非幻想異端的日常
2007年 12月 1日 (土)
 インドに留学している花乃さんとひさびさにスカイプで話す。インド映画の最新情報をいろいろ教えてもらった。話しだけ聞いてるとインド映画もあれこれ見たいと思うが、実際、最近のインド映画はどうなんだろうか。復帰したマドゥーリの新作は死んでも見てみたいと思うが。
 インドでの生活の話しを聞いたり画像を送ってもらったりして、羨ましいといったらない。それにしても画像を見てて、インドって汚く見えるほどウマそうに見えるとはどんな国なんだろうか。
 一度インド行って腹壊さないとダメだな。

2007年 12月 2日 (日)
 コーエン兄弟の「ディボース・ショウ」を見た。天才も調子が悪いとここまでつまらない映画を撮るんだなと、感心した。

2007年 12月 3日 (月)
 夕方まで【電気苺】の最終稿あげてて、夜は日曜だというのに仕事で外出して、その帰りひさびさにゴールデン街のヨーヨーに寄って少し飲んだ。夜は眠れないので少し撮影のカット割のラフを作成していたが、撮影期間はまあざっと半年というところであろうか。

 そういえば昼間テレビでプロレスのハッスルがやってたので初めて見たが、やたら下らなくてびっくりした。下らなさだけはWWEに匹敵してるじゃないか。微妙だが、古典芸能と化した最近の普通のプロレスよりはよほどマシかもしれない。

2007年 12月 4日 (火)
★★★★★ コーエン兄弟の最高傑作「ミラーズ・クロッシング」のDVDを買ったのでひさしぶりに再見。
 この映画は実に巧妙だ。一回見ただけではストーリーがわかりにくい。わかりにくいので、もう一回見ることになる。するとこの映画は二回以上見ないとわからない、実に細かいところまでよく出来た映画なのだとわかる。コーエン兄弟が意図的にストーリーをわかりにくくしたわけもないが、才能とは何気にそういう絶妙なタイミングの良さを呼ぶ力でもあるのだ。
 濃密に構成された演出と演技による登場人物の深いリアリティ。音楽。映像。これらの神業をさらに先のまったく読めない巧妙なストーリーにのせて、こんな完璧な映画にしてしまうなんて、神業の中の神業と言っても過言ではない。
 この映画のジャンルが“ギャング映画”だということはまず忘れたほうがいいかもしれない。これは男と男の友情、裏切り、迷い、野望、愛、暴力、疑惑、哀愁、美学、そんな言葉にすると下らなくなってしまうものがたくさん詰まった至極のドラマなのだ。
 俺がタランティーノの「ジャッキー・ブラウン」と並んで一生かけてでもこの境地に達したいと思う映画の双璧だったりする。
 最後にもう一度くり返すが、この映画は二回以上見ないと絶対ダメである。

2007年 12月 5日 (水)
★★ 香港映画「スウォーズマン/女神伝説の章」を見た。制作がツイ・ハーク。主演がジェット・リーとブリジット・リン。シリーズ第2作目で、第1作目はちょっと前に見ていまいちよくわからなかったのだが、これはわかりやすかった。
 ワイヤーアクションのオンパレードで、ほとんど漫画。ことごとく広角レンズを使ったカメラアングル、めまぐるしいアクション、すべてがコテコテで見ていて疲れた。十年前だったらゲハゲハ笑いころげて楽しめただろうな。

2007年 12月 6日 (木)
 このところぼちぼち手伝っているネット通販の店長さんを今日になってそこの社長さんにやっと紹介され初めてお会いした。満足な報酬がもらえてなかったり方向性がいまいち定まらなかったりでちょっと脱力モードではじまったこのお手伝いだったが、店長さんが失礼ながら意外と熱心なかたで、かなりやる気が出た。

 いろいろ金儲けの話しは舞い込むが、本当に金になる話しは少ない。

2007年 12月 7日 (金)
 携帯を忘れて一日中外出。いつもと変わらぬ日常。なんだ、携帯なんて無くても生きていけるんだ、そう一瞬でも思った俺は人の迷惑を考えぬ愚か者なのかもしれない。
 こちらからは連絡できても人からは連絡がつかなくなるわけで、携帯を持たなくて本当に迷惑するのは人なのだな。

