけて食うのだ。豚はいいね。

2007年 4月 21日 (土)
 六本木で撮影のお仕事。今回はライターの下関マグロさんに協力していただいた。マグロさんとは去年ネットラジオで共演したときに知り合い、うちの仕事を手伝っていただくのは今回が初めて。
 ちょっとトラブルっぽい展開もあったが、撮影は無事済んだ。マグロさんはさすがの貫禄で、もったいなや、素晴らしや。俺はもっと経験積まんといかんなあ。ひたすら流されるままで、カメラを回しているのが精一杯だった。帰ってVTRを見直してみても、なんでここで、そこで、あそこで、これが、それが、あれが、思いつかんのだと、自己嫌悪に陥るばかり。
 次はもっと良い撮影をするぞ。

2007年 4月 22日 (日)
 高田馬場のミニシアター・ババチョップにて、月イチ定例の自主映画上映会&ワークショップ。
 今回の上映作品は平均的にクオリティ高かったかな。
 数ヶ月前からミクシィで俺の自主映画のコミュニティを見てからまめにメッセージをくれるへそまがりさんという自主映画監督さんがいて、彼の作品も最初に上映されていたが、寝坊して遅刻したため、見れなかった。本人からビデオを送ってもらって既に見ていた作品だが、大画面で見たかったので、残念。休憩時間にへそまがりさんとリアル初対面。彼は映画は自主映画しか見ないし、自分でも自主映画を作るという、生粋の自主映画マニアで、自主映画について語りはじめれば厳格な自主映画理論が飛び交うという、思った通りの方だった。
 上映会の後、ワークショップ。今回のワークショップは、たった2時間半で1分くらいの自主映画を撮影して編集して完成させてしまおうという企画である。俺は特にやることもなく、だらだらウロウロしていた。結局撮影は何とか終わったが編集は出来ず、映画は完成しなかった。
 最後は韓国料理で飲み会。深夜12時から朝まで。ビールやマッコリなどを飲みながら、参鶏湯やコムタンや豚肉や冷麺などを食った。うまかった。値段も半額キャンペーンとかで安く済んだ。ありがたい。

2007年 4月 23日 (月)
 昨晩徹夜だったので昼間はずっと寝ていた。午後遅く起きて、下北沢に出掛けた。ソーマさんという一人芝居のライブを鑑賞。ぶらっきぃ!さんが照明スタッフをやっているので、安くするからと誘われたのだ。
 ソーマさんの一人芝居は以前から渋谷のヒトリシバイナイトで何度か見ていたが、一度に何人ものキャラを演じ分けながら一人芝居をする芸風がとてもうまい。演目の半分くらいはヒトリシバイナイトで見たことあった。後半は見たことないやつばかりで、おもしろかった。

 昨晩留守録しておいた深夜放送の新ドラマ「ティッシュ」を見た。
 自主映画Reの脚本を書いてくださった脚本家の姐御さんの新作ということで、見たのだ。姐御さんのプロとしての仕事を見るのはこれが初めて。
 深夜ドラマにしては演技がちゃんとしてて、それなりにおもしろそうだ。どうでもいいがAV女優も出ている。何よりも姐御さんの作品なので、今後の展開に期待したい。

2007年 4月 24日 (火)
 夜、貸したものを返しにぶらっきぃ!さんがやってくる。
 自主映画のDVDなどを見ながら語り合う。

★★ DVDで「駅馬車」を見た。ジョン・フォードの映画を見るのはなんとこれが初めて。これまでの人生で見てきた映画のどこかで見たようなシーンがいっぱい。
 これから映画をたくさん見て生きてゆこうと思う若者たちは、なるべく早めにこの手の映画は見ておいた方がよいと思う。と映画オジサンからのアドバイス。
 ジョン・ウエインは「リオ・ブラボー」しか見たことなかったが、なんだ、若い頃はそれなりにカッコよかったんだな。キャストでは飲んだくれの医者がその演技といい存在感といい、ひたすらひとりで異彩を放っていた。