2007年 12月 8日 (土)
 煙草をやめる決意をしてそろそろ2年になるが、この頃ますます葉巻を吸う楽しさを覚え、紙巻き煙草は2年ごしにやっとやめられそうになってきた。煙草をやめても葉巻を吸ってたら意味ないんじゃないかとツッコミが入りそうだが、確かに一服のニコチンの摂取量はそれほど変わらずとも、依存性が紙巻き煙草に比べてグッと低いので、身体に与える悪影響はかなり少なくなると思われる。しかし胃への負担は大きくなるので、その点は気をつけたい。

2007年 12月 9日 (日)
 ミウカさんの家でDVD&ビデオ鑑賞会をかねたお茶会「みうかんちを汚す会」に出席。ミウカさんとは、今年の夏に行なわれた「秋葉原ホコテンで着衣緊縛イベント」の主宰&モデルの美しいM女性のかたである(7月30日の日記参照)。その時に撮影した動画を編集して「白昼夢」と題する十分ほどのドキュメンタリー芸術作品を作成してミウカさんに送ったら気に入っていただけて、一度それを含めて皆で秘蔵のDVDやビデオを持ち寄って映像鑑賞会でもやりましょうと以前から言っていたのがついに実現したわけである。ミウカさんは現在ふたり目のお子様を妊娠中で、身重のからだなのだ。
 出席者は前回の秋葉原で縛りを担当した鬼畜さん、初めてお会いする藤代京さん、その奴隷さん。奴隷さんは急用が入ったようですぐ帰り、1時間ほど遅れてレイさんと、ももにゃんがやってきた。そして忘れてはならないのが、ミウカさんの長女・ごんぞー。2歳くらいにしてオトナ顔負けの色気と男心を手玉にとりかねないクールさを併せ持つ、未来の大器なのだ。
水浮華 映像は当たり障りの無いものばかりだったが、皆との話しがおもしろくてまったりと実に楽しいひとときを過ごした。カレーまでゴチになった。後半、このところの寝不足がたたって眠くなり、少し居眠りしていたらいつのまにか映像観賞会が終わっていてミウカさんの妊婦緊縛の実演がはじまるところだった。前回は鬼畜さんが縛ったのだが、今回はレイさん。もちろん、服は着たままである。俺はカメラを回した。ミウカさんは【電気苺】のイメージ映像的なシーンで出演が決まっているのだが、今日ついでに映画で使える映像が撮れたらと思い、一応背景に白幕を貼って撮影した。映画本編で使えるかどうかはわからないが、帰って撮影したVTRを見たらミウカさんが目のさめるような美しさで、今日の映像を単独で編集して「白昼夢パート2」としてDVDにすることにした。

2007年 12月 10日 (月)
 大縁会の忘年会に参加。忘年会というからにはいつもより参加者は豪華になるようなイメージがあったが、そんなことはなかった。参加者は愉快さん、ドラゴン監督、ピヨのお友達さん、ABさん、いわゆる女性がひとりもおらず、オッサンばかり5人集まっての飲み会となった。しかし今日はいつもより会話はおもしろかった。バカなものから真面目なものまで、新たな企画や野望(欲望も)について話し合った。

2007年 12月 11日 (火)
 ゴールデン街自主映画【電気苺】の全シーンのカット割を決め終わった。リハーサルをやるとセリフが変わるが、カット割を決めるとト書きが変わる。あ、ここの歩き出すタイミングはここじゃなくてこっちだ、血が飛び散るのはもう少し後かな、ここでグラスを置く動作を入れないと、みたいな感じで。
 とりあえずクランクインに向けて脳内の下準備がほぼ完全に終わった。あとは小道具とか、衣装とか、脳外の準備である。

2007年 12月 12日 (水)
 銀行に訪れる度に絶望的な気分になる。
 金の心配しない生活が送りたい。

2007年 12月 13日 (木)
 今日はやたら眠くて人に迷惑かけた。
 天罰か、風邪、ひいた。

 風邪ひいてる暇はないのだが、風邪、ひいた。

2007年 12月 14日 (金)
 こないだ素敵な映像を撮影したので、毎晩DVDを見る時間を削って編集作業にあけくれている。淡々と日常を送っているようでも、常に何かに熱くなっていて、またその熱いポイントが定期的に違うのは人生にメリハリと変化があって良いことだ。

2007年 12月 15日 (土)
 事務所。印刷。渋谷。露出。ゴールデン街。岸田今日子。

2007年 12月 16日 (日)
 俺が参加している音楽で映像をつくるコミュの第三回カフェ上映会が下北沢のヘヴンズドアという店で昼から夕方まで行なわれた。
笛田さおり 俺は今回シンガーソングライターの笛田さおりさんのライブを撮影編集したのだが、なんと編集したファイルのリンク情報が一部グチャグチャになっていて、上映された映像はしまりがなく、評価される以前のところにとどまってしまっていた。
 今回の映像制作は編集のときも今日の上映会にしても俺はちょっと引きすぎた気がする。もう少し自分の作品に対してこだわりや自己主張を強く持つべきだっただろうか。
 「編集はこれでいきましょう」「はい、じゃあそれで」
 「もうこれでいきましょう」「そうですね、そのままで」
 最終的に観客の目に触れる作品のアウトプットを鑑みるに、これはアーチストとして自分の作品に責任をまったく持っていないということにもなりはしないだろうか。今後のちょっとした課題である。
 他の作品では今回コンノさんが笛田さおりさんの「はてな」という曲のPVを制作したのだが、未完成ながらこれがなかなか可愛いシロモノで、またくり返し見れば見るほど味が出てくる映像で、実によかった。
 今日の上映会は全体的に今までと比べてクオリティは低かったが、前述の編集の問題も含めて、次回の上映会への闘志がわいてきたので、有意義だった。
 上映会の後、近くの焼肉屋で忘年会。俺は【電気苺】のスケジュール作成で忙しかったので、1時間だけ参加して帰った。

2007年 12月 17日 (月)
 ゴールデン街映画【電気苺】のクランクインも間近ということで、レイさんを事務所に読んでカウントダウン会議をした。作成途中の撮影スケジュール表をプリントし、とりあえず撮影を急がなければならないタイムリミット付きのキャストの撮影を今年中になんとか前倒しでやっつける計画をおおざっぱにたてた。プリッツ期間限定の鯛味はうまかったが、やはり主役はとんがりコーンだった。
 夜はヨーヨー。ひさびさに野良猫がいた。

2007年 12月 18日 (火)
★★ フェリーニの「オーケストラ・リハーサル」を見た。確かこれはニーノ・ロータの追悼記念に制作された作品だったと記憶している。
 その名の通り、オーケストラのリハーサルの話しで、指揮者と演者の仲が悪くて仕舞いにはリハーサルが大乱闘の場と化してしまうという、ドタバタ喜劇である。
 まあイタリア人はこれを見て笑えたのかもしれない。

2007年 12月 19日 (水)
 眠れないので徹夜で【電気苺】の撮影準備。
 しかしわれわれは何てとてつもない無謀なことをやろうとしているんだろうか。
 この武者震いする感じが何とも言えず、楽しい。
 楽して得られる快楽に真の輝きはないのだな。

2007年 12月 20日 (木)
 仕事熱心なパートナーのお陰で偶発的にバイトが休みになった。やることが多すぎて頭がオカシくなりそうな毎日に、これは有り難い空白だったと言える。
 徹夜明けだが朝あまり眠くなく、朝食にレトルトの参鶏湯を食ったら元気が出て、いよいよ眠れなくなったので、タマりにタマった仕事を少し片付けることができた。
 夕方、少し仮眠をとり、用事でゴールデン街へ行き、用事を終えてすぐ帰って仕事の続き。
 今年中にまだこれだけやることがあるのかと思うと、今年もあとわずかですね、なんて言われてもピンとこないし、自分で言う気にはもっとならない。

2007年 12月 21日 (金)
 ゴールデン街。シネ。オレンジ。

2007年 12月 22日 (土)
 公私ともにおつきあいの長い占い師のクミさんがひさびさに長野から上京してきたので、南口のインド料理ダージリンで食事した。占い師さんだけに、仕事のことやいろいろと為になる精神的な助言をいただき、気持ちが少し軽くなったように感じた。そう感じたのは、背負っていた荷が軽くなったからではなく、心の支柱が一本増えたからだと思えるような助言だった。

 午後は新橋と西新宿。最近は事務所にこもりきりの日ばかりなので、外出が多いとやたら疲れる。

2007年 12月 23日 (日)
 バイト先のKさんが今月限りでやめるのだが、夜、Kさんが出勤でもないのに遊びにやってきた。来週ここの忘年会があるのだが、俺は用事で参加できないので、Kさんとは今日が最後のお別れになるかもしれない。そして今日から新人さんが入った。入れ替わりの時期なのだな。
 Kさんは天然石が好きで、ウチで数年間売れ残っていたルチルクォーツの置物を買ってくれた恩人だし、他には無い特別な何かを持った人物なので、これからも頑張ってほしい。お互い世に出てから再会いたしましょう。