2007年 4月 25日 (水)
 また月に一度のこの日がやってきた。死にたい。

2007年 4月 26日 (木)
 下関マグロ先生と事務所で新企画の打ち合せ。打ち合せというか、雑談。決めるべきことは決まったから、結果的に打ち合せでもあった。名目は雑談。意図は打ち合せ。俺はコーラ、先生はインスタント・コーヒーの牛乳割りをおいしそうに飲んでいた。
 打ち合せ雑談後、先生を見送りがてら散歩。
ネパール料理 東新宿のうちの前の事務所があったところの外れあたりのサンクスの向こうにあるネパール&インド料理サンサールで食事。ちょっと見慣れぬセットメニューがあったので、注文してみたら、えらくマニアックな味で、しかもやたら辛く、最初の数口はうまかったが最後は食べ疲れてきた。また来る機会があったら今度は普通のメニューを食いたい。ってゆうかもう来ないかな。
 その後、先生と神楽坂を通って市ヶ谷へと、数時間に渡って散歩をし、市ヶ谷あたりで別れた。久しぶりに死ぬほど歩いた。散歩が趣味で歩くのが大好きな人間どうしが遭遇すると、得てしてこういうパターンになる。

2007年 4月 27日 (金)
 池袋で撮影。いいですね。

 夕方、六本木。

2007年 4月 28日 (土)
★★★★ 仕事でやってるサイトのリニューアル。
 他のことが多忙で何気に流してしまったが、わりと一大イベントだったような気がする。


 小津安二郎の「晩春」を見た。なんと小津映画初鑑賞である。
 なるほど、素敵。今まで見てなかったのが不思議なほどツボにきた。
 ほのぼのとしすぎな人間描写がやたらおかしい。ラストがまたよい。

2007年 4月 29日 (日)
★★☆ 「ダーティ・ハリー」を見た。実は初めて見た。
 やはりクリント・イーストウッドが出ているというだけで、つい「夕陽のガンマン」とかと比べてしまって、というより、セルジオ・レオーネの幻影から抜け出せず、とんとツボに届かない。
 何度も言うように、この手の映画はなるべく早いうちに見ておくに限る。

 ピアニストのあやらさんと近所のスタジオで自主映画Reに使う(かもしれない)ピアノ曲のレコーディング。
 しかしこの子、バイトが忙しくて何ヶ月もピアノに触ってなかった上に、肉体労働で手が腱鞘炎に近い状態になっていたらしく、ろくなレコーディングができなかった。なにやってんだまったく…。
 おまけに目当ての曲がずっと前に即興で作曲した、ほとんど未完成の曲で、さらにふたりともメカ音痴なため、機器の操作もよくわからず(MDなんて初めて触ったぞ)、録音もかなり杜撰だったように思う。
 結局レコーディングとしては意味あったかわからないが、とりあえず彼女のピアノはたっぷり聴けたので、個人コンサートだったと思えば、まあよかったかな、と。

 帰り、スパイスヘブンでインド料理をおごり、少しパークタワーを案内して、帰った。

2007年 4月 30日 (月)
 最近知り合った自主映画監督のへそまがりさんの新作でキャストが足らないというので、助っ人におもむいた。
サイボーグ軍団 「熱球物語〜星飛雄馬vs花形サイボーグ軍団」という野球もののバカ映画である。俺は花形率いるサイボーグ戦士のひとりをやった(画像参照:左から2番目)。ついでに星飛雄馬率いる相手チームの一員としてもエキストラで出演した。人手不足なので、基本的に両チームが同じ俳優のメンバーなのがすごい。
 このへそまがりさんの「熱球物語」は今回でシリーズ第3作目。前作はビデオを貰って見ていたが、かなりシュールなギャグが目白押しで、笑える。
 撮影は朝の10時から東横線の新丸子駅の河川敷で行なわれた。なるほどへそまがり氏のバカ映画はこんな風に作られてきたのか、と妙に納得できるゆるい進行っぷりだった。しかし手際はよい。
 午後3時頃撮影は終了し、新丸子駅近くの喫茶店でへそまがりさん他キャスト&スタッフの皆様とお茶しながら雑談。一日中外で撮影していたため、トイレで顔を見たらかなり日焼けしていた。カレーはうまかった。雑談も至極楽しかった。

 夜はババチョップの自主映画ミーティングで知り合った俳優さんの愉快さんの「大縁会」という飲み会に出席。クリエイターたちが集まって人脈を広げたり勉強したりお互い刺激を与え合ったりしましょうという月イチで開かれている宴だが、要するに単なる飲み会である。俺は今回初めて出席した。
 最初到着したときは半分くらいがババチョップで見たことあるメンバーで、しかもむさ苦しい男ばかりでちょっと参加したことを後悔したが、途中から女性メンバーも現れたり、話しもおもしろくなってきたりで、参加してかなりよろしい飲み会だった。


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