2007年 12月 24日 (月)
 予定していた【電気苺】の撮影が中止になったので、道具集めにヤフオクや楽天を検索しまくって一日を過ごした。少し外出してヨドバシカメラで撮影用具を買った。
 一部コンテも描かないといけないのだが、なぜか頭に何も浮かばない。疲れているせいだろう。

2007年 12月 25日 (火)
 クリスマスだというのにバイトで、バイトの後も明後日までに終わらせなければならない面倒な仕事があって忙しく、バイト先の店長が買ってきてくれたケーキを食べたとき以外に今日がクリスマスだという事実を思い出す気持ちの余裕さえなかった。きっと年末年始もこんな感じかな。

2007年 12月 26日 (水)
 給料日なので銀行にいって社員の給料やその他の支払いをして、クリスマスなので帰りにサンクスで半額になっていたケーキを買って帰って社員にふるまった。サンクスのケーキはクリームが妙にミルキーな甘ったるさの安っぽい味わいが美味しいケーキで、仕事に疲れた脳の栄養にはうってつけだった。口のなかが甘ったるくなったので夕食はレトルトのカレーに大量のココナツミルクとスパイシーなガラムマサラをふりかけたレトルト改造カレーを食い、食後に伊丹十三の映画のビデオを見ていたら眠くなったのでそのまま眠気に身をまかせるように眠った。深夜、目を覚ましてふたたび仕事をはじめた。ついでにたまっていたここの日記を一気にアップした。

2007年 12月 27日 (木)
 出稿している会社だが、これまで代々木のほうの事務所に通っていたのだが、今日から新橋の事務所にきてくれと言われた。ここの会社はいろいろ異なる事業をやっている。これまではネット通販サイトのプロデュースだったが、パートナーが幸いかなり熱心なひとで、通販は彼女にほぼ全面的に任せて俺はたまにサポートで手伝う程度でじゅうぶんだとT社長の判断なのだった。
 そんなわけで今日から新橋だったが、いまいちなにをやるのか定まっておらず、T社長とふたりで雑談したり牛丼食ったりパソコンのことを教えたり軽くホームページの更新などをしていたりした。
 今日初めて知った事実としては、T社長は現在58歳なのだが、彼はその昔、松竹の新鋭の俳優で、40年前の彼が19歳のとき、木下恵介監督のテレビドラマに出演しその主題歌も歌ったそうだ。調べてみたら確かに木下恵介は1964年くらいからテレビ界に進出し、「木下恵介アワー」というドラマ番組を製作している。本当らしい。10年のつきあいで初めて知った。こんな身近にこんな人材が眠っていたとは驚きだ。
 これはもう、彼にもそのうち俺の映画に出演していただくしかありませんな。

 ゴージャスな美女ばかりが総勢5〜6名ほど集う(誇張無しだ)嬉しい忘年会に招待されていたのだが、【電気苺】のミーティングがあったので、已む無く辞退した。
 「えええ!? 浅野さん来れないの!? そんなぁ、残念ですね…」と言われたが、それはものの見事にこっちのセリフである。

 で、【電気苺】のミーティングである。
 今日は音楽を担当していただくピコピコ・バンドのCPU9さんのメンバーの方々と、アイドル役のみずほ殿と、キャンディーをペロペロなめながら、カラオケ・ボックスにて行なわれた。みずほ殿の歌声とCPU9さんの作った楽曲のお披露目が中心だったが、どちらも予想を上回るというより、想像を絶するクオリティの高さで、どうしようかと思ったほどだった。
 世の中全体がそうなのか、俺の中だけがそうなのか、渦中にいるので判然としないが、今、俺の周囲で80年代がやたら熱い。CPU9の面々は80年代アイドルに造詣が深く、そのスタイルも一部それっぽい面影をたたえており、一度じっくり語り合ってみたい気がした。

2007年 12月 28日 (金)
 ゴールデン街のシネにて仕事中のキャストをつかまえ、迷惑かと思いつつ、他に滅多な機会もないので【電気苺】の衣装とアイテムの打ち合わせ。その後、今日ワイコン・レンズをついに買ったので、ロケ地となるヨーヨーに寄り、店内の映りをカメラテスト。
ワイコンレンズ 買ったワイコン・レンズは0.6倍。狭いバーの中が舞台の中心になるので広く映せるワイコンは必須だが、その要素以外にも、ポイント的に少し画面を歪ませて映像的に若干シュールなおもしろい感じを出したくて、フィッシュ・アイ寸前のかなりスペックの広いものを買ったのだが、テストでいろいろ撮ってみて、映し方によっては画面が素人目にもハッキリわかるほど歪んだり、ほとんど見分けがつかなかったりする。いい感じだ。このくらいの微妙なレベルがちょうどよいかもしれない。
 カメラテストが終わり、そのままヨーヨーで少し飲んで、靖国通りの立ち食いそば屋でカレーライスを食って、帰った。

2007年 12月 29日 (土)
 仕事納め。
 つぶらが大掃除をしましょうと主張するので、柄にもなく普通の会社みたいに大掃除をやった。
 大掃除といっても、1〜2時間くらい各自好きな部分を綺麗にしただけ。俺は引き出しの整理をしただけで2時間フルに使ってしまった。
 来年は事務所の別の一角を整理して、十年計画くらいで完璧にしてゆくとするか。

2007年 12月 30日 (日)
 俺は【電気苺】だ!
 と叫びたくなるほど、電気苺な毎日の今日このごろ。それはもう、電気苺のために呼吸し、電気苺のために鼓動し、電気苺のために眠り、電気苺のために喰い、電気苺のために飲み、電気苺のために歌い、日々を電気苺のために生きている。すきまの時間は電気苺のために何かをやっている。それ以外のひとときも常に電気苺のことを考えている。
 とりあえず現在はクランクイン寸前ということで、小道具や撮影機材などの収集と衣装の手配と一部のコンテ作成を中心に、地道に動いている。レイさんは主に撮影の根回しとキャストのスケジュール調整に奔走しているようだ。
 長編映画ともなると、本当にやること多い。撮影に入ってしまえばあとはスケジュールさえ揃えばトントンとゆくだろうが、それも綿密な下準備あってのことなので、ここで手を抜くことなく、確実にやってゆきませう。


 知り合いにアメリカで最近流行っているお笑い芸人を教えてもらったらかなりツボだったので、アップしてみたりする。Jeff Dunhamという腹話術でパペットなスタイルの芸人だが、もういっこく堂だのパペットマペットだの、日本のレベルの低さを思い知る。

http://www.youtube.com/watch?v=1uwOL4rB-go

2007年 12月 31日 (月)
 大晦日。
 年末年始だからといって、特になにするわけでもなく、俺にとっては普通の休日である。大掃除はつぶらのリクエストでとりあえずやったが、そんなもんだ。
 昼間はずっと動画の編集作業をやっていた。夜は毎年恒例、テレビで格闘技観賞。年越しそば代わりのマルちゃんのインスタント天ぷらそばと菓子パンを食いながら、ひとりでテレビにかじりつき、「ウオオオー!!!」とか「あああーっ!!!」とか叫んでは夜をすごした。
 格闘技がすっかり伝説を失い抜け殻となった今でもこれだけ楽しいのだから格闘技ファンはやめられない。

 それにしても年末年始が普通の休日になったのはいつ頃からだろう。とつらつら考えてみるに、相方がいなくなり、ひとりになってからだと気がついた。それでは年末年始とはなにかというと、これは本来、形のない日々のくり返しに人が概念として定めたひと区切りである。つまり俺はひとりの人間としては区切りがいらぬのだ。年末年始とは俺にとって、人との関係性の中でしか生まれえぬ概念なのである。その証拠に、正月に郵便受けを覗けば年賀状が入っているし、人と会えば年始の言葉を交わす。その時だけは一年のはじまりを意識するし、一時的にはそんな気分にもなる。

 そんなわけで、来年の年末までには一緒に格闘技を見れるような恋人を見つけたいものである。格闘技好きの恋人といっても「キャー、マサト、カッコいー♪」などのようなミーハーなのではなく、「船木はそれなりにブランクを感じさせない動きだね」とか「今のヒョードルなら全盛期のヒクソンにも勝てそうだね」とか「黒人ってだけでお笑い芸人がこれだけ強いんだからアフリカ漁ったらどんな最強選手が眠ってるんだか知らないよな」とかそういう、格闘技理論的な話しがしたいのであって、ついでにコマーシャルの間に関節技かけあって遊んだりして、ちょっと本気になってしまって喧嘩になったりして、でもコマーシャルが終わって試合の続きがはじまるころにはまた仲良く格闘技を観賞できるというような、そんな女性は恐らく、いないだろう。

 夜11時45分くらいにうつらうつら眠くなり、ソファーで眠った。
 除夜の鐘が聞こえたのだとしたら、それは夢の中だったに違いない。


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